池ポエム
ハンス



 何かの終わり

今日は今年最大の目標が叶った日です。

生きてることをうれしいと思ったのは、死ぬことを知ったからなのでした。それまでは死ぬことを知らなかったから、生きてることも知らなかったのでした。
生と死のことをいつも歌っていると思うのです。
違うんかも知れませんけど、私はそういう内容だと思って聴いてます。

2009年10月18日(日)



 今、そのへんにある危機

へ〜……これって3カ月以上書かないと削除されるのか。
かれこれ5、6年使ってるけど、今気づいた。そうだったのか……あー、よかった。偶然生き延びれて。



猫でもわかる祈り方




郵便物を腕にいっぱい抱えたあの人が、いつものように廊下の奥に見えた。
「ごくろうさまです」
ろくに前は見えていないから、奥に向かって少し声を張った。あの人はうなづくこともできないから、特に返事はない。おーとか、少し何か声が聞こえた気がするけど、基本的に小さすぎて聞こえない。
お祈り課独特の白のローブのポケットから、ねこじゃらしが覗く。
「はい、これ今日の分」
「ありがとうございます」
祈祷省に配属されてから2カ月。
毎日昼過ぎに郵便物を運んでくるこの人。会わない日は、どちらかが欠勤している時ぐらいだ。いつの間にか、新しい職場に馴染むようにこの人に馴染んできた。
お祈り課の人はみんなそんな感じなんですか、とある日先輩に聞いてみたけど、返答はなかった。ここでは、誰もあの課のことを語らない。語るべき事もないと思っているらしい。
それでも。
「あの」
「ん?」
「今日は、あいつ元気ですか?」
「あー……」
祈祷省の第三駐車場の柵の向こうにいるあの猫。この話をすると、いつも多くは語らないこの人は、少しだけしゃべった。ほんのわずかな、表情の変化と共に。
仕事よりは、随分好きだよ。
そんな、聞かれたらクビになりそうなことも平気で言った。でもそれは本当のことなんだろう。嘘ではなくて、本当を平気で言うような、エリート揃いの祈祷省の中では格別不真面目な、一職員。
この人の名は……。

「課長!」

猫といると微笑むこの人といて、微笑んでいる自分に気づく。腕を引かれて、来た方向に強制送還されていくあの人は、超閑職と名高い窓際族のたまり場――祈祷省お祈り課課長その人だった。









祈祷省……祈ることがすべての原動力である、宗教=政治な世界。そのトップである権力の中枢。職員たちは聖職者であり官僚のような存在。
お祈り課……エリート揃いの祈祷省の中で、役に立たない連中が集められた超閑職。主な業務は、世界中から届く「祈りの声」の整頓と管理。折角管理しても利用されることはめったにないから、あってもなくてもい仕事と見なされている。世間的な知名度は低い。
周波数……特殊な耳を持つ者だけが聞き分けることのできる「祈りの声」の正体。祈祷省の入省試験で最初に問われる資質。

2009年10月04日(日)
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