夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2006年03月24日(金) 「ローリング・ストーンズin東京ドーム」

 遠くで電話が鳴ってる
 誰からだろう
 時計は11時を指している
 眠たい
 目をこすりながら電話に出る

 「もしもし、夏撃波さん。あたし、沙羅です」
 「あ、ああ」
 「今ね、東京ドームからかけてるの。
  ストーンズのライブ、終わったばかりで」
 「あ、そう言えば、今日だったっけ」
 「ライブの途中でね、ミックが私の席の近くまで来たの」
 「へえ」
 「一瞬目が合ったみたい」
 「ふん」
 「アンコールの最後で、『サティスファクション』やったよ」
 「はあ」
 「なんか元気ないみたいね」
 「今、俺、寝てたんだ」
 「あ、ごめんね」
 「いや、いいけど」
 「夏撃波さんにもおみやげ買ってくからね」
 「ああ、ありがとう」
 「ねえ、何かあったの」
 「ああ、今日はさんざんだったよ。
  寝坊して、駅まで行くと、いつも乗る電車が来てて、
  駆け込み乗車したらドアに頭はさまれて、痛いやら恥
  ずかしいやら。職場について、『さあ、仕事するぞ』
  とパソコンあけたら、調子悪くて。俺、パソコンのこ
  と、よくわからないのに、何とか直そうとして逆にド
  ツボにはまっちゃうし。そのために仕事が大幅に遅れ
  て、上司からは大目玉食らうし。仕事が終わってから
  も、夕食摂ろうとして入った店で料理が出てくるまで
  30分も待たされるし。帰りの電車には乗り遅れるし、
  家の近くの駅に着くと雨が降り出していて、本当につ
  いてなかったよ。今、ふて寝しているところへ、あな
  たから電話がかかってきたってわけなんだ」
 「そうだったんだ」
 「ごめんね、ついつい暗い話になっちゃって。
  ストーンズ、よかったんだよね」
 「う〜ん・・・、まあまあ、かな」
 「でも、ミックと目が合ったんでしょ」
 「あ、それ、私の錯覚だと思う」
 「でも、楽しかったでしょ」
 「それほどでもないかな」
 「あ、沙羅さん、こんど、また、ストーンズ・ナンバー、
  一諸にやろうよ」
 「でも、また、演奏、うまくいかないかもしれないよ」
 「ああ、この前のことは気にしなくていいよ。俺も全然
  気にしてないし。きっとうまくいくよ」
 「大丈夫かな」
 「大丈夫だよ。たぶん。もし、うまくいかなくても、俺
  は全然気にしないから。楽しく演奏できれば、それで
  いいんだよ。ひたむきに演奏しているあなたの姿、そ
  んなあなたこそがイナバウアのように美しいのだと、
  俺は思ってる」

*デュオ・パートナーの沙羅さんから電話があった。ストーンズのライブ会場・東京ドームからだ。事実は上記の詩とは異なるが、その日の仕事が大変だったことは間違いない。ところで、俺は、4月5日に名古屋ドームでのストーンズ・ライブを観に行く予定。その時は、沙羅さんも一緒だ。



2006年03月22日(水) ジュリー・メドレー他

 今日も、星ヶ丘「スロー・ブルース」の「生音くらぶ」に参加。
 私のオリジナル曲「星ヶ丘ロケンロール」に「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」(いずれも、沢田研二)を挿入したバージョン、「さよならをするために」「白いブランコ」(いずれも、ビリー・バンバン)のメドレー、「満月の夕」(ヒートウェーブ)の3曲を演奏。
 後ほどお客さんから「『満月の夕』、いい曲ですね」と声をかけられる。オリジナルではないが、「私の選曲のセンス、私の歌唱力を褒め称えてくれたのだろう」と勝手に解釈していい気になっている私である。



2006年03月19日(日) 「イナバウアのように」

 沙羅さん、
 今日も演奏、うまくいかなかったね

 でも、気にすることないよ
 俺も別に気にしてないし、
 どれだけ練習していたって
 うまくいかないことはいくらでもある

 安藤美姫ちゃんだって
 オリンピックの本番で
 4回転ジャンプをとべなかったんだから

 俺、別に金メダルとか要らないし、
 だから、気にしなくていいよ

 本当に何度も言うようだけど、
 気にしなくていいよ

 楽器は別にうまくある必要はないんだ
 誰によりかからずともいい
 自信をもって楽しく演奏できればいい

 楽器は魂で奏でるものなんだ

 ひたむきに演奏しているあなたの姿
 そんなあなたこそが
 イナバウアのように美しいのだと
 俺は思っている

*「金メダル」「よりかからず」の2つのキーワードを用いた即興詩。3月19日の「続・ぽえ茶」の席上、「沙羅双樹ふたたび」として演奏する機会があったが、沙羅は緊張のあまり、練習の成果を発揮できず、ティン・ホイッスルの演奏を失敗。「気にすることないよ」との意を込めてパートナーに送った詩は、ビートルズの「ヘイ・ジュード」(ポール・マッカートニーがジョン・レノンの息子・ジュリアンに送った曲に匹敵する、と自信(過信)を深める私なのだが・・・。



2006年03月16日(木) 「満月の夕(ふたたび沙羅バージョン)」

 うたに力はあるのだろうか
 絶望の闇にまで聞こえてくるような歌を
 うたうことが 人にできるのだろうか

 誰も悪くはなくたって
 哀しいことはいつもそこにある

 うたの力はどこにあるのだろうか
 拒絶する魂に届く言葉を
 紡ぐことが 人にできるのだろうか

 闘う相手が誰なのかわからなくても
 静かに立ち上がる人たちがここにいる

*上記の詩は、「満月の夕」(ヒートウェーブ)という曲からインスピレーションを受けて、ふたたび沙羅が作ったものである。



2006年03月15日(水) 「満月の夕(ふたたび双樹バージョン)」

 私は なぜ生まれてきたの
 私だけ なぜ生き残ったの
 遠い空に嘆いてみても
 答えは何も返ってこない

 誰よりも私のことを理解してくれた人を失い
 愛する人に先立たれ
 大切にしていたものも
 心の支えもすべてなくしてしまった

 私がこれまで生きてきた場所も
 瓦礫の下に埋もれてしまった

 激しく降りそそぐ雨よ
 悲しみをすべて洗い流してくれないか
 疲れ果てた身体も 傷ついた魂も
 いつか必ず歩き出せるように

*上記の詩は、「満月の夕」(ヒートウェーブ)という曲からインスピレーションを受けて、ふたたび双樹=夏撃波が作ったものである。



2006年03月14日(火) タルバガン

 ホーメイ(喉歌)の等々力政彦と嵯峨治彦がトゥバやモンゴルの民謡を中心に演奏するユニット=タルバガン。彼らのライブ「喉歌と馬頭琴の響き」が今池「TOKUZO」で行われた。名古屋在住のモンゴル音楽演奏家・岡林立哉もゲストとして参加し、三者三様の喉歌を披露してくれた。中央アジアの草原を思い起こさせる彼らの演奏に酔いしれた夜だった。



2006年03月13日(月) 連詩「黒くぬれ」(沙羅双樹ふたたび)

(双樹)
 飢えたハートは彷徨い続ける
 乾いた石は転がり続ける

(沙羅)
 どうしてか
 ストーンズがこの街にやってくる
 大人に隠れて手に入れた30年前のチケットは
 紙くずになってしまったのに

(双樹)
 君は見たか
 真昼の空に底なしの闇を
 君は聞いたか
 虚空に響くムンクの叫びを

(沙羅)
 いつだって
 大人は自分の都合でルールを変える
 かさぶたをはがすようなうずきが
 目の前を黒く塗りつぶす

(双樹)
 明日なき我らの孤独と反抗の季節
 太陽は輝かない
 荒野のはぐれ狼と 果てしなき暗黒のメルヘン

(沙羅)
 玉ねぎの色とか
 ハーゲンダッツの抹茶アイスクリームの色
 君の耳にあいたピアスの穴のあとの皮膚の色とか
 雪に埋もれて眺める北アルプスの朝焼けの色

 あの人が時間をかけて作る
 頑固さと拒絶と淋しさを混ぜ合わせたかカレーの色

 ゴッホの奏でるオレンジと青は夢の現実
 あなたがくれたハンカチは黄色じゃなかったけれど
 その時体にあふれていたメロディの温度

 激しさが音になり
 希望のリズムが共鳴を生み出し
 そして あふれ出す
 おだやかな景色

 私のなかにあるものを全部混ぜ合わせたら
 黒くなってしまうのだろうか
 
 



2006年03月12日(日) シムソンズ

 トリノ・オリンピックでカーリング日本女子チームの活躍が注目されたばかりだが、実話を基に制作された映画『シムソンズ』が公開中だ。というわけで、名駅南の某シネコンまで出かけていった。
 スポーツを題材とした典型的ともいうべき青春ドラマが展開するが、さわやかな感動に包まれ、映画館を後にした。
 あと一言いうなら、マイナー・スポーツにはメジャー・スポーツに見られない地味な楽しみがあるってこと。そんな地味な楽しみを見つけて楽しんでいる私自身も地味なのかもしれないけど・・・。



2006年03月11日(土) 『言葉ズーカ』Vol.その4〜素敵(詩的)な二人旅〜

 前にも予告したとおり、今池「涅槃」で開催された「『言葉ズーカ』Vol.その4〜素敵(詩的)な二人旅〜」に、「沙羅双樹ふたたび」として出演した。
 今回はサブタイトルが「〜素敵(詩的)な二人旅〜」となっており、二人組による詩的表現(詩のみならず、音楽や舞踏などともクロスオーバーしながら)というコンセプトがあった。いずれも趣向を凝らしたパフォーマンスを展開しており、それぞれに楽しめた。
 我々「沙羅双樹ふたたび」は、「Paint It Black」(ローリング・ストーンズ)、「満月の夕」(ヒートウェーブ)の2曲を演奏。「Paint It Black」、「満月の夕」のそれぞれからインスピレーションを受けながら沙羅と私とで共作した詩を2篇「朗読」もした。沙羅が極度の緊張からミンミンを弾きそこねるアクシデントもあり、他にも反省点はあるが、ある程度練習の成果は出せたと思った。「ふたりのハーモニーがよかった」との感想も聞かれたことだし。
 ソロもデュオも私には同じくらい大切なもの。もっともっと力をつけて、さらに幅広く奥行きのある表現をしていきたいと思う。



2006年03月08日(水) ヒートウェーブ・バージョン?

 今日も星ヶ丘「スローブルース」の「生音くらぶ」に参加。
 オリジナル曲(というかシブがき隊のパロディー)「−10℃の恋だから」の他、「Time Of The Season」(ゾンビーズ)、「Paint It Black」(ローリング・ストーンズ)といった60年代ロックの名曲のカバー、それと「満月の夕」(ヒートウェーブ)を演奏した。
 演奏後、お客さんのひとりから「満月の夕、ヒートウェーブ・バージョンでしたね」などと声をかけられた。ちょっとマニアックな話になるが、「満月の夕」は、阪神淡路大震災をモチーフに、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)と山口洋(ヒートウェーブ)によって作られた曲である。ソウル・フラワー・バージョンとヒートウェーブ・バージョンは歌詞が若干違うが、どちらも優れた作品であることに変わりはない(他にもこの曲をカバーしているバンドはあるが、ソウル・フラワー・バージョンとヒートウェーブ・バージョンが飛び抜けて素晴らしい)。ただ、個人的にはヒートウェーブ・バージョンのほうが好きだね。折角なので、ヒートウェーブ・バージョンの詞の一部を紹介しようと思う。

  絶え間なく突き動かされて
  誰もが時代に走らされた
  全てをなくした人はどこへ
  行けばいいのだろう

  それでも人はまた汗を流し
  何度でも出会いと別れを繰り返し
  過ぎた日々の痛みを胸に
  いつか見た夢をめざすだろう

  ヤッサ、ホーヤ 歌が聞こえる
  眠らずに朝まで踊る 
  ヤッサ、ホーヤ 焚き火を囲む
  吐く息の白さが踊る

  ときはなて 命で笑え
  満月の夕


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