だいありー

2023年11月03日(金) お仕事事件簿

どこから書こうか…
遡ってから書こうか、今、あることから書いて
遡って行こうか…。
取り敢えず今の仕事に着いてから書こうかな。

私は特に医療系の資格を持っているわけではありまてん。
派遣は「専門的にその仕事に従事する」というのが
派遣であり、だからこそ非正規雇用で充分なわけですよね。
ところが近年、特に正社員を雇用せずに派遣で済ませようと
いう企業が多くなりました。
派遣を入れた方が人件費が少し抑えられるからでつ。
そのせいか、大学を出ても就職できなかった子も多く、
その子達だって生活はあるわけで働かない訳には
いきまてん。
イコール「就職できなかった負け組」というイメージが
ついてしまいますた。
またその企業によっては派遣を「使い捨て」と大っぴらに
いう輩もいます。
それでも派遣ですら40歳を超えると仕事はありまてん。
法律で性別・年齢で選んではならないとなっていますが、
矢張り若い子には勝てません。
企業も法律を抜けるために1人雇用するのに10社くらい
派遣会社にお願いして他社競合とし、その中から若い
女の子を選んでいます。
派遣会社からコーディネーターの斡旋であっても
まずは派遣会社の社内選考を通らないとならないし、
40代だとまず通らないですね。
社内選考を通って企業に派遣会社から提案があっても
面談前に企業からお断りが来たり、面談してもお断りが
来ることが多いんです。
そして交通費は自腹ですから受かっても落ちても派遣会社
から交通費が出ることはありまてん。
もし受かってもほぼブラック企業と思った方がいい。
だから大体40代でも雇ってくれる企業は銀行の後方事務か
融資などの事務センターか、通販などのコールセンター
くらいです。
ぱんちゃんも昨年4月からプーになり、失業保険を貰いながら
派遣の登録をしたり、エントリーしてみたり、
本当にモヤモヤしながら就活してますた。
ハローワークで近くの整形外科の事務を募集していたのを
見て、無資格桶(ok)だったこともあり応募。
落ちましたけど、その手もあるのか…と思って無資格桶(ok)の
病院求人を探しますた。
そして今の仕事に就いたのです。
病棟クラークってナニ? から始まった仕事ですた。
この病院は昔からある病院で、ママさんのお友達を数年前に
レスキューして運んだ病院でもありまつ。
ぱんちゃんも巻爪でお世話になり、10年以上前にはバリウムを
健康診断で1リットル飲まされた嫌な思い出がある病院でも
あるのだす。

面接で聞かれたのは

「とても忙しい病棟ととても個性が強い職員がいる病棟と
ありまして、どちらが希望ですか? 一応伺っておこうかな
と思いまして」

と、言われますた。
まぁどっちにしても病院勤務なんて初めてなんで、

「どちらでも構いません」

と答えますた。
結局個性が強い病棟になりますた。
そこは「療養病棟」でして、入退院が極端に少ない病棟
だったんですね。
寝たきりの患者さんが入院していて、療養病棟とは治療しない
病棟なんです。
いかに穏やかに人生の幕を下ろすお手伝いが出来るか。
ご家族が寝たきりの家族の世話は現実的に厳しいものがあり、
施設はお金がかかりますのでね、病院がお引き受けするわけです。
良く病院は長くは入院させないと言われますが、それは本当です。
急性期病院は療養がありません。
命を救うことに重点をおいていますので、3ヶ月しか
入院させられないんです。
ぱんちゃんの職場はケアミックス病院ですので、一般病棟が
それに当たります。
とはいえ急性期病院ではないので、脳梗塞や心筋梗塞などの
患者さんの受け入れは救急でも難しい。
一般病棟は3ヶ月しか入院させられません。
もう一つ、地域包括ケア病棟があります。
この病棟はリハビリを頑張ってお家に帰りましょうね
という病棟ですので、2ヶ月しか入院できません。
もう一つは緩和ケア病棟です。
こちらは末期がんなどで治療が終了し、痛みとって
最後を迎える病棟となりますので、入退院を繰り返す患者さんが
多いんですが、矢張り長くは入院できません。
けれども命の期限が切られてしまった患者さんの病棟なので
色々と特別ですね。
看護師さんの質も良いし、クリスマス会やコンサート、
医師のコスプレ回診などがあって楽しそうですし、患者さんも
治療もないこともあってお酒も自由、タバコも自由、
お菓子も自由に売店で買って食べれます。
そこがぱんちゃんの病棟、療養病棟と違います。
同じ治療しない病棟でも、ぱんちゃんの病棟は命の期限は
フェードアウトな方ばかり。
所謂、病気をそれぞれ持っていても老衰が多いんでつ。
だから長い人は10年いる患者さんもいます。
当然、退院は死亡退院が多くなるわけです。
なので、忙しさは他の病棟とは全く違う忙しさです。
でも、ともかく目も回るような忙しさは酷だろうと人事と
看護部長とで療養に配属にしてくれたわけです。

入職日、ぱんちゃんの他に女の子が1人一緒に
オリエンテーションを受けました。
彼女はパートで一般病棟に配属となり、9時から14時迄の
勤務だそうで、そのせいでお昼休憩はなし。
お昼休憩を取ると殆ど何も仕事できないくらいなんです。
のちに、この子は色々事件を起こしていくことになりまつ。

ぱんちゃんの病棟の隣は地域包括ケア病棟で、
ここもクラークが退職したため募集し、8月にクラークが
決まっていますた。
前職の都合で9月2週目からのスタートとなり、クラーク業務は
初めてだそうですが、医療・介護業界は経験者でしたので
地域包括ケア配属はもう決まったも同然でした。
緩和ケア病棟だけは10年以上働いているベテランの
クラークさんで、彼女からたった1日だけのOJTがありますた。
が、たんに一通り仕事を見せてもらったというだけの形ばかりの
OJTで、マニュアルもなければ何もなくて、翌日から病棟に
放牧されっぱなし。
辞めた隣の地域包括ケア病棟のクラークさんが仕事が出来る
クラークさんだったこともあり、仕事の簡単なマニュアルを
作っておいてくれたので助かりましたが。
後はぱんちゃんの病棟の師長さんが仕事を知っていた事もあり
師長から教えて貰えたのがラッキーでした。
ところがこれがまた色々な事件へと発展してく事になりまつ。
それでは、この次から「病院なんだかな事件簿物語」を
書いて行こうと思いまつ。


 < 過去  INDEX  未来 >


ぱんな(Panna) [MAIL] [BBS]