生存報告―目指せたくまし道。
〜こっそりひっそり編〜


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2003年01月02日(木) ひとり、時間。

今日明日は寒いらしいけれど、卒論を書くために家にいる。パソコンで書いているので壊れやすいバイオがこの酷使に耐えられるか心配。画面を見つづけると頭痛がしてくるのでちょこちょこ休みながらキーボードを叩いている。

久しぶりに家でゆっくりしながらの、家族も親戚の家に出かけて居なくてひとりでゆったりとした時間。小さい頃の、いろんな映像や感覚を思い出す。引っ越す前の家で、買い物に行った母の帰りを待っていた感覚。二階の窓から、自転車に乗った母の姿が見えると手を振って下までかけおりていった。今の家にいた頃も、母の帰りを待ちきれなくて大通りまで行ったことがあるらしい。

休日の朝は早く目が覚めて、家族が起き出すまで暇な時間をひとりで待っていた感覚。いつから、こんな風にバラバラに過ごせるようになったんだろう。私は不器用なようでなかなか素直になれない。二番目よりも一番目のほうの子が大切にされていると感じることへの僻みもあるのかもしれない。愛されているはずなのに。

よく空を見上げた。人と話すとき上を見て話すことが多いせいか今も自然とよく空を見上げるけれど、小さい頃は人には言えない理由で自分は違う星からやってきたんだと本気で信じていた。だからその時がきたら自分は星に帰らなきゃいけないんだと思っていた。自分の机にはそのためのアイテムが大事にしまってあった。

永遠の命が得られるなら欲しいと思っていた。古代から続くこの地球の生命の営みを、生き死にを繰り返しながら延年と見つめつづける自分の姿を想像した。それはCGのような自由で勝手な想像で『コンタクト』でジョディ・フォスターが見たような世界だったかもしれない。

好きだったのはグリム童話やアラビア物語。空を飛ぶ魔人や不思議な力憧れて、何度も何度も読んだ。少女漫画を読むようになると、魔法を使える漫画が流行っていて「空を飛べる能力と、人の心を読める能力だったらどっちが欲しい?」と母に訊くと「人の心を読める力」と答えた。私は空を飛びたかった。自分の殻に閉じこもっていた。人が知らない、自分だけの秘密。

努力して人とコミュニケーションが取れるようになってきて、心が読めたらおもしろいと思った。そうしたらもっとスムーズに人間関係が築けると思った。自分から求めたい?人に求められたい?得られないもの相手ではやはり疲れてしまうんだろうか。

わからないことだらけで頭が混乱する。きっと考えないほうがいいんだ。私が感じることがすべて。抱きしめたい。信じたい。でも、それが何になるの?感じていたのはどろどろとした黒い沼の中にずぶずぶと引き込まれて行く感覚。

稽古がなくて一人でいて声を出さないから叫びたい衝動にかられる。とりとめのないことを考えてしまうのも、きっと独りでいるからだ。



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