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2002年05月23日(木) 初めてのグループレッスン

土曜日に、新しいグループでのグループレッスンを行ないました。
このグループレッスンは、私にとっても、行なってみるまで、とても心配で、緊張するものでした。
…というのも、このグループの全ての生徒がグループレッスンは初めて。
しかも、全員、違う小学校に通っていて面識はなく、小学1年生の男の子、小学3年生、4年生、5年生の女の子…というメンバーで、そのうち2人が姉妹…というものだったからです。

あれこれ考えているうちに、グループレッスン当日がやってきました。
最初は、来た順に、ハノンやゆびのたいそうなどのメカニックな課題をやり、待っている生徒には、ドリルをやっていてもらいます。
姉妹の二人を除いては、全員が初対面…という状況なので、全員が緊張しています。
1年生のSくんは、最初、お母さんの横でドリルをやる…なんて言い出すし、いつもは疑問に思ったことをどんどん質問するMちゃんも、ドリルが進んでいるのに、私に知らせてくれません。
私が話しかけると、どの生徒も何となくホッとしたような気配もあります。
でも、ドリルをやっているのが自分だけではない…というのが分かって、ドリルに対する意識は変わり、ドリルをやるのは当然…という認識ができたようでした。

30分ほど、ドリルとメカニックの練習をして、初めてのミニコンサートで弾く曲を用紙に書いてもらった後、次の課題に移ります。

通常のグループレッスンでは、ここでミニコンサート…となる訳ですが、緊張した雰囲気で、お互いを良く知らないままミニコンサートに入っても、いい結果は生まれません。
…という訳で、初めてのレッスンで、仲良しになるための、簡単なゲームをすることにしました。
こんなゲームです。
 輪になって全員で4拍子を叩きながら、私が生徒の名前を呼びます。
 それに続いて、呼ばれた本人以外の全員が、同じ名前を呼びます。
 全員に呼ばれたら、呼ばれた生徒は「ハーイ」と返事をします。
 返事をするタイミングを間違ったり、全員で呼ばなくてはならない時に、ハッキリ呼ばなかったり…という場合は、持っているおはじきを返さなくてはいけません。
 誰かの持っているおはじきがなくなったら、ゲームはおしまいです。
 一番沢山、おはじきを持っている人が勝ち。全員で、勝った人に拍手します。
たったこれだけのゲームですが、お互いの名前を繰り返し呼んでいるうちに、どんどん打ち解けた表情になってくるのが分かります。
始めはゆっくり、2回目ははやく、2回ほどやっただけで、ドリルをやっていた時にあった固い雰囲気がなくなってきました。
これなら、ミニコンサートをはじめても大丈夫そうです。

「ミニコンサートの順番を決めるから、じゃんけんをしてね〜」
と言って、順番を決め、プログラムを作ります。
PCをプリンタにつなぎ、打ち込んでレイアウトを決めている間、全員が後ろに貼りついて、興味津々…という感じで見ています。
私にとっては慣れた時間ですが、子供たちにとっては、とても珍しかったようです。
5分ほどでプリントアウトすると、カーテンを閉め、電気をスポットライトに変えて、ミニコンサートの始まりです。
はじめてにも関わらず、皆、自己紹介も演奏もよくできています。
最後に、私が、平均律から簡単なプレリュードを1曲弾くと、それも、とても興味を持って聴いている様子が伝わってきました。

さて、カーテンを開け、部屋の空気をチョット入れ替えて、次は、歌です。
歌の前に、簡単な脱力の為の体操と、ロングトーンなどによる発声練習をするのですが、これは、全員全く初めてだし、「ピアノを習っているのに歌??」と思っているようでした。
でも、かまわず指示を出して、続けます。
ロングトーン(別名:誰が一番声が長く続くかコンテスト)では、息の使い方が全くできていないし、立ち方、口の開け方(共鳴のさせ方)もまだまだなので、声がすぐに終ってしまいます。
1年くらい続けると、だんだん、できるようになってくるのですが。
発声練習の準備を終えて、グループレッスンが初めての生徒がいる時には必ず歌う、トラヤ帽子店の『パレード』を歌います。
ポピュラー調のこの曲は、子供が声が出やすい音域で、途中、特にテンポを落として美しく歌わなくてはならない所があり、最後はリフレインをテンポを速めながら繰り返して終る…と、1曲のなかに、音楽の様々な要素が、ごく自然に織り込まれている名曲だと、私は思っています。
又、歌に慣れたら、打楽器を持って、リズムを裏打ちしながら歌う…など、楽しみつつ、クラシックでは学びにくい要素を学ぶこともできます。
何よりも、数回繰り返して歌うと、子供たちは、この曲がとても好きになっているのです。
…という訳で、私が先ず、弾き語りで聴かせて、次に一緒に歌い、最後に打楽器を合わせます。
この打楽器を、私は、まとめて籠に入れてあり、生徒に、好きなものを選ばせます。
カスタネットやトライアングル、鈴にタンバリンなどの定番のものもありますが、ウッドブロック、クラベス、マラカス、ギロ、カバサなどもあり、子供たちは思い思いにイロイロな楽器の音を試して、好きな楽器を選んでいます。
この時の顔が輝いていて、その様子を見ているのも、私は、結構好きなのです。
それぞれが選んだ楽器に応じて、その場で、アンサンブルの方法を示して、チョット練習し、すぐに合わせます。
音楽に最初からしっかり合わせられる子もそうでない子もいますが、そういう様子を観察して、今後の指導の方針に活かすのも、グループレッスンの効用…という気がしています。

残った時間で、ゲームをやります。
普段は、譜読みを強化するゲームや、楽典的な理解を補助するゲームを行なうのですが、まだ、そういった個々の能力を私が十分に理解していないので、言葉リレーや鍵盤上を指で歩くゲームなどを行ないました。
この頃には、最初の頃の固い雰囲気は、すっかりなくなって、もう随分前から同じメンバーでグループレッスンをやってきたかのような雰囲気になりました。
最後に、
「これから、行事がない時には、毎月1回グループレッスンをやるのよ」
と言うと、一番小さいSくんが、教室の壁に貼ってあるレッスンの予定表を見に行って、
「この次は、6月15日だよ!!」
と、楽しみにしている様子で、皆に次の予定を知らせてくれました。

こうして初めてのグループレッスンを終えて、私も、個人レッスンだけでは分からない、一人一人の性格を把握することもでき、ホッとひと安心できました。
これから、このグループでの時間を有意義に過ごしつつ、いろいろなことを指導できたらいいな…と、私も、グループレッスンを楽しみにしています。


2002年05月03日(金) 指導方針…

導入の時期を過ぎると、生徒さんによって、得意なものと苦手なもの、興味があることと興味がないもの…などが、ハッキリしてきます。
でも、ピアノの演奏に必要なことは、ある程度決まってきます。
それらを、それぞれの生徒さんが受け入れられるやり方を考え、相談しながら、指導方針を決めていくのが、最近の私のやり方です。

指導方針を決めていく時には、現実を受け入れてもらう必要があります。
「Aちゃんは、曲をステキに弾くのは得意だけど、16分音符が沢山出てくると苦手じゃない?」
とか、
「Bちゃんが弾きたい、この曲を弾くには、こういうテクニックを勉強する必要があるわね」
とか、
「Cちゃんが、来年もコンクールに挑戦したいと思っているなら、こういう曲集を勉強しておきたいのだけれど…」
…なんていう感じです。

苦手なことを言われたり、自分の希望を叶えるために向かい合わなくてはならない困難とも思われる課題に取り組むのは、子どもにとっては、決して楽なことではありません。
でも、大抵の子どもは、それらの課題に取り組み、自分の演奏を高める事を選択します。
子どもの力って凄いな…と思う一時でもあります。

この春も、そうして、何人かの生徒が、今までのテキストを終え、新しい指導方針でのレッスンを選択しました。
ちょっとした起動修正が殆どですが、中には、殆どのテキストを変更する、大きな方針転換をした生徒もいて、こういう場合は、起動にのるまで、ちょっと時間がかかるかも知れません。
でも、そういう生徒ほど、新鮮な表情をしているのもまた事実…。
そして、指導するこちらも、新鮮な気持ちでのレッスンになります。
学校の新学期のように、教室が変わったり、先生が変わったり…という事がないピアノのレッスンですから、新鮮な気持ちになれる瞬間は貴重です。


2002年04月13日(土) 複雑な気持ち…

このページを作るようになってから、ピアノ指導者ばかりでなく、お子さんにピアノを習わせていらっしゃる親御さんからもメールをいただくようになりました。
そうしたメールを拝見すると、ピアノ指導者ばかりでなく、保護者の方々も、ピアノレッスンについて、いろいろと考えていらっしゃるのがわかり、心強く思うことも度々です。

でも、ピアノをお弾きにならない親御さんが、このページをご覧くださって、このページに書かれた事を参考に、お子さんにピアノをさせている…などと伺うと、本当に大丈夫なのかしら…と、心配になってしまいます。

このページは、ピアノを教える人=ピアノを弾くとはどういうことなのか、最低限のことは経験されていらっしゃる方…を対象に、それを、知らない人にどうやって伝えるか、どうやって、より良い演奏をするか…というのを考えて行きたい…というのが目的です。
前提条件である、ピアノをある程度以上弾ける…というのがない場合、このページに書いてあることを適切に理解できる…とは思えないのです。

ピアノ指導者と違って、保護者の方は、ピアノをお弾きになる方ばかりとは限りません。
それ自体は、必ずしも問題なわけではないのですが、そのような理解の元に、練習をさせられているお子さんがいらっしゃるとしたら、ピアノが嫌いになるか、ピアノを弾く事でどこかを痛めるか、幸運にしてどちらにもならなくて、ピアノの本当の楽しみを味わうのは、難しいのではないか…という気がします。

そんな可能性を考えると、ピアノを習う方が、ピアノを通じて少しでも幸せになれるように…という気持ちで始めたこのページが、逆の役割を果してしまいそうで、複雑な気持ちになります。


2002年04月11日(木) 春の勉強会こぼれ話(2)

今回の勉強会で『想い出のサンフランシスコ』を演奏してくださったMさんは、60代後半の女性です。(控えめな方なので70才と書かれていますが…)
お若い頃から音楽がお好きで、ピアノを習われたこともあるそうなのですが、その後何10年も離れていらして、昨年から、再びピアノに向かわれたい…と入門されました。
そして1年間、初心者向けによく知られた曲をアレンジされた曲集を使って、沢山のレパートリーを増やして来ました。
Mさんは楽しんでピアノに取り組まれ、その演奏もとても若々しいものでしたので、是非とも大勢の方にこの演奏を聴いていただきたいなぁ…と思い、春の勉強会での演奏をお願いしてみました。
最初は、
「私なんかが演奏したら、先生に恥をかかせてしまいます。」
と、辞退されていたMさんですが、Mさんご自身にとっても、演奏を聴く方たちにとっても、有意義な機会になる…という事を繰り返しお話ししていくうちに、今一番気に入っていらっしゃる『想い出のサンフランシスコ』での参加を決めてくださいました。

演奏の際には、非常に緊張されていらしたMさんですが、演奏を聴くことを非常に楽しんでくださって、子どもたちへのメッセージカードも、沢山書いてくださいました。
連弾に感激されていたようなので、来年は、ソロのほかに、連弾もしていただこうかしら…と考えています。

帰りに、荷物を運んで送ってくださった、高校生のMちゃんのお母様も、Mさんの演奏には特別なものを感じられたようで、
「自分が70才になった頃に、改めてピアノに向かう気力があるかしら…と思ってしまいました」
とおっしゃっていました。
確かにそうです。
ピアノは弾き続けていたい…と思いますが、しかし、それ以外のことを改めて…となると、私もどうかわかりません。
でも、何才になっても、新しいことに取り組まれる方…というのは、輝いていらっしゃいますね。
ピアノをお教えしている訳ですが、もっと大きな事を、人生の先輩から教えていただいている気がします。


2002年04月10日(水) 春の勉強会こぼれ話(1)

(2)…と続くかどうかは分かりませんが…。 (;^_^A

春の勉強会で私と一緒に連弾で『君をのせて』を弾いたR.K.ちゃんは、練習の習慣がなかなか身につかないお子さんです。
(レッスンノートの使用例の、あのR.K.ちゃんです)

今回の勉強会でも、なかなか練習してこなくて、連弾を合わせて弾けるようになりませんでした。
彼女は、今度4年生になるのですが、『努力』という言葉もその意味も知らなかったのです。
努力するってどういうことか…などという話をしながら、キッチンタイマーを使って、一人で練習する練習をさせたり…と、あの手この手でレッスンした2ヶ月でした。

そして、本番までの最後の1週間、Rちゃんは、毎日練習をしてきました。
後でお母様に伺った所によると、お母様が何も言わないのに、一人でピアノの前に座り、ああでもないこうでもない…と練習していたそうです。

本番での演奏は、そんな経緯があるとは思えないほどよく弾けていました。
そして、聴きに来てくださったこの春入門した生徒さんの保護者から、
「涙がでそうになりました。連弾で味わう美しいメロディに感激しました。」
というメッセージをいただきました。
このメッセージは、まだRちゃんには見せていませんが、きっと、大きな励みになると思います。



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