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2017年10月22日(日) イザベル・カンピオン先生によるピアノを弾く身体の使い方講座2017

イザベル・カンピオン先生をラ・パレットにお招きするのは3度目でしたが、回を重ねるごとに興味を持ってご参加くださる皆様が増え、カンピオン先生の考えが広まるのを実感し嬉しく思いました。
あいにく台風直撃のタイミングでしたが、講座を行ったanoano音楽堂内は満席。聴講される皆様の熱気は、外の気候を忘れさせるものでした。

今回、レッスンを受けた生徒さんは二人。
一人目の中学生の生徒さんの課題は、指が鍵盤と十分にコンタクトしていないために思うような演奏ができないというものでした。
これに対してカンピオン先生がご指導くださったのは、演奏を始める際に鍵盤に手をどのように乗せるか…でした。
椅子にどのように座り、肩甲骨のポジションをどうするか、鍵盤に手を乗せる前の腕の状態はどのようにあるべきか…と一つ一つやっていって、最後に手を乗せて弾き始めると、指先がぴったり鍵盤に乗って安定した芯のある音が鳴りだしました。

もう一人の生徒さんは、大学生。
この生徒さんは、6月のジャン=マルク・ルイサダ先生のマスタークラスを受講され、f(フォルテ)の出し方について詳細なご指導を受けていました。
今回は、ルイサダ先生にも信頼されているカンピオン先生に、身体の使いかたにフォーカスしてご指導をいただくためにご参加いただきました。
こちらのケースでもやはり、身体の支えと力をどうロスなくピアノに伝えるか…がご指導のポイントとなりました。
その上で、カンピオン先生のアドヴァイスに沿って繰り返し弾いていくと、素晴らしい音がピアノから鳴り出したのです。
本当に素晴らしかったのでカンピオン先生が講座終了後に
「こういう講座をやるといつも最後には生徒さんは素晴らしい音になるのだけれど、彼女は私が期待した以上に本当に素晴らしい音を出したわね」
とおっしゃっていました。

そして私が感激したのは、これらの講座の間、聴講されていた皆様が殆ど背もたれに背中を付ける事なく身を乗り出し、カンピオン先生が一つの動きをご指導される度にそれを試し、メモを取られる方も大勢いて、熱い熱いものだったことです。
私だけでなく、カンピオン先生もこの雰囲気に大変喜んでいらっしゃいました。

カンピオン先生は、ご指導くださる内容が素晴らしいだけでなく、人間的にもとても温かく、なかなか思うようにならない身体の使い方についての実践する時にも、生徒さんが前向きな気持ちで取り組むことができ、その点も本当に素晴らしいと思います。
音楽に携わる一人として、この点もとても勉強になりました。

最後になりましたが、準備の段階から多大なご協力をいただいた通訳の中島彩さま、この講座の企画にご協力くださったコンセール・パリ。トーキョウさまに感謝し、厚くお礼申し上げます。


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