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| 2003年12月05日(金) ■ |
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| よくあるはなし〜18歳のときのメモから |
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友人達が葬式に参列している頃 彼女はとっくに死に終わって 彼女が以前叩き潰したことのある 一匹の蚊に生まれ変わっていたのだ
蚊の生涯を彼女の手のひらで終えて 今度は悪戯に踏んづけたことのある 一匹の蟻として生きた 蟻の生涯を彼女の靴の裏で終えると 今度は花火で焼き殺したことにある 蛙として生きた
こんなことを繰り返しながら彼女は 時々よく晴れた同じ青空を見た 悪いもんじゃないよ、と同じ事を 繰り返し同じように思った
それから遂に彼女の母親の生涯を 娘の手で終えて ほんの少し目を覚ます
そこにいたのは好きな女の子を 刺して逃げる途中に 車にはねられ助からない ひとりの口がきけない通り魔
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