2007年4月24日(火) タイで散々な目に遭ってきました・第二夜。
到着早々にサイフを落とし、一気にブルーになったものの、
持ち前のポジティブさで次の日からはバンコクを満喫。
ウィークエンドマーケットに行ったり、地元の市場で買い食いしたり、
昼間っからビールを飲んでマーブンクロン(巨大デパート)をブラついたり、
中華街で美味い中華料理に舌鼓みを打ったり、ナイトバザールに行ったり、
ベタに寺院を回ったり、トゥクトゥクに乗ったり、タイ・アーティストのCDを買ったり、
そんな楽しい日々を過ごすこと四日。五日目にまたもや事件勃発。

これは前から言ってることなんだけど、オレは本当に品行方正で、
過剰なまでに敬語も使うし、マナーもモラルも人一倍ある人間なのね(自分で断言)。
他人に迷惑をかけること、他人を不快に感じさせることが何より嫌いで。
そんなオレだけど、いや、そんなオレだからこそ、
ただ一点、タバコのポイ捨てだけは見逃してくれないか?と世間に問いたい。
ダメなんだな、灰皿がないからタバコを我慢するということが出来ない。
もちろん禁煙の場所や子供のいる家では吸わないけど、
青空の下でならいくら吸ったっていいじゃん?と。
吸い殻ぐらい許してくれてもいいじゃん?と。
そんな甘えがタイにて裁かれようとは知る由もないオレであった・・・。

それはチットロム周辺を歩いてたときのこと。
いつもの癖でいつものようにタバコに火を付けて、
いつものように水たまりにポイ捨てしちゃったわけよ。
すると、近寄ってくる警官。こ、これは !?
そうなのよ、昨日書いたようにタイではポイ捨ては罰金なのよな。
しまった!と思うも時すでに遅し。
「君タチハドコカラ来タンダイ?」
「フロム・ジャパン」
「オー、ジャパン。今カラドコニ行クンダイ?」
そんな他愛もない和やかな会話が始まり、
これは単に職務質問か?と安堵の息を漏らすと、
警官はオレの方を向き、一言。
「・・・トコロデ君ハ今タバコヲ捨テタネ?」
南無三。2000バーツは痛すぎる・・・。
あきらめて頭を垂れると警官はおもむろに歩き出し、着いてこいとのジェスチャー。
捨てたタバコを確認するのかと思いきや、ポイ捨てした場所を越えて、警官はどんどん先に歩いていく。
これはもしや・・・?

出発前に読んだコラムに書いてあったんだけど、
日本と違って、タイはまだまだ賄賂がまかり通ってる国なのね。
そりゃ殺人とか窃盗とかそういった対人的な犯罪は別だけど、
飲酒運転やスピード違反なんかは数百バーツで見逃してくれるとか。
しかもそれは相場を知らない(と思われている)外人に対しての話。
タイ人だと数十バーツ(100円程度)で見逃してくれるんだとか。安すぎ(笑)。

警官はどんどん先に歩き、人のいない車道の端を歩き出す。
いくらタイの警官がユルく、賄賂が通用するとはいえど、
建前上、さすがに公衆の面前では受け取らない、ともコラムに書いてあった。
ということは、ここがチャンスということか !? それをオレに暗に伝えてるのか !?
「プ、プリーズ・ウェイト!」
立ち止まってもらい、サイフから100バーツ札を抜き出し、渡す。
「100バーツで許してはもらえ・・・ません?」
「ノー! 2000バーツダヨ!」
「それじゃ200バーツでは・・・?」
「ノーノー! 2000バーツダト言ッテルダロ!」
・・・もしやこの人は賄賂が通用しない人なんじゃなかろうか?
タイにだって、そんなお堅い真面目な警官がいてもおかしくはないわけで。
「さ、300バーツでどうでしょう?」
「・・・ノー! 1000バーツダヨ!」
ん?1000バーツ? 一気に半額になった! やっぱ賄賂はイケる!
「300バーツで許してはもらえませんかね・・・?」
すると、いきなりサイフを見せろと警官。
このサイフ、到着直後にサイフを落として、やむを得ず100円ほどで買ったサイフなんだけど、
札入れがふたつあってさ、オレは1000バーツ札を奥に、それ以下の紙幣は手前に入れてたのね。
オレはこのとき、7800バーツほど持ってたんだけど、
機転を利かせて、奥の札入れを隠し、手前の札入れだけ見せたのな。
要は800バーツしか持ってない貧乏旅行者に見せかけたわけで。
「オー(落胆)。・・・オッケー、300バーツデイイヨ」
賄賂成功! 300バーツ(約1000円)で免れた! 賄賂バンザイ!
「バイバーイ」と微笑みながら去っていく警官に手を振って見送る。どうにか助かった・・・。

しかし、いきなり警官に連れていかれちゃって、
さぞかし友達は心配してるだろうなと振り返ると、
・・・・・あいつら、オレが賄賂を渡す瞬間を笑いながらムービーに収めてやがる!
友情の薄っぺらさを感じつつ、こいつらとタイに来て間違いはなかったと確信したオレでした。
こんなオモロい場面、そうそう出くわさないもんなあ。
しかし今回の旅は本当についてない。

まだつづく。


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written by オレ 

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