短編小説部屋...まどう ゆう

 

 

アイのコトバ。(振り/ハナタジ) - 2011年05月10日(火)

田島がピッチャーならカーブとか変化球を投げる事がない、ストレート勝負の豪速球投手。

それが時には大暴投になったりして、結局オレはいつも打ち返せないでいるんだ。


「花井、好き!」

田島の言葉にはいつも裏とかなく、素直に思った事や感じた瞬間に口にしているのだろう。

好意をまっすぐに伝えられても、同じ様に返す事は出来なくて…

「そうかよ」

と言い返すのが精一杯だった。


それでも田島は何度でもオレに想いを伝えてくる。

「花井、大好きだよ」

「…知ってる」

ぶっきらぼうに言い返したつもりだったのだが、田島はなぜか嬉しそうに笑った。

「なんだよ」

「花井ってツンデレだよね」

くふふと田島はふくれっ面になったオレを置き去りに何だかとても楽しそうだ。

「目は口程に物を言うだっけ?そんな感じ」

田島にしては難しい事を言い出したが、いつも自分は顔を赤くして照れていたりと実に分かりやすかったらしい。

「だけど、たまには花井にもちゃんと口にして欲しいかな?」

そうじゃないとツンツンになっちゃうよ〜と田島に笑われて少し考える。


もしかしたら田島はオレを打ち取りたいのではなくって、打ち返して欲しいと思っていたんじゃないだろうか?


「…オレも好きだよ」

ぼそりと呟くみたいに言った言葉はしっかりと田島に届いた様で、ぱあっと満面の笑顔になった。

「オレも、好きー!!」

思いっきり抱きつかれて、そして自分の方からも抱き締める。


たまにはちゃんと言葉で伝えないといけないんだなと思ったと後に田島に言うと、やっぱり花井はツンデレだと笑われた。

ツンデレよりもオレはお前のホームランバッターになりたいと言ったら、田島はどう答えるだろうか。


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何かバカップル的な話になりましたw

この調子で更新頑張りたいです…(笑)









...

スキなモノはナンですか?(振り/ハナタジ) - 2011年05月07日(土)

9組の野球部と応援団は昼休みは仲良く一緒に昼食を食べている。

場所は教室だったり屋上だったりと気分や天気によって色々だが、今日は良い天気なので屋上へ来ている。

いつもの『うまそう』のかけ声の後にもぐもぐと一心不乱にお弁当やパンをそれぞれ食べていた。

「あー、旨かった…」

弁当を食べ終わった後はクラスメイトが差し入れてくれたお菓子に手を伸ばす。

部活を頑張っていつもお腹を空かしている田島達はこうやってお菓子を貰う事が多いのだ。

お礼は試合の時に頑張ってくれれば良いよと言う優しい言葉に甘えている。

「美味しいな、三橋」

「うん、美味しい、ね」

にこにこ笑顔でぱくぱく食べている田島と三橋に良かったなと浜田も笑顔になった。

「泉も食べないと2人に全部食べられちゃうぞ」

「おー」

暖かな日差しにうとうとしていた泉もお菓子に手を伸ばした。

「なぁ、田島の好きなモノって何?」

「ふきなふぉも?」

口いっぱいに頬張っていた田島はふいに問われた浜田の質問にもごもごと聞き返す。

「お前、口いっぱいに入れ過ぎなんだよ」

別に誰も取ったりしないんだから、ゆっくり食えよと泉は言うがきっとこれは兄弟が多い為にクセになっているのだろう。

「野球ってのはなしな」

「んー…花井かな?」

野球以外にと言われた田島は少し考えてからきっぱりとそう答えた。

「え?」

ぴきーんとその場に緊張感が走る。

「田島君、花井君が、好きなんだね」

「そう、花井とする野球がイチバン楽しい!!」

三橋に聞かれてとても嬉しそうに田島は笑っている。

あ、そうかと納得しても良いのか分からない様な空気がそこにはあった。

取り合えず離れた場所で食べている他の人達には聞かれてはいないみたいなので浜田は安心する。

「…誰かに聞かれたのか?」

こそりと泉は浜田に耳打ちをした。

「そうなんだけど、これは教えられないよね」

にこにこと楽しそうに野球の話をし始めた2人に浜田はやれやれとため息をつく。


好きなモノは野球と花井、花井と一緒にする野球は大好きなんだと断言する田島に、これを知ったら花井はどんな反応をするのかなと泉と浜田の2人は思うのだった。




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