酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年01月31日(金) 樹海

 この『樹海』の表紙は夜ある文字が浮き上がるようになっています。こういう怖がらせようという試みはおもしろいと思いました。
 ただホラーとしてはどうなのかなぁ。表紙に「子供はコピーではない。本体そのものだ。それに気づかない人は愚かだ。生殖と死の本質を知れ」と書かれています。そう、そういう壮大な物語なのでした。うーんホラーかなぁ。

『樹海』 2003.01.10. 吉村達也 角川ホラー文庫



2003年01月30日(木) 君の夢はもう見ない

 久しぶりにタイトルに惹かれて手にして読んでみたご本。これはもう私にとっては大ビンゴ!でした。五條瑛(ごじょうあきら)と言う作家さんは、今の私の一番の注目作家さんですv
 この物語は、仲上孔兵という訳あり×いち男の周りで起きるさまざまな事件や問題を、仲上なりに解決していきます。この仲上という男がとても魅力的なのです。彼の部下のラリー・チャンの純粋さもとてもいい。
 仲上はアメリカ国防総省の情報機関で働いていた過去があります。その過去からさまざまなお客様がやってきます。問題を抱えて。情報を握るものは世界を動かすことができるのだなぁと思いました。
 短篇がリンクして物語は進み、短篇のどこかで姿をちらりと見せていた《君》が最後に登場します。この登場のさせ方と収め方が非常に心地よいのです。
 今年は、五條瑛がマイブレイクになりそうな嬉しい予感。

『君の夢はもう見ない』 2002.10.30. 五條瑛 集英社



2003年01月27日(月)

 見えないものが見えてしまう少女;弓田泉。彼女はサークルの催しで百物語に参加する。そこで悲劇が起こってしまいます・・・。
 倉阪鬼一郎さんのホラーを読みきれたのは、今回がはじめてでした。学生たちの日常が生き生きと楽しそうでその場にいるかのような気持ちで読めました。ホラーとして最高級に怖いとは思いませんが、しんねりと不気味ではありました。登場する人物はなかなかどのキャラもよい味出しています。

『泉』 2002.12.25. 倉阪鬼一郎 白泉社



2003年01月26日(日) 椿姫 ニンフォマニア

 和田はつ子さんと言う作家さんのご本は、かなり読ませていただいていますが、またあらためて読み返したいと思いました。
 この『椿姫』は、和田はつ子さんのシリーズキャラのひとり、食を中心とする文化人類学者;日下部遼が登場します。この日下部遼、アイヌの血を継ぐ彫の深い日本人離れしたいい男。物語は彼が講師をつとめる名門女子大での彼のセクハラ疑惑から始まります。教え子のセクハラ疑惑、そして彼女の謎の失踪。その渦中昔愛した美しい女性;草間佳奈子との再会。日下部は、彼女の妖しく狂おしい人生に巻き込まれていきます・・・。
 日下部遼は、草間佳奈子を愛した時に知りえなかった彼女の心の闇を今度こそ理解してあげたいと思います。今回の物語で草間佳奈子という美しい女性の人生を日下部遼が追いかけ真実に迫りますが、・・・。日下部遼の一途な思いがせつないです。
 オススメです。

『椿姫 ニンフォマニア』 2002.12.20. 和田はつ子 角川書店



2003年01月25日(土) 蛇怨鬼

 いやぁー久しぶりに面白い(?)ホラーを読みました。蛇が嫌いな人は絶対にお読みになれません。アハハ。しかもこの物語いろんなものがごちゃ混ぜになっている感じ。でも結構どきどきしながら読みすすめたのでホラー好きさんにはオススメしちゃいます。
 物語は、美貌の電脳霊媒師(このあたりから既にうさんくさい)菅原裕子のもとに、死者に会うべく集まった者たちが次々に奇怪な死に方をしていくことから始まる。その怪事件に立ち向かう刑事落合。渋谷署の問題児落合は、この事件に関わるうちに本庁にある‘迷宮課’の扉を開く・・・。
 これって書いてたら内容全部を書きたくなっちゃう。悩める霊能力美少女なんかも出てきます。そしてなによりラストが‘ぞくり’。物語は終らない(笑)。

『蛇怨鬼』 2001.12.18. 天沢彰 ハルキホラー文庫



2003年01月22日(水) 天国までの百マイル

 私が受付をしている病院のせんせーは、もととある有名心臓病大病院の副医院長さまだったお方。そのため患者さんに心臓病の方が多いのです。門前の小僧の習いで不肖私も多少なりとも心臓病とその薬の知識が増えてきました。
 さてこの『天国までの百マイル』、一世風靡した男が自己破産し、心臓病で死にかけている母親を救おうと百マイル車を走らせます。この男とおかぁさんに関わる人々がものすごくいいです。特に、おかぁさまの内科的主治医と手術をしてくださるドクターは最高。このふたりの人間性にはおいおいと泣かされてしまいました。
 もしも、うちの旦那が癌じゃなくて心臓病だったら、このふたりのドクターにみてほしかった。それだけで奴は心が救われていただろうな。
 この物語の主人公、城所安男は、母親と共に再生します。人間っていくつであろうと目から鱗が落ちる瞬間を逃さずにいられたら、きっとなんとかやりなおせる。自暴自棄になるのはすごく簡単。
 浅田次郎さんに圧倒されてばかりです。超オススメです。泣くことを覚悟してくださいね。

『天国までの百マイル』 1998.12.1. 浅田次郎 朝日新聞社



2003年01月20日(月) 13歳の黙示録

 中学教師、秋元千佳が受け持った問題のあるとされる少年‘升本幸雄’。このまだ幼い少年をそこまで屈折させた過去とはいったい・・・。
 私が、中学生の頃に俗に言う不良たちはいました。でも彼らに対応する熱血教師さんもいらっしゃって、悪いことをしたら平気でビンタされていましたし、それを体罰だと言う風潮はありませんでした。不良たちもその親たちも周りも、イケナイことをきちんと認識できていたからだと思います。今はなにかあれば体罰だとヒステリックに騒ぐ、もしくは常軌を逸脱した指導をする。そういう構図が垣間見れる気がします。勿論私の友人に何人も教師をやっている人たちがいて、そんな人ばかりではなく、ごくごく一部だとはわかっていますが。
 今回の『13歳の黙示録』は、本当に黙示なのだなぁと思い、神妙に読み進めました。物語としても言い方は悪いかもしれませんが、面白いですし。私は親になっていないので、大きなことを言えないのかもしれません。でも尊敬する母親の育て方を鑑みますと、親からの愛情いっぱいに育った人間はそうそう間違った方向へ進まないのではないかと思いました。

『13歳の黙示録』2000.8.21. 宗田理 講談社



2003年01月18日(土) 水曜日のジゴロ 伊集院大介の探究

 伊集院大介がふらりとひとりで立ち寄る六本木のクラブ「樹」。そこのマスター(女性)樹は女性しか愛せない女性。今ではストレートな女性すら‘目で殺す’こともできる樹・・・うっとり。殺されてみたい。
 その樹の店にそこいらの美しい女性よりも美しく妖しい男、千秋が現れる。その瞬間から樹の周りで連続強姦殺人が多発。犯人は、事件の真ん中にいる樹の運命は。
 栗本くんの書くゲイの世界は、男同士であれ女同士であれ、昔から私を魅了し続けています。そんな世界に違和感なく身を置く事のできる伊集院大介。伊集院大介は観察者の立場だから、ものごとの真理を見抜けるのかもしれません。

『水曜日のジゴロ』 2002.12.20. 栗本薫 講談社



2003年01月17日(金) スワンレイク

 目には目を、のハンムラビ法典。罪を犯した人間を暴力の限りを尽くして裁こうとするアン・ドゥ・トロワ、そしてキャトルとサンク。彼らの中で均衡が崩れた時に殺し合いが始まる。生き残るのは・・・。
 と、まぁこれは表の物語。脇役となる女性が締めくくるラストシーンは正直これら全てを内包していたと言うこと?と理解でききれずにまだ自分の中でうまく昇華できていない。
 野島伸司さんだから、面白いし読ませてくれるのですけれど、うーむー私的には今ひとつでした。

『スワンレイク』 2002.12.25. 野島伸司 幻冬舎



2003年01月16日(木) 悪魔のカタルシス

 牧本はある日、‘悪魔’を見た。古来から絵に描かれてきた禍々しい悪魔の姿を。この悪魔の姿を見抜けることのできる人間が古来から存在したのではないか?その存在こそが・・・。
 鯨統一郎さんらしい悪魔解釈でした。本当によく目にする悪魔の姿は人間の想像上のものなのでしょうか。

『悪魔のカタルシス』 2002.10.25. 鯨統一郎 幻冬舎文庫



2003年01月14日(火) 闇匣

 黒田研二さんの密室本、『闇匣』。まったくの暗闇で音しか聞こえない状況下で、人はどれだけずぶとくいられるのでしょうか。真っ暗闇の中でヘッドフォンつけて音だけで怖がらせるアトラクションを経験したことがありますが、想像力が増幅されてしまうのですよねぇ。
 物語は、妹の死と捨てた恋人の死の真相が、暗闇の中であばかれていきます。見えない真っ暗な闇と、殺人犯の心の闇。黒田研二さんらしい運びとラストだなぁと思います。面白く読めます。なんじ罪を犯すなかれ。

『闇匣』 2002.12.5. 黒田研二 講談社ノベルス



2003年01月13日(月) 椿山課長の七日間

 去年、仲間たちの『プリズンホテル』大絶賛につられ、どっぷりと浸ってしまった浅田次郎WORLD。あまりにもプリズンホテルシリーズが素晴らしかったため、今回『椿山課長の七日間』を読むことに少々おそれのようなものがありました。が、しかし、そんなおそれなど取るに足らないつまらない杞憂。素晴らしい物語でした。でろでろに泣かされてしまいましたけど。
 たたき上げのデパートマン椿山和昭は、仕事中に突然死をしてしまいます。彼が気がついたのはあの世とこの世の間、中陰の世界。そこでデパートマンだった椿山と、やっぱり出てくる(笑)ザッツ任侠の男・武田勇と、聡明な少年根岸雄太くんの三人は現世で遣り残したことを果たすべく七日間だけ現世に戻ることになります・・・。
 この現世に戻るために三人が守らなければならない決まりごとってのがなかなか深いんですねー。個人的にはリライフ・サービス・センターのマヤが超いけてますv サイコーvv
 浅田次郎さん節というのは、こういうものなのかなと思います。必ず泣けます。今私を泣かせたら天下一品の作家さんかもしれないなぁ。考えることも多いし、人の優しさも心に染み渡ってきます。これぞ究極のオススメ本にございます。必読!

『椿山課長の七日間』 2002.10.1. 浅田次郎 朝日新聞社



2003年01月12日(日) 罪深き者に罰を ミステリー傑作選42

 ぼつぼつと読んでいたミステリー短篇傑作選を読了。ううーん、これってものすごーく内容の濃い短編集です。
 真保裕一『暗室』・横山秀夫『動機』・新津きよみ『返す女』・新野剛志『公僕の鎖』・若竹七海『女探偵の夏休み』・吉村達也『蒲団』・浅黄斑『海馬にて』・奥宮和典『おじいさんの内緒』・恩田陸『往復書簡』という豪華ラインナップです。
 横山秀夫『動機』は読んでいるうちに、読んでいたことを思い出しました。あと若竹七海と恩田陸も読んでいました。若竹さんと陸ちゃんは好きなシリーズキャラものだから当然かな。
 未読の作品もどれも面白くてとっても得した気分なのです。初読みとなった真保さんの作品は真保さんはこういう物語をお書きになるのかーと納得。硬質ですが、やはりうまい方ですね。新津さんは、相変わらず‘怖い’です。ミステリーホラーと言った趣。新野剛志の『公僕の鎖』は嬉しい作品。私が注目した大好きな『八月のマルクス』の主人公が登場するのです。あの主人公の短篇集が期待できるとほくほく。物語りも面白かったです。吉村さんは、さすがなにを書いてもそれなりにうまく料理をされます。浅黄さんは初めて読ませていただきましたが、面白かったです。これは収穫ですね。これから探して読んでみたいと思います。
 そして今回の超目玉となった方が奥宮和典さんです。宮部みゆきさんに絶賛されたという方だけのことはあります。北村薫さんズキな方なら絶対読むべきv これまたこれから探して読もうと思います。唸りましたよ、この方の短篇。

 アンソロジーの良さは、こうした新しいめぐり合いにあります。オススメアンソロジーです。

『罪深き者に罰を』 2002.11.15. 日本推理協会編 講談社文庫



2003年01月11日(土) わたしはあなたのこんなところが好き。

 まおまお経由でお友達になってくださった‘あっきー’から素敵なプレゼントをいただきました。堀川波さんという絵本作家さんの『わたしはあなたのこんなところが好き。』です。あっきーは恋をしている私にと贈ってくださいました(照れ照れ)。
 イラストと文が本当にマッチしていて好きな人同士の感覚がじんわり伝わってきます。中でもなにより共感できることが、お互いにそれぞれの時間も楽しむということころ。お互いに寄りかかりすぎないというところ。
 これは私も恋をしているお友達にプレゼントしたいなぁと思います。私の宝物がまたひとつ増えました。にっこり。ほんわか。しあわせv

『わたしはあなたのこんなところが好き。』 2002.8月  堀川波 ポプラ社



2003年01月10日(金) 闇の子供たち

 梁石日(ヤンソギル)さんの書く小説は、内容はともかく心をがっしりつかんで離しません。暗くて重くてすごいです。誰にでもオススメできないけれど、面白い(という言葉はふさわしくないかな)です。
 この『闇の子供たち』は、バンコクを舞台に少年少女売春、臓器売買、ペドフィリアをテーマにしています。8歳くらいの子供に与えられるむごい仕打ちは読んでいて心がずーんっと沈みます。沈みますが、読むことをやめらません。
 ただ残念ながら最後の納め方に不満が残りました。徹底的に悲惨で終るのか、どこまでも戦うのか、どちらかを押し通して欲しかった。そして誰を主人公に据えるべきか途中から悩まれたのではないかなぁ。うーん。

『闇の子供たち』 2002.11.20. 梁石日 解放出版社



2003年01月08日(水) 蛇行する川のほとり

 『ロミオとロミオは永遠に』そして『ねじの回転』と読み、昨夜『蛇行する川のほとり』を読みました。あぁぁぁぁぁっ、陸ちゃんってば天才っ! 3作品が全てまったく違った趣。個人的な好みは別れることと思いますが、私はこの『蛇行する川のほとり』に流れるあぶなぁーいあやうーい雰囲気がたまらず好きです。陸ちゃんの書くあぶない美しい女子学生っていいんですよねー。
 これは放置プレイものの三部作の第一作。耐えながら待ち、感想はすべて読み終えてからということでっ(おいおい)。あぁ次が待ち遠しい・・・。次は4月。ラストは8月。悶死もんです(涙)。

『蛇行する川のほとり』 2002.12.10. 恩田陸 中央公論社



2003年01月07日(火) 標的走路

 私が大沢親分にはまったのは、新宿鮫シリーズではなく、佐久間公シリーズでした。その佐久間公シリーズで絶版になっていたこの『標的走路』がファンの熱い要望で甦りました。
 しかしながら・・・やはりこの佐久間公は今ひとつ魅力が足りない。絶版になるには絶版になる理由があるものだなぁ。でも勿論そこそこのハードボイルドとしては楽しめます。従来の基準を期待してはいけません。

『標的走路』 2002.12.10. 大沢在昌 文春ネスコ



2003年01月06日(月) しまなみ幻想

 瀬戸内しまなみ海道は、本州と四国を結ぶ3つ目の橋になります。浅見光彦くんは今回この橋を行ったり、来たり。刑事局長の弟である光彦くんは、兄の七光りのもとでの名探偵。警察機構をあごで使える素人なんて存在しないよなぁと思いつつ、兄上様のご印籠の発揮っぷりが快感です。
 このシリーズはもう長いこと読んでいるので今更やめられないと言った気分で読んでいます。なんて言うか、本の中に古い馴染みがいる気がしてしまうから不思議というか勝手な感覚です(苦笑)。
 今回は天才少女ピアニストがヒロインとなりますが、彼女を教える先生で浅見くんの知り合いの女性の絶対音感が事件をとく鍵となります。
 さらさらさらと読めてしまう物語でした。

『しまなみ幻想』 2002.11.25. 内田康夫 光文社



2003年01月04日(土) ねじの回転

 1936年2月26日にクーデター発生。これがいわゆる2・26事件です。この2・26事件はよく小説家さんたちの手によって物語化されています。今回は陸ちゃんの手による2・26事件。(ダ・ヴィンチ等で陸ちゃんが答えられていることなど引用する範囲のネタバレありです。まっさらで読みたい方は、これ以上読まないでくださいね)
 この物語は、タイトルからも想像がつくようにタイムパラドックスをテーマにした物語です。人間が過去に干渉をした時、果たして‘時間’はその介入にどういう動きを見せるのでしょうか。歴史は動かせるのか。歴史は繰り返されるのか。歴史は改竄(書き換え)を決して許さないのか。
 陸ちゃんは、《IF》もしもやりなおせたらを突き詰めてきます。もしもたった一度だけなにかをやり直す(訂正する)ことができたなら、人はその時点へ戻るのでしょうか。物語の面白さに惹きつけられながら、耐えず自問自答していました。今の全てを捨てても私はあの時点へ戻るのだろうか、と。
 陸ちゃんは、この物語の着想に映画『マトリックス』を挙げています。それまで動いていた人間がいきなり止まったらおかしいな、同じ時間を何度も何度も繰り返し体験したら変だな、という思いつきだけが最初にあったそうです。そこからこれだけの物語を書き始めたのだからすごい。そして書いているご本人にも着地点がわからないまま書き進めていたというのだから、もっとすごい。

『ねじの回転』 2002.12.10. 恩田陸 集英社



2003年01月01日(水) サイコロジカル 曳かれ者の小唄

 サイコロジカル上下巻を読了して思ったことは「いーたんかわいそうに」でした。いーたんって本当に生意気だし、こむずかしいし、憎たらしいけれど(あ、まるで息子に向けて言っているかのよう)、なんだか母性本能刺激するのよねぇ。だからあぁも屈強なおねぇさまがたに可愛がられるのでしょう。
 今回、いーたんは友の所有物(らしい)兎吊木該輔救出に出向き、いーたんひとりずたぼろになるわけです。ま、簡単に言うとそんなとこ。しっかしラストはそうくるかなぁとは思ったけど、本当にそうくるとはねぇー。しかもダブルで。はぁ。
 ラストにダブルでこうくる、は読んだ方にしかわからないことだし(当たり前だ)、読まれていない方のために書きません。読んでください。
 このサイコロジカルの話をあっちゃんとまおまおと別々にしたところ、ふたりとも最初から読み直したくなりましたと言ったのですね。その気持ちが今痛いほどよくわかる・・・。こういう気持ちにさせてしまうだけで、西尾維新の非凡な才能がわかるというものですねぇ。いやはや新年早々いい本を読ませていただきました。

『サイコロジカル 曳かれ者の小唄』 2002.11.5. 西尾維新 講談社ノベルス



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