感想メモ

2014年12月31日(水) 翔ぶ少女  原田マハ


原田マハ ポプラ社 2014

STORY:
阪神大震災で両親を同時に失った3兄弟は、助けてくれたゼロ先生の養子になることに…。

感想:
 結局2014年ぎりぎりに読み終わったこの1冊。

 阪神大震災で両親を失った3兄弟イッキ、ニケ、サンク。ニケは足に大けがを負いながら一命を取り留める。

 その兄弟を引き取ったのは「ゼロ先生」と親しまれる精神科医の先生だった。彼もまた、震災で愛する妻を失い、そのことがもとで息子とも疎遠になってしまっていた。

 本当にあった出来事なのか…?と思うぐらいリアリティあるけれど、主人公の名前が変わりすぎていていまいちだったかな。

 ニケはギリシャ神話の女神で羽があるらしいんだけど…。

 羽の部分でタイトルにもかけているんだとは思うけれど、そのエピソードの描写はリアリティをちょっと薄めてしまい、逆に私としては残念な気もした。

 普通の成長の物語としてくれてもよかったんじゃないかなーとか…。



2014年12月25日(木) 東京プリズン  赤坂真理


赤坂真理 河出文庫 2014

STORY:
高校生のときにアメリカに留学したマリは、天皇の戦争責任についてディベートをすることになる。そのディベートから逃げ出した30年後のマリは、かつての自分と電話で通じることができ…。

感想:
 もう少し違う小説かと思って読み始めたが、かなーり難解で、ちょっと失敗したかな…という感じであった。

 それでも、どういう結末になるのかを知りたくて最後まで読んだけれど、やっぱりちょっとうーん…な感じで終わってしまい、失敗したなという感じだった。

 もう少しわかりやすい話かと思ったけれど、時空を超えたり、夢が出てきたり、現在と過去もたびたび入れ替わり、もう少し気力や体力が充実した時でないと、厳しい小説だと感じた。

 今はもっとエンターテインメント色のある話の方が体に入ってくるので…。

 その意味で言うと、やっぱり百田尚樹とかのほうが、歴史的なことを描くにしても、わかりやすくていいのかなーとも思う…。

 今年最後となるかも…な作品がちょっと残念に終わってしまった。←読むのにすごい時間かかった…。



2014年12月07日(日) だから荒野  桐野夏生


桐野夏生 毎日新聞社 2013

STORY:
自己中心的な夫に思いやりのない息子たち…。自分の誕生会を祝ってくれる席でのひどい仕打ちに耐えかね、朋美はそのまま店を出て、当てのない旅へ…。

感想:
 ないがしろにされる妻であり、二人の息子の母…。身につまされる話…?

 最初は朋美に対してかわいそうな気持ちになり、その大胆な行動にぐいぐい引き込まれた。夫のゴルフバッグを売ったりするあたりは、痛快な気持ちになったりもした。

 けれど、段々雲行きが怪しくなって…。

 置いて行かれた夫の方も、プライドが高く、自分の保身や自分に都合のいいことばかりを考えていて、なんだろうと思って、もっとひどい目に遭えばいいのに…とかも思ってしまったが…。

 でも、最初から何となく思ったのは、朋美自身にも問題があったということ。そのような家庭にしてしまったのは、朋美自身でもあるのだから…。

 例えば、料理を食べない息子たちに手を焼き、一切料理をするのをやめたというくだり。

 お弁当にはご飯とさつま揚げだけとか…。(さつま揚げは子供が好きだったらしい)

 諦めて放置するのは、やっぱりちょっとダメだったんじゃないだろうか…。

 少しでも工夫したりということがなかった。子供たちは母のそういう姿勢に対して尊敬できなかったのかも?

 結局次男の態度を見て、朋美は自分も何かから逃げるだけの人生ではダメなのだ、向き合わなくてはダメなのだと気づくのだが、そうだよね、とちょっと思った。

 自分も諦めずに自分の家族と向き合っていかねば…。



2014年12月01日(月) ボーダーライン

 NHKのドラマ。例のごとく録画で見て、さらに見終わってから感想を書くまでに時間がかなり経ってる…。

 新人で消防署に配属されてきた川端明(小池徹平)は、現場で働くのは嫌だという変わり者。半年勤務すれば内勤に変われると聞かされて、入署したものの、話が違って、なぜか現場で働くことに。

 救急や消防の仕事も最初はできないとへたれっぷりがすごかったけれど、仕事や周りの人々に影響されて、徐々に明に変化が…。

 実際のところ、明みたいな新人が自分のところに来たらやりにくいし、嫌だなーと思った。明はいい先輩方に囲まれていてよかったね。

 消防の人々も救急の人々も、本当に毎日がんばってくださっているんだなと頭が下がる内容だった。こういうのを見ると、救急車をタクシー代わりに使うなんて、ホント言語道断って感じだなと。

 登場人物もそれぞれが事情を抱えていて、消防や救急に携わる理由も様々。

 でも、明のように公務員で安定していて…という理由で入る人はやっぱり少ないよね。みんな例えば、何かの災害にあって助けられて…とか…熱い志を持った人ばかりだと思う。

 何しろ、自分の命を懸けて救助してるんだから。

 市民の命が第一で、隊員の命はそれより下というのも、ドラマを見ていて本当にわかり、そこまでしてくれてるんだと思った。

 撮影は実際の火を使ってしたらしく、CGではないので、臨場感があったかも。

 明の成長もその他の登場人物(特に藤原紀香演じる楓)の成長もまだまだ続く感じで終わったので、続編ができるかも? もしできたら見たい。


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