本日の紡ぎごと...suiren

 

 

Rose - 2007年04月26日(木)

暗闇の中でひとり寝そべっている。
そのことに何の違和感も虚無感もない。

何時間そうしていたのだろう。
私は髪の毛をいじったり、古い思い出を掘り返したりしていた。
つらつらと言葉遊びをしたり、頭の中で何人も人を殺したり生き返らせたりしていた。
初めは酷かった耳鳴りすら、すっかり消えうせて私の世界の音は私だけが作り出せるようになった。

上を向いて遊んでいると、するすると花が降りてきた。
薔薇だ。薔薇が、何輪も何輪も絡まりあい、ロープのようになっている。
ぷわんと香りが鼻につく。
ほの暗い世界に白い薔薇が浮かび上がっている。
少し触れると指先に痛みを感じ、ひゅっと手を引っ込めた。
棘が鋭いなと思い、そしてなぜ私の世界の邪魔をするのかと問うた。
お前は誰だ?何をもって乱す。
既に芳しいというべき馨りは辺りに蔓延しており、
薔薇のつたは床に辿り着くと、くるくるとロープのように横たわっている。
きっとお前は私を助けたいのだろう。
この暗い場所を、まるで心の闇だとでも思っているのだろう。
だが其れは間違いだ。
此処が私の心の闇だなんて、くだらないもんじゃないよ。
此処は此処であって、最初からそう決まっていて、其れ以外の何でもないのさ。
私は好きでここに棲んでいる。
きっと上の方で笑っているのであろうな。あるいは泣いている。
どっちも同じだから、そこは関係ない。
お前にとっては泣くのも笑うのも同じことだ。
可哀想にと慈悲深いお前は云うだろう。
我を求めよ!と云うのだろう。
なあ、私は本当に虫唾が走るよ。
だって社会のシステムがお前のような存在を必要としているなんて、馬鹿馬鹿しいにも程があるじゃないか。

薔薇の香りで私の頭や体を清めているつもりか?
棘でもって私の冷血を流させるつもりか?
くだらない。
私はジュスティーヌの皮を被ったジュリエットだぞ。




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- 2007年04月20日(金)

裏切られるのが嫌だから信じないのか。
傷つくのが怖いから信じないのか。
私はそんな人間にはなりたくない。



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甘い指先 - 2007年04月18日(水)

彼女が僕の手に触れるとき、あの美しい指は優しく語り掛ける。
それはまるで何かの儀式のように丁寧に静かに行われる。
僕たちはお互いに言葉を知っているし、お互いに口を使うことも出来るけれど、
彼女はよく言葉を使わずに僕に語りかけるのだ。
最初はなんてもどかしいのだろう、ただ声を出して唇を動かしてくれれば簡単に解るのにと思ったものだ。
僕の人生の中で、彼女のような美しい人が僕の醜い部分に触れることなんて
本当はきっとあってはいけないことなんだ。
そっとなぞられる度に感じる甘く痺れるような痛み。
癖になりそうだ。
嗚呼、抱きしめられたらいいのに。


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いつも何かを追いかけていた - 2007年04月12日(木)



もうあれから10ヶ月もたつなんて、信じられない。
ふとした時にいつもあの頃の日々を思い出すから、それはまるで昨日のように。
ピンと張り詰めた空気や、苦しいと叫んでる笑顔や、悔しくてトイレで泣いた日や
どんなに落ちても助けてくれた人や、いつも見守ってくれた人たち。
今も昔も変わらず側にいてくれる友達。
決して楽しいだけの日々じゃなかった。誰もが自分と相手と向かいあって
そしてそれが出来ない人間はすぐに消えていった。
そこに同情はなくて、実力のない者は退場するしかないことは初めから分っていたことだ。
ずいぶんと時間はたつけれど、いまだに思うのはあの子だけは助けてあげたかった。
私が誰かを助けるなんて傲慢なんだけど、それでも何かの支えになってあげられていれば、
きっと今頃は隣で笑ってくれていたかもしれないんだ。
ねえ君、だからひとつだけ教えてくれないか。
どうしてあの子は誰の前からも消えたのかを。






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これが本当のキャンパスライフか? - 2007年04月09日(月)

大学生活を早くも満喫中。
時間割を組んだが、しかし大学生って暇だなあ。
前の学校とのギャップが大きすぎて、どうもこの時間割の空白が不安になる。
前の大学はとても忙しく、必修でほとんど時間割が埋まったし、
さらにその上に一般教養もとらなきゃいけないし、
毎日毎日課題課題課題の山でそれはもう死ぬほど忙しかった。
おまけに片道2時間かかったので、家につく頃にはもうへとへと。
毎晩睡魔との闘いだった…。(課題があるから眠れないのである)
それに比べてこの大学ときたら!なんて暇なのさ!
しかしこれ以上単位は取れないので、まあ皆こんなものなのであろう。
世の大学生が楽しそうに遊ぶのは、暇だからなのだとようやく分かった。
前と違って今は勉強したい学問なので、今から楽しみにしている授業がいくつもある。
まだサークルとか決めてないけど、たまには若者と語らい合うのも楽しそう。
私の人生、女運と年上運がかなり強い。そういう星の巡り合わせなのだ、きっと。




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unpolite person - 2007年04月01日(日)

浅はかなのだと私は思う。
カツカツと靴音を鳴らして、住み慣れた街を歩きながら。
知らない人間に会いすぎた、今日は。
心が疲弊しているのがよく分かる。
しかしこんなこと、昔なら日常茶飯事ではなかったか。
風は温く、今朝よりもずっと気温が上がっていた。
深夜の一時、道路にはげろや酔っ払いが散乱している。
疲れたとゆっくり唇を動かして、其れを実感するように声に出した。
どうせ誰の耳にも届きやしないんだ。何を言ったって、無駄なだけ。
打ちひしがれているんだと男は言った。
バーの隅に座っていた男。貫禄がある、威厳がある、一目でそれと分かる。
私はすぐにこの男が社会的に高い地位の人間なのだと判断した。
だけれど今夜はこの男ときたわけじゃない、別のやつだ。
隣に座っていたが、どうもこいつは駄目だ。
酒が入る前は普通だったのに、酒が入ると最低のくそ野郎になる。
大体、私は酒の席での無礼は許されるという考えが大嫌いで
むしろ逆なんじゃないのか?と思っている。
つまり、酒が入っているからこそ本音や本性が出るのだ。
だから無礼な態度をとる人間はもともと無礼な人間なのだろうし、
たとえ酒が入ってもスマートな人間はもともとそういう人間なのだ。
けれど生まれつき無礼な人間だったからといって、ちゃんと自分で
それを理解して無礼を働かないようにすればいいだけのこと。
この男は自分が酒が入ると無礼な人間に「戻る」と分かっているのに
それでも酒を飲み続ける。くだらないな。
なぜこの私がこのような低俗な人間と時間を共にしなければないらないのだ?
私の本音はこうであったが、零度の微笑みでお店に迷惑をかけないようにする。
隣の男はすっかり迷惑なので、もはや私の甲斐甲斐しい努力も無駄かもしれないけど。
だって人間の本質を分かってないなんて、私に向かって偉そうにいうんだぜ?
あなた、この私を誰だと思って口をきいてるんだと言いたくもなるじゃないか。
年齢で判断するのは日本人の悪い癖だと思うよ。
そんな生意気なことを言われてしまったら(相手から見れば私が生意気なんだろうけど)
ふーん、お手並み拝見させていただこうじゃないの!と思うだろうが。
人選ミスだったよ、本当に最悪。
しかしこの男は自分の身をもって人間の本質を見せたから、本題からそれてはいない。
本人はまったく話の通じない酔っ払いと化しているので、欠片も本題など覚えてない。
私がちょっといった一言に怒鳴り散らすのだから、もう手に負えない。
さっさと帰るべきだったんだ。
それでも帰らなかったのは、隅に座った男こそ正に分かっているなと思ったから。
この隣の男とは比べ物にならない、世の酸いも甘いも知っている人だ。
この人と飲めたら、今夜はもう少しマシな夜になっただろうに。
だけど私は一応隣のクソ男の連れなのだ。
そして私たちはただ本当に話をするだけということで合意しているのに、
酔っ払いの思考ではセックスしたいとかいう方向へ行くみたいだ。
それを聞いた瞬間、もう零度がマイナスになったくらい冷めたね。
と同時に私は自分の浅はかさを知ったよ。
結局のところ、男と女にはそういう事柄が絶対的に纏わりついてくるんだ。
これまで男も女もあまり関係なしに「ヒト」として人間を見てきた節のある私にはこれはとても新しい発見だった。
嫌な気持ちになってこそ、学ぶこともあるのだな。
ただ矢張り、低俗という感は否めないが。
嗚呼、私は早く俗世と関係を切るべきなのかもしれない。
あるいはもっともっと距離を置くべきなのかもしれない。
タクシーをじっと待つ。
桜の花が何処からかひらひらと飛んできた。
私は今、打ちひしがれている。
そして疲れている。
退廃している。



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