感想メモ

2006年12月26日(火) のだめカンタービレ  二ノ宮知子


二ノ宮知子 講談社

 まずは『のだめカンタービレ』のドラマから入り、その後、今出ている漫画16巻までを一気に読んだ。ドラマは漫画にかなり忠実でとっても面白かった。何よりクラシック音楽が好きだし、天才系の話が好きだし・・・。

 そして、やはり自分が最近はすっかり忘れたような若者の青春というか恋愛・・・。これがなんか新鮮だった。久しぶりに、ドキドキするというか、自分のことじゃないのに、なんかきゃーきゃー言いながら見てしまうような感じ。

 ドラマの方では玉木宏がすごくかっこよくて、かなりファンになってしまった・・・。のだめ役の上野樹里ちゃんもとってもかわいくて・・・。

 ドラマは続編が見たいと思うし、漫画の方も早く続きが読みたいな・・・と思っている。でも、関連商品のCDとかは買おうと思わないんだけど。

 やっぱりテレビだと映像もあるし、音楽が聞こえるからいいと思う。漫画だと音楽によほど詳しくないとどういう曲なのかとかわかりにくいし・・・。

 続編はパリが舞台だから難しいのかもしれないけど、是非是非続きを見てみたいな。



2006年12月22日(金) 僕の歩く道


 自閉症の輝明が家族や周囲の者に支えられて少しずつ自立していく様子を描いたドラマ。橋部敦子脚本のドラマは今まで見たことがなかったが、評判がいいので見ることにした。

 このドラマはなんだか静かに時間が流れていた。周囲の人や家族のストーリーも織り交ぜながら、主人公の輝明の周りはなんだかゆっくりと時間が流れているようなイメージである。

 特にどういいというわけではないが、何となく続きを見たくなってしまう感じで、引き込まれた。

 一番印象に残ったのは、都古役の香里奈。この人、なんだかよかったなぁ。でも、結婚はうまくいかないんじゃないかな、と思っていたら、案の定だった。

 久しぶりに見た佐々木蔵之介、本仮屋ユイカも見られてちょっとうれしかった。



2006年12月20日(水) 赤い指  東野圭吾


東野圭吾 講談社 2006

STORY:
家のことは妻に任せっきりにしてきた昭夫。ある日中学生の息子が少女を殺してしまい、妻にせがまれそれを隠蔽しようと試みるが・・・。

感想:
 一応推理小説みたいな感じでもあるのだが、推理というジャンルとしては全く甘く、どちらかというと、家族を省みなかった男の心の変化のようなものを描いた心理的作品といった方がいいのかもしれない。

 一応捜査をする側のドラマと殺人を隠蔽しようとする家族のドラマの2本が進行していくが、比重が高いのはもちろん殺人を隠蔽しようとする家族のこと。

 ある日突然、中学生で引きこもり気味な息子が少女を殺してしまう。男は自首することをまずは考えるのだが、妻がどうしてもそれだけは嫌だと言い張り、男は死体の処理を考える。

 警察の捜査はそんなに甘くはないだろうし、そのうちに追及の手が伸びてくる。それを考えたときに男は同居している認知症の母に罪を擦り付けることを思いつくが・・・。

 推理小説なら、犯人や関係者は殺人をできるだけ隠そうとするだろう。しかし、主人公はすぐに警察を呼んでしまう。なんだか甘いのである。もっと悪あがきして、最後の最後で警察に「実は・・・」と言うならわかるのだが・・・。

 そういう意味で、何というかちょっと現実味があるようでないような感じで、面白いとは思うけれど、こうしたテーマを扱うにしてはあまりにも軽々しい感じがする。このテーマを扱うならもう少し骨太な小説に仕上げてほしかったかな・・・と思う。(でも、実際殺人を子供が犯して捜査の手が伸びてきたら、早く警察に自白して楽になりたい・・・と思うのが一般市民なのかもしれないから、こういうのもありなのかな)

 決してつまらなくはない。軽く読める。すぐに読める。でも、このテーマはそんなに軽く読めてしまっていいものではないような気がする。その点がちょっとだけひっかかった。



2006年12月15日(金) 貴婦人Aの蘇生  小川洋子


小川洋子 朝日文庫 2005

STORY:
おじが死に、ロシアの血を引くおばと一緒に、剥製がたくさんある洋館で暮らすことになった私。剥製を求めてやって来た男がおばをロマノフ家の生き残りアナスタシア皇女だと言い出して・・・。

感想:
 本を借りた人から、「何か不思議な話」と言われ、読んでみて、やっぱり「なんか不思議な話」と思った。

 ただただおばとともに暮らした日々のことが綴られているだけなのだが、現れる登場人物が変わっている人ばかり。(もちろんおばも皇女アナスタシアなのかどうなのか、とても謎だらけの人物である)

 恋人のニコ、剥製を求めてやって来たはずがなぜかおばの虜になり、おばのマネージメントを務めるオハラとの日常が淡々と描かれ、風変わりなのに本当にこんな人がいるような気にさせられるから不思議である。

 これはどことなくこの間読んだ『ミーナの行進』に通じる感じがあるなぁと思う。文体なのか、「私」の視点が似ているからなのか・・・。

 とにかくなんだか読み続けてしまう不思議な魅力のある本であった。



2006年12月08日(金) 砂の女  安部公房


安部公房 新潮文庫 (1962)1981

STORY:
教師をしている男が砂丘に昆虫採集に出かけるが、部落の者に捉えられ、砂掻きの仕事をするだけの生活に追い込まれ・・・。

感想:
 この小説はとても薄い。だから、すぐに読めるかと思ったら、疲れていたのもあったのか、面白いのになぜか眠気に誘われ、読むのにすごく時間がかかった。でも、とても面白い。続きが気になる。

 この小説の初版は昭和37年に刊行されたらしい。昭和37年といえば、私が生まれる10年近く前の作品だ。今からだったら40年以上前の作品ということになる。

 しかし、この小説を読み終わると、40年もの時代が経っているとは到底思えず、今の世の中にも十分通じうる。時代を全く感じさせないというのは、閉鎖的な社会に追いやられたという話のせいもあるとは思うが、この作者のすごい才能のひとつなのではないかと思う。

 ある日、周囲に謎めかして砂丘に昆虫採集に出かけた男。新種の昆虫を見つけるのが目的だったのだが、部落の者にだまされ、砂の家に閉じ込められてしまう。そこには女が一人いて、2人は砂掻きに追われる毎日を送らねばならない。

 仕事をしなければ、水やその他の配給が途絶えるという壮絶な毎日。男は何とかして逃げ出そうと試みるが、今までにこの生活に追い込まれた者で部落から逃げ出せた者は一人もいないのであった。

 男があがく様子、そして、その環境に仕方なく順応していく様子、女との心の変化など・・・すごく手に取るようにわかり、面白い。

 でも、なぜか眠くなったわけだが・・・。

 でもでも、やっぱり面白い作品であることに間違いはない。



2006年12月03日(日) 目の玉日記  小林よしのり


小林よしのり 小学館 2006

 50代の若さで白内障にかかってしまった作者が、白内障と診断され、手術を決断し、回復するまでの経験を綴った本。

 白内障というのは、基本的には老人がかかる目の病気なのであるが、こんなに若くしてもかかるのか、というのがびっくり。

 どのようなことが目に悪いのか・・・というのを少し挙げてあるのだが、当てはまることが結構あって、自分もなるかも・・・とちょっとびびる。

 というか、自分自身も最近ドライアイなのか、コンタクトをつけているのが苦痛だし、朝起きれば目がジャリジャリ、コンタクトを入れればすぐに曇り、そのまま治らず、ゴロゴロしてきたり痛みが出てくる。乾燥した室内では症状が悪化・・・。時々灼熱感が・・・と、まずい感じがいっぱいなので、ちょっと他人事ではなかったりする。

 近視も乱視もあるし、今後は老眼とかも出てくるのかもしれず・・・。でも、目が見えなくなったら・・・と考えるとやっぱりちょっと怖い・・・。

 ただこのマンガを読むと、この状態になったら手術を考えるよな・・・とちょっと思うくらい症状が半端じゃないので、少し安心できたりして?

 白内障の手術の感じなんかはよく描けているから、受ける前に読むと参考になるかもしれないけど、かえって怖くなってやりたくなくなるかもしれない・・・。


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