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読書日記。中沢新一・赤坂憲雄「網野善彦を継ぐ。」講談社 - 2004年07月02日(金)

人は生きて死ぬ。そして継ぐものがいる。

近くにいる人から網野氏の悪評を聞いた。
彼は阿部謹也氏の方法をそっくりいただいて云々…。
えげつないやつだ云々…。

学問の世界のどろどろはシロートにはわからない。
今まで彼の文章を読んだ感じからも
何年も前、北海道で網野氏の講演を聴いたときの印象を思い返してみても
その悪評はわたしにはしっくりこなかった。

中沢赤坂両氏の対談は、
その悪評がやはりまちがったものだと思わせてくれた。
少なくともそこで語る二人の人間の言葉には
故人への人としての敬慕や愛があり、
その仕事への尊敬と、
それを何らかの形で継ごうとする純粋な
(あるいはちよっと悲壮な、そして幸福な)使命感があった。
それぞれが徒党を組まず「ひとり」の道を進んでいる二人が
これほどの気持ちを言葉にせずにはいられない、
「その人」が「えげつない」人だなんてことがあるだろうか…。

地下鉄の読書で対談の終わりにさしかかったわたしは
不覚にも泣いてしまったのだ。

人間が生きて仕事をすること、それを誰かが継ごうとすること。
そのことに魂が反応したのだ。



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