○プラシーヴォ○
目次←どうして?それから?→


2002年01月31日(木) 怒られ侍

私は長女である

そして4つ離れた弟がいる


これまた本当に典型的なパターンで

やんちゃで怒られまくる愛嬌のある弟

そこそこ成績がよくて
ソツの無い姉


という人生を歩いてきた


そんな私だから

『怒られる』

という行為がとてもとても苦手


怒られないように
自分を押し殺して生きてきたから


すいすいと世の中をうまく渡ってきたから


怒った相手が想像するよりも
100万倍くらいのダメージを受ける


ハム男は怒らない


私が傷つく言葉を言わない

世の中には

彼氏に

「ウザい」
「あっち行け」
「邪魔」

冗談としても
こんな言葉をかけられても

聞き流せる女性もいる


…羨ましい


私だったら多分
その時点で
心が離れてしまう


怖くて怖くて
一緒にいられないと思う


ハム男は
妊娠した時も

「結婚しよう」

と言ってくれた


だから私はこうして
生きていられる


私の体に馴染みすぎて

当たり前だと思っていたハム男の優しさを

再確認する


2002年01月29日(火) 脂肪を脱いで

2年前
ハム男と出会ったコンパ

そこにいたK君
※ハム男の友人
 ハム男より一つ年上
 去年できちゃった結婚をした


私はK君が大好きだった

K君にそっくりな
ポ○ノグラフィティというアーティストの
コンサートに行って、涙した夜もあった


ハム男と最初付き合いだした時
心の隅で

「ハム男と一緒にいれば
 いつかK君と会える機会があるかもしれない」

と小汚いことを考えていたというのも
事実だ


ようやく逢える時が来た


ハム男と付き合いだした頃
サッカーの応援に行ってちらっと遠くから見たことは
あったが
(なんと主将なのだ、K君)


なんと
奥さん、聞いてくださいな

今回は…

一緒に旅行が出来るのだ〜 ぶひぶひ


私達カップルと
K君夫妻(with ベイビー)
あと2組くらいハム男の友人夫妻が来るらしい


しばらく休業していた
『フェロモン製造工場』(おそらく首の辺りにある)
が、始動しだした


3月に行く予定らしいので
それまでに目指せマイナス5キログラム


昨晩、会社の帰りにステッパーも買った
部屋の中で足踏み運動をするアレである


「あれ、この子
 こんなに可愛かったけ?」

と思ってもらえればこれ幸い


「可愛いだろう?」

とハム男のお鼻がグングン伸びるように
頑張るからね

エイエイオー


2002年01月28日(月) ホルモンバカスカ物語

付き合いだした頃

ハム男の家に置いておこうと
コンビニでファンデーションを買った


安物のくせに
すんごく肌になじんで
肌がつやつやに光るシロモノだった


こりゃいいわい、と
同じ物を買って
自分の家でも使うようになったのだけれど


…おかしい

別に普通の使い心地…
というか

むしろダメかも??


ずっとそれが不思議だった


そして
最近
フト思った


ハム男の家でファンデーションを塗って
調子が良かったのは


きっと、

ハム男に逢えて嬉しくて
ハム男に抱かれて幸せで
ハム男とキスをして満たされて

ホルモンがバカスカ製造されて

だから肌自体が綺麗になっているんだ


信じられない


もうあんまり胸がドキドキしたり
緊張したり

そういうことが少なくなって

感情の起伏がなだらかになったと
思ってたけど


私の気づかない細胞単位で

ハム男に逢えて嬉しがってるんだね



炭酸がはじける時みたいに
プチプチいって
喜んでいるんだね


2002年01月26日(土) おウチへ帰ろう

「本日は本当にありがとうございました〜」

最後の俳優が舞台からはけて
客電がついた


私は慌てて立ち上がり、コートを着る

が、他の誰1人立ち上がる人はいなかった

…鳴りやまない手拍子
2度目のカーテンコールを要求しているのだ

そんなにいい舞台では無かったし
カーテンコールを何度も要求するのは
粋じゃない気がして、つい舌打ちをしてしまう


隣に座っていた友達に

「ごめん、先に出るね」

と謝り、

再び出てきた俳優達を尻目に
まだ無人のロビーを横切る


劇場を出ると
携帯をかけようとしているハム男を発見


「…遅いよ!
 俺、パチンコで四千円も負けちゃったよ」

20時30分ころには芝居が終わると
ハム男に言っていたのだが

思いのほか長引いて、結局21時30分に私が飛び出てきたのだ


久しぶりのハム男

手を繋ぐのも変な感じ

少しの時間しか逢えないから
お互いがお互いの気持ちを引っ張り合おうとして
とても心地いい


劇場のそばでお好み焼きを食べて
滑り込みセーフで閉店間際のビデオ屋へ


キスをして
ビデオを見て

久しぶりに体を重ねる


眠りに落ちる間際に

「がちゃ子、明日遊びに行くんやろ?」

「うん、ハム男はゆっくり寝とかなあかんで
 疲れてんねんから」

「…また、ここに帰ってきてな」


…!


嬉しすぎて
ブルブルっと体が震えた


この人が大事です
とてもとても大事です


2002年01月25日(金) 爆弾投下

仕事が終わってから
ハム男の家へ行こうと思った

もうこれはどうにも止められないこと

でも一応ハム男にお伺いを立てた

『今夜、家へ行ってもいいですか?』


お昼ご飯を食べている最中に
電話が鳴った


ピーピーッとバックするときの音
車の中かな?

「今日、たぶん夜中まで仕事することになると思う
 一緒に仕事している職人さん達が
 泊まりにくるかもしれないんだ
 だから…ごめんな」

反論の余地なし
おーけぇーべいべー、アンダースタンド


「ほら、がちゃ子、明日土曜日だろ?
 多分、夕方くらいに仕事終わるから
 家に迎えに行ってやるよ!」


だめなの、アタシ、アシタ、
夕方からお芝居を見に行く予定だから


「…え、じゃあ、お芝居が終わった後に
 迎えに行ってあげるよ」

いいのいいの。
日曜日は朝からyouちゃんと待ち合わせしてるから
自分の家に帰った方がいいの

「そんなこと言うなよ!
 待ち合わせ場所まで送ってやるから
 だから、土曜日の夜は俺の家に来い!」


びっくらこいた

ハム男がこんなに食いついてくるなんて
初めてのことかも


『寂しいです』効果?

効きすぎじゃないっすか?



そういえば、何かの占いで

『あなたは普段、
 思っていることをなかなか口にしない分
 一度発言すると
 それはとてもとても皆に重宝がられます
 おしゃべりな人の発言が機関銃だとすると
 あなたの発言は核爆弾です』

って書いてあった



ハム男に直撃しちゃった?



とりあえず、淋しいことには変わりなく

もう、ごまかせない段階に来てる



逢いたいよー
淋しいよー
好きだよー
ホントだよー
からっぽになっちゃったよー
情けないよー
でもやっぱり好きだよー

うわーん


2002年01月24日(木) バチってさあ

後悔した!


小泉首相風に言うとこんな感じかな


『淋しいです』
って、彼氏に対して言うなんて


ゴルゴ31が自分のこと
『ボクちんがゴルゴでちゅ』
って言うくらい


ありえねー!

と、会社で昨晩送ったメールを
激しく悔やんでいると、

電話が鳴った

ハム男からだ!!ジャジャン!


無視
無視
無視ですわ

だって、だって、
恥ずかしくて
何話していいのか分かんにゃいでごわす!


恥ずかしいって…

お前何歳だよ!
※26歳後半です

付き合って何年だよ!
※もうすぐ丸2年です


今さらジロ〜♪



そして、夜になり

再びハム男から電話

キャッチホンだったので
誰からかかってきたのか分からず
とってしまった

「昼電話したのにぃ〜」

「あ…あ、うん、あの、
 携帯…家に忘れてって…その…」

ハム男からかかってきて
コールバックしなかったのは
一度だけすごく喧嘩した時だったから

「俺、またなんかしてしもたかと
 悩みあぐねとってんけど…大丈夫?」

まさか、携帯を見ながら
イヤンイヤンと身をよじってましたとは
言えない

それからしばらく、
ハム男の愚痴が続いた


とてつもなく仕事が忙しくて
この一週間、ずっと夜中の1時、2時帰宅らしい


最後に

「がちゃ子、日曜日遊ぼうな」

「?日曜日サッカーの練習でしょ?
 私、そう思ってyouちゃんと遊ぶ約束
 しちゃったよ」

「そっか…いや、サッカーは休むよ
 がちゃ子をこれ以上放って置いたら
 バチが当たる」


狛犬の掃除じゃないんだから
放って置いてくれても大丈夫

ちょっとね

淋しかっただけだよ

普段、そんなこと言わない私が
弱音を吐いたから

びっくりしたんでしょう?


『まるで中学生の恋人同士のように
 ぴったりと一緒にいないと
 一緒とは思えない
 
 離れていても心は一つだなんて
 今の私には無理』


2002年01月23日(水) 忘れてケロ

壁のカレンダーを見て数を数える


前回ハム男に逢ってから
まだ10日しかたっていないのに
今すぐ飛んで行きたい衝動にかられる

パワーが不足です
チュウしたいです


忙しいのか
なんなのか
昨日も今日もハム男から電話は無い



寝る前に、メールを打った


『お仕事ご苦労様。
 淋しいです。
 おやすみなさい。』


え?


サミシイデス?


い…嫌だ!
私ったらなんちゅうことを!!
オラ、恥ずかすぃ〜!!!


無意識に打った文章に自分でおったまげながら
勢いで送信してしまう


ああ…

ハム男びっくりしてるだろうな


こんなこと言ったことも
書いたこともなかったから…


でも、世間にうじょうじょりん、といるカップルの間では
これくらいのメールのやりとりは普通なのでしょうね


天よりも高いプライドが標準装備されている私にとっては

24時間テレビの黄色いシャツを着て
友達の披露宴に出席するぐらい
パワーを使ってしまったのだけれど…


ああ、恥ずかしい
穴があったら
入って上から土をかけて花を植えて
私を見えなくしてほしい!



いつになく
動揺している
がちゃ子なのでした


2002年01月22日(火) 私の事が見えてますか

街を歩いていたり

友達と会話していたり

お芝居を見ていたり



特に大勢の人の中にいる時に
感じるのことだけれども

急に
自分の立っている地面が
他の人のそれとは全く違うもののように思える


スタート地点も
ゴール地点も
これから歩いて行く道も


他の人とは
微妙に離れている場所に浮いているような
決して交わることのないような…

そういう気になる


『中絶シタヒト』

とかいう看板が立っている地域に住んでいて
肌の色も、血の色も違ってて
言語も本当はあんまり通じてないんじゃないかとか

怖くなる


根本から違ってしまったように感じる


そんな想いが頭を巡ったとしても
パニックになったりはしないけれど

心がスウスウするような
少し寂しい気持ちにはなる


でもこれは時間のおかげ


昔、頭を鷲掴みにされたような
辛い気持ちになって
抜け出せない時もあったけど


なんだかんだ言って
時間は大事だ



ほんとうに
嫌味とかじゃなく
ありがたいと想う


落ち着いてきたと
自覚している


2002年01月21日(月) 愛しの名無しのゴンベ様

一緒にコンパに行ったyouちゃんに

「あの、目がくりくりしてた
 一番男前の子、名前なんだっけ」

って尋ねたら


「それがさあ、
 あのコンパって、19時から午前3時まで一緒にいたやん?
 それなのに、誰1人名前覚えてないんだ」


えー
ダイジョブデスカー?

あたしでさえ、4人中2人は覚えてるのに
(下の名前だけ。漢字不明)


この調子だとあっちもこっちの名前なんて
覚えてないだろうなあ

フガフガ
(くやしがる鼻息)



ほっそりしたあの子が

どんどん美化されて

無敵の理想像になってしまいそうで怖い




「ハム男より、断然あっちの方がいい」

だなんて、そんなの当たり前のこと

実在の人に
逢えない分だけ私の幻想を
ばしゃばしゃ振りかけてるんだもの


そんなのね、知ってるのよ

だてに26年生きてないもの

地に足だってつきまくってるもの


でも
今確かに感じるのは

10年分くらいの経験が
ごそっと抜け落ちてしまったような
この感覚


馬鹿みたいに
王子様を想ってる


どっしり現実を踏んでたはずの片足が
ぷわっと浮いてる感覚


いい歳こいて
一目惚れの錯覚ですか?


2月までハム男に逢えないのに
こんな調子でいいのだろうか


2002年01月20日(日) 天秤

気持ち悪い…

さすがに昨晩飲み過ぎたようだわ
男前を見て興奮しすぎたのかしら



今日、youちゃんとお風呂屋さん
(小さいながらもジムの設備もついている)
に行って、ダイエットする約束だったんだけど


無理…
無理だわ



というわけで
ハム男に電話


出ない


朝からかけ続け、繋がったのは
17時


もう途方に暮れて暮れて、げっそりしたころに
受話器の向こうから声がした

「あれ…youちゃんと遊ぶんじゃなかったの?
 俺、今起きたんだよ…」


とりあえずそれだけ聞こえたが
電波状態の悪いハム男は声がとぎれる


何言ってるか、分からない


私の携帯を切り、そのまま電源も切ってしまう

ちゃんと音が鳴るようにしとけよ
バイブにしてるから
起きれないんでしょ


ちくしょーーー!


もう一度電源を入れ、
メールを打つ

「ハム男、嫌い」

逢いたい、
逢いたい

あのアーモンド型の目をした
男の子に逢いたい
(名前を忘れた)

柔らかそうな笑顔に触りたい

とりあえず私を絶望させない人と会いたい



ハム男が霞む
ハム男が歪む


2002年01月19日(土) ごうこん

男性4人、女性4人でコンパをした

皆、今風のナウな感じだったので

「だめだ、怖いよ〜話できないよ〜」

っていう感じだったんだけれども

話をしてみると
気さくで与作ないい人達だった



その中でも一番の男前が
忘れられない


いしだ壱成くんのような
アーモンド型の大きな目をした
ほっそりした男の子(同じ歳だけど)


「おいしそうにお酒を飲むね」
「門限とかは大丈夫なの?
 まだ一緒にいてくれるの?」

人の顔を覗き込むようにして話かけてきて

それはまるで
小さい子供が精一杯手を伸ばすような
無視できない雰囲気


店を出てすぐにタクシーを捕まえたので
電話番号もメールアドレスも聞かないまま
終わってしまった


また会いたいと

思った


2002年01月18日(金) 半か丁か

いったいどれだけぶりだろう
この響き…



合同コンパ
(これが正式名称?)



ハム男と出会ったきっかけもそうだった

ハム男と出会ってからも2、3回行った


でも、どの男性も
なんというかフィルターがかかったように見えて
現実味をおびていなかった

何度も電話を見て
ハム男の声が聞きたいと思った


「やっぱりハム男が一番イイ」

と確認するための材料になっただけだった



それが、明日開催される

正月にハム男への不満をブンスカブンスカと
吐いていた私を不憫に思い、
youちゃんがセッティングしてくれたのだ


「あー、なんだかんだ言っても
 やっぱりハム男しかいないわね」

って再確認できればいいな。


ハム男以上に運命の人に出会えたら
もっともっといいな


2002年01月17日(木) いることいないこと

1/17 いることいないこと
『私が語り継いでいかなくては
 あの子の存在を皆が忘れ去ってしまう』


7年前の今日、阪神淡路大震災がおこった

その時に1歳の子供を失ったお母さんが
言った言葉

その子のホームページを作って
震災への思いや、遺族達の悲しい声を風化させないように
努力なさっている



例えば、私がここにいても
世界中全員が私を無視すれば
私はいないのと同じ


私の行動で誰かが喜んだり、悲しんだりすることで
私は存在しているんだと
確認できる


だから、あなたは確実に存在していたのよ
6週間だけだったけど、私の中にいた


その証拠に
私はあなたのせいで突然悲しくなったり
こんな風に日記を書き始めたり
避妊の重要性を認識したり

すごく変化した


いいことばかりではないけれど
私の身に起きる変化


それはあなたの存在の証


一番悲しいのは忘れられること


それだけは無いよ
それだけはしない


2002年01月11日(金) 独り言

子供を見ると動揺する



それは、見られた子供からしたら
決していいことでは無い

微妙にひきつった笑顔や
直視できずにそらした目から
いったい子供は何を感じ取るだろう


その子や、その子の両親は悪くない


悪いのは心に罪悪感の固まりを残したままの私


世の中には、癌に犯されたり
一方的な交通事故に巻き込まれたりして
命を失う人や、命の終わりを間近に感じている人だって
大勢居る


それを『不幸』と呼ぶのなら
その不幸はその人たちのせいじゃない
だとしたら何のせいのかは分からないけれど…



心の隅々まで完璧に悟りきったわけでもないだろうけど

それでもその人達は自分のせいじゃない不幸を
カラリと笑い飛ばして生きている

笑い飛ばせずに、自ら余命を放棄する人もいるけれど


少なくとも私の『不幸』は私のせいだ



私の意思で
私が選んだ結果だ


それを踏まえて

残りの人生を逞しく生き抜くことや
今、存在する周囲の人達を大事にすることに
パワーをついやすならまだしも


失った子供の影に怯えて勝手に鬱になったり
できちゃった結婚をする友人を
心から祝福できなかったり


周囲に迷惑をかけている
私の不幸に気づいて欲しくて
寂しげな顔をしてみたりしている
しかも無意識だから
たちが悪い


私はいったい、いつまで
不幸を体から滲ませて生きていくのだろうか


ぶるぶるんと体を犬のように振って
はじき飛ばしてしまいたい


『子供を堕ろした事実は変わらない
 もうすでに、それは体にも心にも
 くっきりと残っているのだから
 
 さらに自ら進んで悲劇に身を投じるなんて
 無駄な力を使わない方がいい
 
 不幸が永遠に染みついたまんまだなんて
 考えたくもないでしょう?

 それでいったい、何が前進して
 誰が幸福になれるというのかしら』


2002年01月08日(火) 国家権力

「あの、こちらミナト警察署ですけど」




はあ?




21時頃に帰ってきた私は、味噌汁を温め、
ママンが作ってくれていた夕食を食べようと
お腹をグウグウならしていた

その時、電話が鳴り、受話器を上げると開口一番
警察屋さんが名乗りを上げた


「おたくの、お父さん名義の車がねえ〜
 中央大通りに止まったまんまなのよ
 タイヤ4つとも無いまんまでね〜」


ええええええええ?


トラックの運転手で、お酒を一ミリでも飲んだら
車のドアにも触らない真面目一徹のパパンの車が
そんなことにいいい?


よくよく聞くと、それはパパン名義で買った弟の車だった

フリーターで今いち落ち着きのない弟は
これまでも何回も事故を起こしていて
確か数日前の路上駐車で免停になってるはず

まさかその車を放置してるのか?
っていうか、味噌汁が沸騰しちゃって大変だわさ


私が思いをいろいろ巡らせている間にも
一瞬たりとも休まずにオッサン(警察)は、まくし立てる


市民から苦情が出てる
タイヤが無いからレッカーもできない
道路のど真ん中のゼブラゾーンに止まっている
非常識にもほどがある



そうね、そうねその通りだけど


弟に直接言って欲しいわけよ
あたしゃ


味噌汁がいよいよ変な音を立て始めたので
一度電話を離れて火を止める


「じゃあ、その旨、弟に伝えますので」


するとオッサンは
数日後にまだその車が放置してあった場合、
お姉さん(私)にもう一度連絡がしたいので
会社の電話番号か携帯を教えろ

と言い出した


ダカラ、ワタシハ カンケイナイッツーノ


「それは無理です」

「じゃあ、お姉さんが弟さんにちゃんと話を伝えたって
 俺はどうやって確認とればいいんだよ!」

ぷちん


「この、自宅の番号にかけてくだされば
 いいと思うんですけど?」


「だって、今日だって何度も掛けたけど
 留守だったわけよ
 やっと、こんな時間になってつながったでしょ」

そりゃ家族全員働いてりゃ当たり前だっつーの
あたしたちの税金でオマンマ食ってんなら
指から血が出るくらい何度もダイヤルしろ こんちくしょう
(弟が違反を犯してることが前提なのは 
 この時点で私の頭から吹っ飛んでいた)


この後延々
似たような会話を繰り返す

担当者が毎日コロコロ変わるので
早く解決してくれないと
資料がどこかへ行ってしまうんや〜

と泣きつくオッサン
どんな警察やねん!
パソコンにデータ保存もできへんのかい



ミナト警察署だというのに
何故かナンバーディスプレイには
私の住んでいる所(神戸)の市外局番が出ていたんだけど

っていうかどうしてこのオッサンは
私や弟や家族全員の携帯の番号や
生年月日や働いている場所を何度も聞こうとするのかしら


「いや、もうだから
 弟に伝えますとしか言いようがないんスけどね」


と、もう精も根も尽き果てた私は
最後の力を振り絞ってオッサンに言い切った


「そうやね、ほな、お願いするわ」


カチャン
電話はあっけなく切れた


だったら私の番号を教えろだの
家族の会社の電話番号を教えろだの言わずに
最初からそうやって納得してくれよおおおおーーーー!!!


はああ、胃が痛い


2002年01月06日(日) 病床

風邪をひいたみたいで、とてもしんどい
だから今日は遊べない ごめんね


休日の午前中に起きたためしがないネボスケハム男が
午前10時に電話をかけてきた

その時点で嫌な予感はしたんだけれども…
案の定、熱っぽい湿った声が受話器から聞こえてきた



「寝てりゃ治るよ」

冷たく言い放ち、電話を切った私

しかし、数十分後には身支度を整えて
ハム男の家に向かって出発していた


冷えピタシートや、リンゴや、スポーツドリンク

病人に必要な物を思いつくままにカゴに入れ、
両手一杯の荷物になる


合い鍵を使って部屋に入る
まず思ったのが

「阿片窟?!」

見たことの無いフカフカのムートン毛布の上で
うつろな目をしたハム男が横たわっている

そして何故か部屋に充満している甘い匂い
(その毛布が匂うらしい)


「どおなの?調子は?」


ハム男は返事をせず、
相変わらず半分開いた目で私を見る
ヒューヒューと喉が鳴っている

こりゃひどい
と思った私はとりあえず動き回ることにした


病気で寝ている時に、お母さんが家事をこなす音を聞くと
安心して眠りにつけるのは私だけ?


洗濯をして、部屋の中に干して湿度を上げる
熱いタオルで顔と手を拭く
掃除をしてホコリをなるべく減らす

ふと見ると、さっきまで唸っていたハム男は
クウクウと苦しそうながらも寝息をたて始めた

ひととおり世話をしたら家に帰ろうかと思ったが
ハム男がガッチリと私を抱きしめて離さないので
(珍しい。さすが弱ってるだけあるわね)
今夜はこのまま泊まることにした



13時ころに到着した時は
喉が痛くて水一滴も飲み込めないような
半死半生だったくせに


夜の20時頃にもなると

「いや〜、やっぱこれは切った方がいいよね」

と自分の乳毛と腹毛をハサミでカットして
鏡の前で、裸でナルシストダンスできるくらい
元気になりやがった


弱々しい声で
半分寝ながら私の名前を呼んでくれてた時は
可愛いと思ったのにな

バカタリ


2002年01月01日(火) チラリズム

新年早々
雨の京都

女三人で初詣


お賽銭として投げた五円や十円を
遙かに上回るお願い事をする

手を合わせて目をつむったまま
三人とも微動だにしない

祈りすぎだっつーの


買い物をしたり、
お神籤をひいたりしている間も
何の脈絡もなく

「ハム男に会いたい」

と口をついて出そうになって困る


目の前に友達がちゃんといるのに
脳の殆どがハム男へ向いている

あえて意識をしないと
二人の会話が聞き取れない


人いきれですっかりくたびれたので
なんとか席を確保した喫茶店で暖をとる


大きなカフェオレボウルで両手を暖めながら
つい

「もー、最近さ、
 ハム男のことで泣きっぱなしだよ
 いっそ別れた方が、逞しく生きていけるのかねえ」

と、言ってしまった


驚く二人

私は人の相談を聞くことはあっても
自分から弱音を吐いたり
選択を他人に相談したりすることは無い

皆無、と言ってもいいほどに


そんな私がそんなことを言ったもんだから

「ハ…ハム男くんはいったい
 あんたに何をしたのだ!」
とyouちゃんが怒り、

「まあ、2年も付き合ってればいろいろあるよね…
 がちゃ子にしたら最長期間だもんね
 もうちょっと様子見てみようよ」
とトモが慌てふためき、諭す


両脇からやんややんやと声が飛び交い
なんだか笑ってしまう


初めて弱音を人に吐いた


聞いてくれてありがとう


少し、ガスが抜けた気がしますよ


がちゃ子 |偽写bbs

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