○プラシーヴォ○
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2000年01月18日(火) 動揺

毎日、ハム男から電話がかかってくるようになった。
最初は、
「たかがコンパで知り合っただけなのに
ちゃんと連絡くれて友達になってくれるなんて
義理固いなあ〜」
と、すっとこどっこいな考えをしていた。

それが、ぐるりと私を恋愛モードへといざなった
ハム男の台詞。

ハ「また、御飯食べに行ったりしような〜」
私「うん、そうやね〜。でも、私友達少ないから
 また、あのコンパのメンツになるよ。
 まあ、頑張って集めるけどさ!可愛い子!」
ハ「ううん、いいねん。がちゃ子がいれば、それでいいねん。」

私「は?・・・あ・・・そ・・・そそそそそそおなの?(動揺)
 じゃ、じゃあ近いうちに遊びにでもいこう!」

私は、その時、
ハム男の顔をはっきり覚えていなかった・・・。

すまん。

それに、私はそのコンパに来ていた
ハム男の友達に片思いをしてしまっていたのだ・・・。


2000年01月17日(月) 先手、ハム男

仕事がら、
見知らぬ電話番号が、かかってくるのは慣れていた。

今回も、少しためらいつつ携帯をとる。

「あ、こんばんは。ハム男です!」
「…どおも〜、こんばんは〜」


・・・誰?

思わず返事しちゃったけど誰?

「ハム男です。
 この間は、どおも。ちゃんと家に帰れた?」


…ああ、そういえばそんな人いたなあ。
(当時の)藤原竜也くんみたいな
フワフワの髪型で…
う〜ん、名前が思い出せない

「Mちゃんに、がちゃ子ちゃんの電話番号聞いたんだ」

いつのまにMちゃん番号交換してたんや?
そして何故私に電話が?

もうすぐ会社に電話がかかってくる用事があったので
事務所の外へ出るわけにもいかず、
ポットやコップがおいてある水屋に隠れるようにして話していた。

事務所の人がニヤニヤと私を見る。

「今、仕事中なんで…
 すんません」

と、あっさりと電話を切った
ああ、びっくり

その後すぐ、Mちゃんから電話が・・・
「ごめん。さっきハム男くんから電話があって・・・
がちゃ子の電話番号教えちゃって・・・」

「ああ!かかってきたよ。気にしないで」

「・・・デートとかするの?誘われたの?」

あれ?
あれれ?

短大以来、Mちゃんと4年の付き合いになる私にはわかった。
この話し方。
この言いたい事を我慢するような話し方は・・・

Mちゃんはハム男が好きなんだ!

「う・・・ううん!世間話!全然普通の話!
あの調子だともう2度とかかってこないね!」

「・・・そう」
ほらほらほらほらほら!
このホッとした声!
そっかあ、Mちゃんたら・・・。


2000年01月15日(土) 出会えた

「ここだよ〜!」

横断報道の向こうがわで、友達が手を振っている。
青になると同時に、私はダッシュで駆け寄る。

「ご・・・ごめんね。このあたり、全然来たこと無くて
お店の場所・・・分からなくて・・・仕事も伸びちゃってて・・・」

息も絶え絶えに言う私を見て友達は笑いながら言った

「いいのいいの!男性陣も、今来たばっかり!
がちゃ子ちゃんくらいの時間でよかったわ」

人ゴミの中を私を先導して歩いてくれる友達。
ホッペが真っ赤になって、鼻もすすっている。

この寒いのに、携帯の電波が届くように外にでて、
方向音痴の私を電話で誘導してくれていた。


居酒屋の個室に入る。

男性4名と女性2名の視線が一斉にこっちを向いた。
コートを脱ぎながら、慌てて自己紹介する。

「遅れてすいません。
え〜と、がちゃ子といいます。普通のOLやってます」

友達が、大きな声で笑い飛ばす。
「嘘ですよ!この子、ADなんです〜!」

あ!余計なことを!

「そうなの?テレビ局で働いてるの?」
「芸能人と会ったことある?」

「いや…小さな制作会社で…テレビ局には
出入りしてないんですよ」
「演歌歌手の方達ならよくお見かけしますねえ…」

毎度聞かれる質問を、
これまた判を押したように毎度同じ答えで返す。

それより、部屋に入った時から気になっていた

私の右となりにいる、ポルノグラフィティの
ボーカルにそっくりの人!

むき〜っ!かっちょええ〜!

楽しい時間は矢のごとく過ぎ…

終電に間に合うようにダッシュする私達。
2次会への希望をムンムンに表す男性陣を残して、
私達は地下鉄の駅へと消えていった。

「う〜ん、今イチだったねえ」
「そお?私、Kくんがいい!」
「ああ〜、がちゃ子が好きそうだねえ」

電話番号を交換していなかったが、

「じゃあ、がちゃ子のために
近々第2回コンパを開催しようね」
と友達が言ってくれた。


2000年01月14日(金) ご挨拶

がちゃ子といいます。

1975年生まれの女子です

今の彼(ハム男)は28歳

付き合って、4ヶ月目で私は妊娠しました

普段、コンドームで避妊していたのですが
時々、『安全日』だと自分で勝手に決めつけた日には
避妊をしない時もありました

今思えば、妊娠して当然です


経済的理由

夢を叶えるために出産や育児で
時間をとめる訳にはいかない

ハム男と付き合ったばかりで
まだ恋人でいたい(母性より女性が勝った)


…などなど理由はいろいろ思いつきますが
その時はただただ、

『産みたくない 堕ろすしかない』
としか思えませんでした
それは強烈に

そして、ハム男と私は
親になることを選択しませんでした


中絶した恋人同士は
いろんなわだかまりをどう処理するのか

ずっと恋人でいられるのか

別れるとしたら、やはり中絶が原因なのか?

そして、中絶した女はどういう風に心が回復し、
時にはパニックになるのか?



そんなことを
ずっとずっと後になって
読み返せるように
私は日記をつけようと思いました


中絶の事を詳しく知りたい方には
あまり役に立つ情報を提供できないかもしれません

データ性が無い日記ですので
ご了承ください


がちゃ子 |偽写bbs

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