カタルシス
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洋物玩具の営業をしている妹が、営業先にあたる可愛い店雑貨屋の福袋が買いたいと行って 恵比寿へのお出掛けを誘ってきた。 夜まで特に用事もなかったし、年が明けてから食べてばかりだったので少しは動くか、と その誘いに乗ることにした。
恵比寿に着いたらなんと雪。おいおい、今夜アタクシ新年会なんですけど(汗) 寒いのを堪えて妹が案内する商店街を進むと 正月三日な所為か多くの店はまだ営業を始めておらず、駅前の大通りは閑散とした佇まいを見せている。おまけに調子こいて降りしきってる雪が元から少ない車の騒音を更に遮り 街は静かだ。
雑貨屋の入口は建物の2階にあり、知らずにいたら通り過ぎてしまうような目立たなさだった。 階段かエレベーターを使って入口までいけば、いかにも女の子の好きそうなファンシーショップが来店客を明るく出迎える。 ここだけ春みたい。
店員に新年の挨拶をしている妹を横目に品物を眺めて歩く。確かに可愛いとは思うけど、この値段じゃ買わねーなー… というのが密かな感想だったが、妹はこの店を気に入っているようだったので口をつぐむことにした。
福袋は 大3000円、中2000円、小1000円の3種類があり、妹は「大」を、私も気まぐれに「小」を買ってその店を後にする。いったん駅まで戻り駅ビルATLEにあった休憩所で一休み。早速福袋の解体を始める。そのまま持ち歩くにはちょいとお邪魔だったんでね(苦笑)
空けてみればいらない物もチョロチョロ混じっている訳で、不要なものはその辺のゴミ箱に捨ててしまおうって腹づもり。箱ものはパッケージを崩してポイ、かさばる包装も不必要だ。サイズや形を揃えてみれば、そう大した量じゃなくなるもので 妹はちょっと中身に不満が残ったらしく早くも後悔し始めているようだ。 バカだなぁ、福袋なんてそんなモンじゃんか(苦笑)
荷物を自分のカバンに入れ替えて、手荷物だった紙袋は丸めて捨てた。昼にはまだちょっと早い時間だったから、ATLEの各階を回ってウィンドウショッピングで気を紛らすことにする。
雑貨屋で福袋を見かける度に にらめっこを始める妹は、どうにも懲りない性分のようだ。確かに価格的にはお得なんだろうが、欲しくない物をもらっても嬉しくないし、そもそも自分のお金を使っている訳だから何の得にもなってないじゃないか。毎年デパートの高額福袋に長蛇の列を成すおばちゃん達の気もサッパリ解らない。 そんなことを考えながら半ば呆れ顔で様子を伺っていたら、不意にこちらを向いて「やっぱやめる!」と唐突に売場を離れる妹。
おや。
どうやら懲りているらしい。 「懲りない性分」というのは撤回しておくか(笑)
小腹が空いたのでランチを求めて移動。表に出るとさっきまで降っていた雪は雨に変わっていた。雪だとあんなに静かになるのに、雨ってうるさいもんだなぁ… 駅から少し離れたところにあった手作りパスタの店に入ってランチにした。 正月だからか 雨だからか 客は我々1組のみ。時々ある来訪者も店の身内のような雰囲気で、少しの間カウンターに座り喋っては すぐにどこかへ行ってしまう。誰かが来る度に奥にいる我々に目をくれるので、何となく落ち着かなかった。 ランチセットは美味しかったけどね(苦笑)
それからのんびり移動を始めて原宿のラフォーレを目指す。今『MOON CHILD』って映画の写真展が開催中なので、それを見に行くためだった。GacktとL'Arc〜en〜Cielのhydeの共演で巷の話題を呼んでいるSF?映画っすよ。ラルクファンとGacktファンが身近にいるので何となく気になってて、ポスターで見かけた写真が綺麗だったもんだから、急に見に行きたくなっちゃったって訳だ。妹に声をかけたらまんざらでもないらしく、すぐに同行を申し出てくれた。 そんな経緯で会場を目指すに至っている。
客層はやはりGacktかラルクのファンだろう?って若い女の子が多くて… いや、そんなのばっかりで我々ちょっと場違いな雰囲気(汗)それでも写真の他にメイキングの映像や撮影に使用された衣装の展示なんかもあったので、思っていたよりも見応えがあった。まぁ、映画の内容はちょっと何かアレな感じっぽかったけど(苦笑)hydeとGacktを見るという点では価値のあるものかも知れない、と 少〜しだけ思った。
夕方には雨も止んできて、傘なしでも大丈夫なくらいになった。原宿から渋谷までダラダラ歩いて、私はそこから京王線で新年会の待ち合わせ場所である下北沢を目指し、妹は少しブラついてから家に帰るといって別行動になった。福袋の名残のかさばり物を少し持って帰ってもらう。
下北沢にてグルタミンの新年会。 私はOさんとMさんを誘ってみた。他にRさん、Yさん、miさん、Kさんがライブ仲間かな?あとはグルタミンメンバーのお知り合いだとか、お身内だとかが加わって 最終的に結構な人数が集まっていたようだ。まとめて一ヶ所のテーブルには座れたけれど、向かい両隣2人までくらいしか声が聞こえないから、同席していたにも関わらず一言も喋っていない人とか、名前や顔が分からないままの人までいたみたい(苦笑) 大人数って賑やかで楽しい半面、そういう弊害があるから微妙っちゃ微妙だよね。 でも、こまめに席を移動して皆とコミュニケーションを図っていた豪さんや、いつにも増して友好的だったハリマオの夢立さんと楽しく話ができて、個人的には大満足の集まりだった。 ライブに通いはじめのMさんも、実はまだ彼らのライブに行ってないOさんも、ハートをつかまれてるっぽかったので、誘った甲斐はあったろうってな首尾♪
オールの面々を後目に終電で帰路についた正月三日の下北沢。
グルタミンの皆さま お誘いありがとござんした。 今年も宜しくお願い致しやす〜v
今年の正月10時間時代劇は中村吉右衛門主演の『忠臣蔵』。
去年は『壬生義士伝』で幕末・新撰組・渡辺謙と三拍子揃えられて10時間ビッタリTVに張り付いていたから、今年は気を付けなくては… と思っていたにも関わらず冒頭部分を見てしまい、結局10時間何だりかんだりで見切ってしまった(汗)
去年と同じくOさんとリアルタイムでツッコミや感想のメール応酬をして、見終わった瞬間に 「またやっちゃった〜…(苦笑)」と突っ伏した。
でもやっぱ、去年の方が断然面白かったなぁ。浅田次郎の原作はどうでも良かったけど 謙さん名演技だったし、他の面々も面白いのが揃ってたからな〜あ(思いだしニヤリ)
中井貴一は嫌いじゃないけど、映画版観る気にならんのは あの10時間見てしまった所為だろうねぃ…
明けましておめでとう。 元旦は毎年恒例の親戚宅訪問。
と言っても別に大勢が集まるって訳じゃないし、嫌いな親戚な訳でもないし、 電車を使えば駅3つ、車を使えば15〜20分という近さに住んでいる大叔母(母方の祖母の姉)の家に 一家揃って遊びに行くって感覚で。
この時ばかりは人見知りの父も、出掛けてばかりの弟も、ちゃんと都合をつけてこの家を訪れる。我が家の決まった行事のようなものだけど、強制参加じゃないから別にすっぽかしたって厳密には問題ないもの。 でも みんな律儀に集まるのは、大叔母の人柄というか母の教えの賜物というか、要するにみんなこの家が好きなんだよね。
そこの娘さん(母の従妹)… といっても、もういい年齢したオバさんなんだけど、私にとっては小さな頃によく遊んでもらい、大人になってからも気安く話のできる大好きな“お姉さん”で、その彼女がお嫁に行ってからは 毎年元旦に大叔母の家に集まるのが唯一の再会の場になっている。
彼女がお嫁に行った先というのが、地域的にはウチと大叔母の家とちょうど三角形を結ぶような位置に当たる 近しい場所なんだけれども、地元の旧家で地主さんみたいな一族なんだ。旦那さんはその家の跡取りだったから彼女は家長の嫁として常に家を守っていないといけないらしい。おまけにそのご主人は結婚してから数年後に不治の病に倒れてしまって以来ずっと寝たきり状態。 その病気というのが、名称は知らないけれど徐々に四肢の筋力が衰えて、意識はあれども自力で動けない体になっていくって難病で、言葉も段々喋れなくなり、最近ではもう ほぼ植物状態といえた。そんなご主人を付ききりで毎日看病するのも、お嫁さんとしての彼女の日課になっているのだ。
明るくて、大らかで、時には豪快で、でも面倒見の良い優しいお姉さんが、そんな苦労を背負っていたと知ったのは物心ついてからのことで、それまでも何度も顔を合わせていたのに以前と何ら変わらない人柄で 楽しく相手をしてくれた彼女の身の上について 親がこっそり話ているのを漏れ聞くまでは、全然そんな事実に気付きもしなかった私。…器の違いを痛感した瞬間だ(涙)
そんでもって、ますます彼女が好きになったのは 言うまでもないこと。
毎年元日だけは家を空けることを許されているのだそうで、何で?と訊いたら 一族の長が住まう家なので親族がそこに集まるから、必ず家人が在宅している日なんだって。それに、年末に正月の準備をしっかりしているから、お節やおもてなしの料理・お酒等が充分にある訳。家の人はそれを運んで出していれば良いので「あなた出掛けても良ろしくてよ」ってなるらしい。 もちろん年末にそれらの準備を整えるのはお姉さんの仕事。
一年中そんだけ働いてもらえる休みが元日だけって、江戸時代の奉公人にだって盆暮れ正月・親の命日くらいには休みがもらえたってのに、全く涙なくしては語れぬ有様だ。それでもお姉さんが黙って従っているのはご主人や可愛い2人の息子のためだって解るから、やたらなことは言えないし、そもそも とやこう言える立場に私はいない。 大変だねー、って労いの言葉と共に お茶お入れしましょうか? 肩お揉みしましょうか? なんて冗談ごかすのが精一杯だ。
結婚するまで美容師さんとして働いていたお姉さん、時々家で息子さんの髪の微調整などをしているらしい。その息子兄弟も、上の子はうちの弟と同年で下の子はその2つ下。小さい頃はよく遊び相手になってあげたものだったが、最近はめっきり顔を合わせなくなった。今日も上の子だけが来ていて、ぎこちなくしているな〜と思っていたら、お年玉が目的だったようで 貰う物を貰ったらさっさと帰ってしまった(苦笑)お姉さんは気に病んでいるようだったけれど、大叔母にしてみたらお年玉目的でも孫が顔を見せに来てくれるのが嬉しいことだったようで、 「いいんだ いいんだ」って笑っていた。
下の子は人一倍のシャイというか、真面目で大人しく控え目な男の子に育った様子。 と、いうのも上の子は一族の中で「跡取り」として扱われていて我が儘放題な育ち方をしていたらしい。特にお祖父様は長男次男をハッキリ区別して接しているらしく、次男である下の子は絵に描いたような無視のされ方なんだそうで、お姉さんも大叔母も そのことをとても気にしているようだった。
結果、好きなように過ごしていた上の子は 髪を金に染め、バンドを組んでみたり 無免許でバイクを乗り回したり、更には高校を中退して左官職人の元でバイトをしながら単位制の学校に通ってみたりと、まさに波瀾万丈に振る舞って今に至っており、対する下の子は指定の制服を地味に着こなし、学力ランクの高い公立の高校へ入って真面目に勉学に励んでいる最中だ。
どっちが良いとか悪いとかではなくて、こうもかけ離れた様子には いっそ感心すらできてしまう。
子育ては親だけが頑張ってもダメなんだな〜… と「一族」という集団の怖さを垣間見た気になった。
今年もまた一年頑張ってね お姉さん。 私は、いや我が家はいつでも姉さんの味方だぜ!(涙)
一応大晦日なので、家の中を心持ち整頓し始める。 だからって畳を上げたり網戸を洗ったりするような、大掃除なんかは端っからする気がなくて、散らかった物を片したり要らない物を捨てたりする普通の掃除をしただけなんだけど(苦笑) でも、電灯の傘を拭いたらスゴイ埃でビックリした。
夕方になって外出。 今夜は表参道FABでAnalog Machineのライブなのだ。
FABではオールナイトでライブイベントが催されるようだったけれどアナログさんは二部構成のイベントの第一部に出演だったから出番は早い方で、これなら終わって帰ってもゆっくり年越しができるな〜と、のんびり過ごしたい私には好都合。
今日の面子には『マイクロニクル』ってバンドもいたんだけど、ローカル局の音楽番組で見たことのある人達でちょっと興味があったから、会場に問い合わせて出順を教えてもらったら丁度アナログさんらの1つ前みたいだった。それならついでだから見てみよう、と思いアナログの出番時刻よりも若干早めに会場入りすることにする。
FABまではいつもJRの原宿駅を降りて歩いていく。 会場には地下鉄表参道駅が一番近いのだが、この駅を利用するのは家からだと不便な道順になってしまうので原宿からひと駅分歩くのが定番のコースとなっていた。 そして今日もそのコースで移動することにしたのだったが、今夜が大晦日だという認識がいまひとつ薄かったようで、駅に着いた途端に後悔する羽目になる。
原宿は、毎年この時期に日本一の混雑を見せるという“あそこ”に最も近い駅なのである。
こんな時期にわざわざこの場へ来たことがなかったので、この時期にのみ使用されるホームに降ろされ、普段はガッチリと施錠されている特別改札を抜けるよう指示された時は正直戸惑った。 それは神宮の杜に直接つながっていて 私の向かいたい表参道とは逆の方向なのだが、駅も駅周辺も既に一方通行規制がしかれ、指示通りにしか動けない状態である。 まだ夕方17時半くらいなので人通りはまばらだが、ひどく遠回りをさせられるのは避けられず、予想していなかった自分の浅はかさを ひとり呪った。
マイクロニクルを見るつもりで早めに出てきたのは正解だったかも知れないが、そのマイクロニクルを見るための時間は確実に削られてしまうじゃないか(汗)
結局、駅を半周するようなコースで表参道側に出た。すると、今度は歩道に立ち並ぶ出店の列が立ちふさがる。もう少し時間が遅くなれば車道が交通封鎖され歩行者天国になるらしく、そのことを知らせる看板が道の端に立てられていたが、まだそんな時間にはなっていないから車道には自動車が走り抜けている。 出店のお陰で道幅が半分になった歩道を進むより他 道はないという訳だ。
全くもってトホホな話である。
しかし進んでいくと、出店の列は明治通りまででプツリと途切れていて、交差点を渡れば会場までの道を邪魔するものがなくなるその様子に 信号待ちをしながらホッと息をつく。
そしてダッシュ!
FABに着いて受付の女の子に「今は誰らですか?」と尋ねたら「マイクロニクルさんですね」と言うので、慌てて中へ入った。ここはステージ位置が高いので遠くからでも演奏者の姿が見えるのだが、前の方の客が跳んだりハネたり両手を上げたりと大騒ぎなので、それがないときのように見ることはできなかった。 新・踊る系バンド! これはTVで見た以上に面白いかも!
と、期待を膨らませていたというのに、今の曲が最後の1曲だったらしく マイクロさんは賑やかしくご退場〜。
あちゃー!やっぱり着くのが遅すぎたか。無念!(><;) この後彼らは新横浜で年越しイベントに参加とのことで、ファンの人達も一斉に外へと流れ出てしまった。ちなみに会場はBELLSで、同じイベントにN.U.も出るのであーる。
場内灯が点くのを待ってアナログさんに備えて前へ行こうとしたら、すぐ近くにMさんがいるのに気が付いた。 「わあ、すごい近くにいた!今の人達も見てたの?」と声をかけたら、彼女は私がマイクロニクルに興味があると言っていたのを聞いていたらしく「確かにこれちゃん好きそうな感じだった」と笑った。
そうだったのか、1曲だけじゃどんな感じかよく解らなかったや(苦笑)
それから2人で前の方へと移動をして、後から来たOさんも手招きで呼び寄せる。 このアナログさんで、私のライブ通いは今年ファイナル。新横浜なんぞにはもちろん行きません!(笑) 今年はバタバタと好きなバンドが解散したり活動休止になったりしたから、迷いのなさそうなアナログさんで締められるのはラッキーだった♪
終わってからちょっとだけ出待ちをして、少しだけど話とかもさせてもらって、メンバーそれぞれと一緒に写真撮ってもらったりして、最後に「良いお年を〜」とメンバー・スタッフ・ファンの皆さんで一斉解散になった。 何だかこの後メンバー&スタッフでVo.哲平さんの家に集まって鍋会なんだそうだ。多分そのまま年越しするんだろう。店じゃなく誰かの家ってところが、仲良さ気でイイよねぇ(笑)
表参道ユーザーのMさんとはその場で分かれ、私とOさんの2人で原宿に戻った。この頃には車道が歩行者天国になっていたので、狭い道を無理矢理歩く必要はなかったのだが、2人して小腹が空いたということで 出店に寄って買い食いを決行。実は祭の出店系が大好きな2人なのであった☆ むふ。 (でも本家で夕飯の約束があったから串焼き1本で我慢。私は松坂牛、Oさんは名古屋コーチンを買って半分ずっこしました〜v)
帰りはいつもの改札を通れたので問題なくスムーズに移動できたのだが、例のホームと改札はすごい人だかりになっていて 着々と“日本一の混雑”に近づいている様子。一気に人が降りてすっかり空いてしまった山手線に乗り込み、年越しを自宅で迎えるべく颯爽と帰路に就くのであった。
新年まであと3時間、来年こそは良い年になりますよーに。<(_ _)> 明治神宮拝!
家から一歩も出ずに過ごす。
朝寝をして、TVを見たりラジオを聴いたり、ちょっとだけ年賀状も書いた。
なんか年末っぽいな〜ぁ(苦笑)
昼
3時間遅刻してイベント会場に到着。開場は10時だから着いたのは13時くらい… 参加許可証を私が持っていたので、先に来ていた手伝いの友人は物を売ることも出来ず 軽く買い物をする他はずっと留守番をしているしかできなかったようだ。
面目次第もございません(土下座)
大慌てで準備会デスクまで参加手続きと見本誌の提出をする。これでやっと店?が開けるようにはなったが、すっかり力を使い果たした私は、かなりのグロッキー状態のまま店番をしなければならなかった。 買い物なんてしに行く気力は残っていない(黙) 今まで待たせてしまった友人に「思う存分お出掛けして来て下さい!」と平謝りするのが精一杯だ。
何とか半日をもち堪え、次なる予定の地へと移動を始める。 何とこれから下北沢でライブだったりするのだ(苦笑) ああ、今日は何か 本気で死ねるかもアタシ…
今年最後のT29Jなので、当然のように花緯さんやTさんも愛知から遠征して来る。私はイベント会場で合流していたOさんと2人で現地を目指していた。 大荷物は駅のロッカーに預けて、待ち合わせの時間まで 一旦ひと休み… 疲れてはいたが眠いってことは全然なく、移動の電車内くらいでしか睡眠をとっていない“徹夜”状態は、かえってテンションを上げる効果を発揮していた。
下北沢251、前回来たのはSBワンマンの時。ちなみに初めて来たのは何を隠そうブルームさんだったんだよね(笑)当時進行役をしていたローカル局の番組収録なんかもあって、今となっては懐かしい思い出。確か12/27で関東では年内最後のライブだったから忘年会と銘打った打ち上げみたいな会が催されて、私もOさんもMさんもそこに同席していたんだった。 そんな251。
初っ端から勢いとばして演奏を始めたT29Jの様子に、年内最後ともなると気合いが入るのかしら〜と暢気に思って見ていたら、合間のMCでボーカル・スージーがとんでもないことを言い放った。
「僕ら次のライブは決まってない、っていうかもうないんだ。今日でお終い。…これって解散っていうの?」
…は?
スージーの上擦った声から冗談じゃないんだってことは、嫌になるくらい解った。困り笑いのモッティも、奥でいつもみたいな笑顔を見せているサンダーも、誰も「冗談だよ」と言ってくれそうにない。 周囲がザワつき出した。どうやら事態を飲み込んだようで、すすり泣きや落胆の声が聞こえてくる。 私はといえば、あまりのことに口が利けなくなっていた。
隣で花緯さんがヤダヤダ!とむずがる声も、その奥で泣き濡れた瞳をメンバーに向けているYuさんも、みんなみんな遠くにいる人みたいに見えていた。ライブハウスの喧騒も私の鼓膜を刺激しない。
なんだ これ。
寝ていない所為で頭が働かなくなったのか? 何も感じない自分に不安を感じて、隣や後ろをキョロキョロと見回してみた。 見えてるけど、聞こえてるけど、感じてるけど …やっぱり感慨は ない。
なんだよ これ。
「解散すんのに新曲、前向きだろ?」 スージーがそう言って、初めて聴く曲を演奏し始めたけれど、聞こえていたけれど、その時はただ耳をすり抜けるだけで、何も残りはしなかった。
なんなんだよ。
気付いたらライブは終わっていて、周りのみんながステージに詰め寄ってメンバーに向かい、各々の言葉をかけていた。 急に音声がONになった感じがした。
「なんで?どうして? 許さんぞぅ!」と詰め寄る人もあれば、「今までありがとう、元気でね…」と別れの挨拶をする人もあった。 そんな様子を近くで見ながら 私はハッと思い出し、奥に向かって
「サンダーさん、サンダーさーん! 折れたスティック頂戴!」と声を掛ける。
一旦その場を離れようとしていたドラムのサンダーが、足元を探って木片を拾い上げた。 演奏中スティックをカチ折っていたのを見ていたので、後で言おうと思っていたのだ。 解散宣言のショックで忘れそうになったが、ギリギリ間に合ったみたいでホッと胸をなで下ろす。
ステージを降りる際に近寄って行った私にサンダーはニコリと白い歯を見せて、半分になったスティックを手渡してくれた。 「はい。でも、よく見てたね。」 「当然!いつも見てたんだから、今日に限って見逃したりする訳ないじゃん。」 務めて明るく。 と、いうか実際暗い気分ではなかったから、いつもと同じようなテンションで話しかける。 多分サンダーが相手だったから大丈夫だったんだと思うけど。 これが、申し訳なさそうに「ごめんね」を連呼するモッティや、不敵な笑顔を浮かべているくせに真っ赤な目を潤ませて言葉少なにしているスージーだったら、こうは自然に喋れなかっただろう。
「ホントにやめちゃうの?」 「うん、そうみたい。」
「みたい、って(苦笑)」 「いや、本当にそういう感じなんだよ。マジで。」
「ふうん、そっか。じゃあ… お疲れさま。」 「うん、ありがとうね。」
こんなやり取りをして、その場は彼を見送った。他の2人はまだ誰かしらに掴まっていたけれど、そっちを気にする前に後ろから抱きつかれる。 Yuさんだった。
彼女は早くからずっと彼らを応援していた人だから、この事態には人一倍ショックを受けたに違いない。 何週間か前にとても可愛がっていた愛犬を亡くしたと言って元気がなかったのを、今日のライブで浮上するんだ。と言っていたのに、浮上どころか落とし穴に突き落とされたような結果になってしまった。事情を知っているだけに私もどう声をかけたら良いものか困ってしまい、体を反転させてハグし合う体勢になり背中をポンポンしてあげるしかできなかった。
花緯さんがスージーを追った弾みで近くのテーブルにぶつかり、そこに置いてあった録音用のMDプレイヤーを床に落とした。解散発表でテンパっていた彼女が、そのことで更にテンパってしまったのを苦笑いで見ていたら、どうやら落ちたのは私のMDだったようで 何度も「ごめん!」と謝られた。 大丈夫、大丈夫。と言って落ち着かせながら、実際しばらく使いそうもないしな… なんて皮肉めいたことを考えた私は、自分を含めた周囲の誰もが常軌を少しずつ逸しているんだと、うっすら気付いたのだった。
外に出て、出待ちしている人達の姿を 通りの向こう側の歩道に腰掛けてボンヤリ眺めていた。
ライブハウスの熱気で火照った体は、12月の夜風も凌げる程度の余力を残している。というか、もしかしたら微熱があったのかも知れない(苦笑)寝てなかったし、ここんとこ心労続きで疲労はピークに達してるハズだ。今平気そうにしてられるのはきっと、不眠によるハイテンションと緊急事態に対応しようとする火事場の何とやらのお陰に違いない。
視線を少しズラしてライブハウスの隣にあるコンビニを見ると、見たことのある人影に気付く。 …あれ? 「清水さーん。」 キョロキョロとしてからこちらに気付いた人影は、前のめりになって私が誰かを確かめようとしている風だ。 両手を振って、おーい。と声をあげたら、小走りでこちらへ寄ってきてくれた。
「覚えてます?」と尋ねたら「覚えてる覚えてる!」と笑顔をくれる。ついこの間ライブがあったカムステのベース・清水さんだった。そういえば別に手伝っているバンドのライブが29日にLOFT(251のハス向かいにあるライブハウス)であると言っていた。同じ下北沢でその日は251に行くんだよ、と私も話していたので 彼は通りの向こうを指して 「あっち?」と言った。 「うん。」と応えて、「何かね、急に解散とか言われて皆で大騒ぎしてるトコ。」と添えた。 「へぇ… そうなんだ。」
それからどうもない話を暫くしていて、やたらと薄着な彼に気がつく。 「あれ、清水さんライブはもういいの?」 「あ?うん、大丈夫。休憩に水買いに来だけだから。」 「え!」 全然大丈夫じゃないと思うんですけど!(汗)
「きっとみんな待ってますよ!なんか寒そうだし、呼びつけちゃってごめんね。」と慌てて追い返そうとしたら 「まー、色々あっても何とかなるもんだよ?」何てことを言い残してLOFTの入口へ向かって行った。 「…はぁ?」なんの話?
でも、階段を降りる直前に振り返り軽く手を振ってくれたのを見て 唐突に思い当る。 「!あ。」 もしかしてT29Jの解散にヘコんでたのを元気づけてくれたのか?
「お礼言うんだった…(反省)」 全く、“はぁ?”じゃねーだろ“はぁ?”じゃ。 やっぱり頭が動いてないみたいだ。
それから残っていた人達に声をかけて、連名で花束を渡す算段をつけた。発案者のAさんと一緒に近くの花屋でブーケを3つ作ってもらう。それぞれ違うものにしてもらって、3人の各々のイメージに合わせて渡すことにした。
滅多に出て来なくなったT29Jのメンバーも、厳密にはスージーも 今夜ばかりは出てくるだろうと。 出て来なかったら呼び出してやる!くらいの意気込みがあったから、花束は絶対にみんなで手渡すことに決めた。誰が何と言おうと本人達に出てきても・ら・う!(炎)
しばらく待っていたらメンバーが階段を上がってきた。 さすがに今回はゆっくり相手をしてくれる気配だったので、一同ホッと息を付く。 花束の贈呈、ファンの子たちとの記念撮影、語らい。それらしい雰囲気に包まれて、段々実感が湧いてくる。
ああ、本当に解散すんだ〜…
私も皆に混じって写真を数枚撮らせてもらった。 3人揃って一緒に撮ってもらうなんて最初で最後だね(苦笑) ちゃんと笑えてる自分が 少しだけスゴイと思った。
メンバーが去った後は未練を断ち切るように移動。 いつもの面子でミスドに寄り、ちょっくらダベってから解散した。
今夜はちゃんと布団に入って
ゆっくり眠ろう。
おやすみ。
それから、
バイバイ。
という訳で朝から原稿描き。 ブルームファイナルライブで色んな人から早めに集まってお茶でも〜と誘いを受けたけど、そんな時間ないので全て断った。会場は中野サンプラザ、席は決まっているから開演に間に合えば良い訳だし… ギリギリまで時間を使っても、おそらく今夜は眠れないだろう(汗)
ここ何年かは消しゴムかけが面倒なので下描きを水色鉛筆でするようになっている。水色だとコピーや製版の際に写らないので(濃過ぎると写る場合もあるけど)消しゴムかけの手間ははぶけるのだ。 しかし、今回はコピーの前にスキャンでPCに取り込みがしたかったので 果たして水色って大丈夫なんだろうか???(汗)と心配しながらペンを入れていったのだが、今更描き始めたものを直す時間もないので、最悪 一度コピーした原稿を取り込むんだな、と手は動かしたまま頭の中でシュミレーションを図ってみる。 それにしても原稿描くの久しぶりダナー(苦笑)
夕方、いい加減出掛ける用意をしろって時間になったので作業をひとまず中断する。でも、あらかたペン入れは済ませられたので、後は帰ってからスキャンしてPC上でネーム打ち込んで、トーンソフトで柄流し込んで、夜中か早朝にコピーだけしてイベント会場に持って行けば、開場までの準備時間で製本すりゃいいし、売り子の手伝いに来てくれる人もいるから何とかなるだろう… と、一応の落ち着きを見ることができていた。 少し早めに出て、途中の文房具店で本の表紙用に色紙を購入する。
そして中野。
久々の顔ぶれにお互い再会を喜び合う。…喜ぶっつーのも語弊のある場ではあるのだが(苦笑) 最近はすっかりライブから足が遠のいていた人なども、流石に今日のこの日には参加をしていて往年の盛り上がりを見ているような人の入りだった。 何だか複雑…
会場にはロシアの旅で身につけていたものや、帰国後のプロモーションに使われた衣装など、彼らの衣類が展示されていて、物販ではメモリアルグッズなんてものも売られている。 衣類展示で盛り上がった気分が物販で一気に冷めた… またおかしなタイミングでおかしな物を売り出しやがって(不快)誰がペアのマグカップやプレートを買うんだっつーの!ワインを買うかっつーの!
私のこの日の購入物は今回のツアーパンフのみ。 これも、3000円ってどうなんだよ… 毎回のことだったから、もういいけどさ。
最後の?ブルームライブの内容はというと、むーん… 贔屓目に見ても満点はあげられないデキだと思ってしまった。何かさ、2人のぎこちなさがそのまま音に出てるっつーか、最後くらい心通わせてやりなよ…(涙)みたいな? 変ななっちゃうまでは 異様なくらいウマの合っている2人だったから、足並みが少しズレただけでも解っちゃうんだよな。本人たちは気付いてないのかねぇ…(苦笑)
それでも懸命にステージを成功させようとしている雰囲気は感じられたから 黙って見ていたけれど、後半にはやっぱり悠さん泣いちゃったし。そういうタイプだって知ってるから仕方ないっちゃ仕方ないんだけど、ここは最後まで我慢してきっちり歌い切って欲しかったな、と。親心なファンは思ってしまったのだった。
今日のこのファイナルライブの様子は完全受注生産のCDセットとして発売されるらしく、S●ny Musicのフライヤーが会場で配られていた。 完全受注生産なのにCDなの?
DVDにせんかいアホんだら!
受注生産だったら損はしないんだろ?だったら単価が高くなってもちゃんとファンのニーズに応えろよ(怒)メモリアルグッズより売れるっつーの!!
仲間うちで大ブーイングだったのは言うまでもない。(中にはスタッフに直接文句垂れた人もいた/笑)
終演後、ゆっくり語らうという時間もなく 中距離組はいそいそと帰り支度。今日なんかは遠征組の方が宿泊覚悟で来ているから余裕があるみたいだった。 私はといえば、どちらにも属さない「適地」組だったから 残ってお茶するくらのことはできたのだが、やらねばならない仕事を残して来ているので、お先に失礼と 中距離組と共に退散した。
で、自宅。
スキャンしちゃえば後は楽… と思ってスキャナーをパソコンに接続。取り込み作業をしようと操作を始めたのだが 「…?」 動かない。
各部の接続を確認して、念のため再起動。そして操作 「……(汗)」 動かない。
おい おい おい おい おい おい! この期に及んでそりゃないでしょ! 独り慌てる夜中の自室。 設定を変えても、ソフトをインストールし直しても スキャナーはウンともスンともいいやがらない。そうこうして何時間経ったのか… 時計が午前3時半を回った頃、頭の中で何かがプツリと切れた。
「…もういい、行く用意しよう(濁)」
散乱した机の上を片付けると おもむろにイベント行きの用意を始めた。半分ボーっとしていた頭をスッキリさせるために簡単に入浴を済ませる。身支度を整えて在庫一式とペン入れを済ませた原稿と買ってきた色紙をカバンに詰め込み、まだ真っ暗な外を歩き出した。
私がした選択、それは 始発で会社に行く だった。
職権濫用? ああそうさ! ここまで来て諦められるかっつーの!ブルームの本出せるのなんて今回のイベントが最後のタイミングじゃないか。今日を逃していつがある!
目の下にクマを作って黙々と職場を目指す私なのであった…
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