感想メモ

2014年07月29日(火) 本屋さんのダイアナ  柚木麻子


柚木麻子 新潮社 2014

STORY:
16歳で子供を産み、シングルマザーとして生きる母ティアラのもとに生まれたダイアナ(大穴)は名前のことでつらい思いばかり。本が好きで孤独なダイアナは、彩子という親友と出会い…。

感想:
 柚木麻子は何冊か読んでいるけれど、長編は初めてかも。それに今まで読んだどの本よりも内容が重めだったかな。

 シングルマザーでキャバ嬢をしながら子育てをするティアラ。ダイアナという名前は競馬好きな父が大穴を当てるラッキーな名前ということで名付けたらしい。

 子供の頃から母に金髪に染められ、ランドセルなどはキラキラデコられ、あの親の子供じゃね、あの名前じゃね…と後ろ指を指される人生。

 本だけが心の拠り所だったダイアナは、彩子という自分の名前を気に入ってくれる女の子と出会う。

 彩子の家はインテリで、父は編集者、母は料理家。愛にあふれる家庭。

 あまりにも境遇の違う二人だが、本好きな二人は親友になる。

 彩子の両親もまた、ダイアナを偏見に満ちた目では見ないで、普通に接してくれた。

 しかし、中学受験という壁が立ちはだかり、二人の道は全く別々に…。

 ちょっとした行き違いから、親友が親友ではなくなり、避けるようになる二人。

 こういうの、なんかよくわかるような…。ちょっとしたボタンの掛け違いなのにね…。

 人生は思い通りに行くものではないし、自分ではどうしようもできないこともあるけれど、前向きに生きることが大事なのかなーとも思った。

 本の中の引用部分がいい感じに使われていたのもよかった。



2014年07月20日(日) ハブテトル ハブテトラン  中島京子


中島京子 ポプラ社 2008

STORY:
小学5年生のダイスケは東京の学校に行けなくなってしまい、母方の祖父母のいる松山市の小学校に2学期だけ転校することに。

感想:
 東京の小学校で、学級委員をしていたダイスケ。相方の女の子はクラスのひどい状態に切れてしまい、その後、今治市に転校してしまった。

 そのうちダイスケは学校に行けなくなってしまう。

 そこで、母方の祖父母のいる松山市の小学校に転校してみることになるが、まず空港に迎えに来るはずの祖父母の姿がない。

 祖父は骨折して入院してしまい、迎えに行けなくなったということで、代理のハセガワさんが来るが、かなり適当な感じの人で…。

 幸先の悪い感じの松山行きになったけれど、東京とは違う独特の空気の流れがあるのだろうか。

 人懐っこい友達もたくさん寄ってきて、田舎で色々な体験をするうちにダイスケの心は変化していく。

 そして、気になっていた今治市が松山市とそんなに遠くないこと、瀬戸大橋を渡れば行けることに気づき、ダイスケは今治に行くことを決意。

 ダイスケの夏から2学期までの小さな冒険は楽しくて、気楽に読めて、面白かった。



2014年07月11日(金) 一度、死んでみましたが  神足裕司


神足裕司 集英社 2013

 精力的に活動をしていた神足裕司は飛行機で移動中にくも膜下出血を起こし、かろうじて命を救われるが、後遺症が残ってしまった。

 自分では思ったように体を動かせない、話すことができない、そして、出来事をすぐに忘れてしまう。

 けれど、書くことは彼にとって最大のリハビリだった。

 書いたことを1時間後には忘れてしまうかもしれないけれど、書き続けるうちにどんどん脳の一部がつながっていくような感覚で、驚異的に回復していったのだ。

 今もできないことはたくさんあると思うけれど、書くことはぜひ続けてほしいと思った。

 家族や周りの人の献身的な介護に頭が下がる思い。



2014年07月05日(土) 続・最後から二番目の恋


 「最後から二番目の恋」の続編の続編って感じかな? 確かこれの前に1本スペシャルがあったから…。

 普通、続編に行くにしたがって、段々どうでもよくなってきたり、つまらなくなってきたりするものだけれど、このドラマ、なぜか続編が出るにしたがって面白くなってきちゃってるので不思議。

 やはり千明(小泉今日子)と和平(中井貴一)の会話や、その他登場人物の会話が面白いんだろう。

 今回は新キャラとして、和平に「セフレになろう」と言い出す原田薫子(長谷川京子)が登場。この人と和平のセリフがまたおかしすぎて…。

 実際にはこんな人物いないと思うんだけどね…。でも、なんか面白いという。

 千明の悪友2人(渡辺真起子&森口博子)も健在で、独身を謳歌しつつも、やっぱり仕事も恋愛もいまだにあきらめずにいるみたいな感じで良かったし。

 何だか噂でこの番組を「北の国から」みたいなシリーズにしたいとかいうのを聞いたんだけど…ありなのかなー?

 ただ、内輪で盛り上がっていて、あとからは入っていけないみたいなところが確かにあるので、この先の続編は…あるんだろうか、それともないんだろうか…よくわからないなー。



2014年07月01日(火) 病名のない診察室  豊田美加


豊田美加 ワニブックス 2014

STORY:
かつて心臓血管外科の若きホープとして注目されていた温は、妻を亡くし、午前中は病院の勤務医、午後は漢方医という生活を送っていて…。

感想:
 ほのぼのとしたテイストのストーリーで、面白く読めた。

 漢方薬のよさとかなんとなく感じられた。

 実際飲んだことがあるが、自分にはあまり効果がなかったような気がする…。だから、こんな風にうまくいくことばかりでもないんだろうな…とは思うけれど。

 登場人物も独創的な人ばかりで、面白くて、続きもできそうだなーと思う。続きができたら読みたいような…。


 < 過去  INDEX  未来 >


サーチ:
キーワード:
Amazon.co.jpアソシエイト
ゆうまま [MAIL]