あきれるほど遠くに
心なんか言葉にならなくていい。

2019年04月29日(月) 藪の中



執着、という言葉を生々しく思うようになったのは
あの人に会ってからなのかもしれない。

言葉あそびの好きな人。


どこにでも行ける、と言ったくせに僕はいつまでも縛られていて
とりあえずそれを現実だとなんとか納得しようとしていて
それでもなんだか夢見がちなことを考えていたかった
あのころの僕がたぶん自分史上一番、浅はかで残酷だったとき


わらうしかない

僕はただ
ひとに愛されない自分が哀れで仕方なくて
他の人の想いなんかくしゃくしゃに丸めて捨ててしまいたかった
特に自分に向けられるものなんかすべて
すべて

なんて無駄なものなんだろうと思った


今ならまだ
ニセモノをニセモノとして柔らかく弾くこともできるだろうに

毒にも薬にもならない
まるで聖母のような笑みをして
頑ななことばを露わさないように
目を伏せて

その方が遠くへ行けるって思っている


もう
会うこともない人



幸せを望むでも祈るでもなく
ただ目を逸らす

あなたの朝がせめて明るければいいと思う





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周防 真 [MAIL] [HOMEPAGE]

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