○プラシーヴォ○
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2006年08月08日(火) 行方不明

会社の飲み会で、
飲んで飲んで飲み倒して



久しぶりに、頭の奥がジンとして
記憶を失いそうな予感がするほど飲んだ


豪快にこけて
膝をすりむいて両膝から血を出した




意識が朦朧とする中、




『がちゃさんは、大丈夫そうやな。
しっかり立って歩いてるし。
俺、ちいちゃんを送って帰るよ』







私と山さんは同じ電車で同じ方向で
今日も、もしかしたら一緒に帰れるかもと
少し期待していたんだけど
その言葉で、危うく泣きそうになった




私、送ってもらわなくて大丈夫です!



おぼつかない足どりで
真っ赤な顔をして、
山さんが片思いしている小さくて可愛いちいちゃんが
必死に大丈夫さを装う




『大丈夫ちゃうやろ、そんな
赤い顔して』





山さんがちいちゃんの荷物を持ってあげながら
気遣う




私も充分、その場でしゃがみこみたいほど
フラフラだったけど
ここで倒れるわけにはいかないと
必死にヒールの足をしっかり交互に出して歩く


こけて、じんじん痛む膝も
ちいちゃんの赤いほっぺには勝てなかった







『がちゃ子さんは、大丈夫?』




遅ればせながら聞いてくれた山さんに


大丈夫ですよ

とニッコリ答える




早い時間から始まった飲み会だったから
まだ21時くらい




私の最寄駅までは送ってくれるみたいで

でもそれを振り切って、逃げ出したい気持だった



山さんとちいちゃんと
他数名の後をてくてく歩きながら


突然、
ビルとビルの隙間に逃げ込んで
行方不明になって
ちいちゃんの何千分の一かでも
心配してもらいたかった





消えてしまいたい



ちいちゃんと一緒に歩いていく山さんの背中を
見てられない



でも、思考回路をやられた私は
気がつけば最寄り駅で
山さんに
ジュースをおごってもらっていた





早く、山さんをちいちゃんと二人きりにさせてあげようと
冷たいジュースを一気に飲んで




『ありがとうございました』




と深々とおじぎをして
さっさと電車に乗った







そして、まだ会社帰りの人達もちらほらいるような
車内で、
泣けて泣けてしかたなかった




私は何をやっているんだろう












がちゃ子 |偽写bbs

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