短編小説部屋...まどう ゆう

 

 

カフェでレッツスタディ♪(ハナタジ/花井大学生) - 2011年01月25日(火)

高校の時は甲子園を目指して野球漬けの毎日だった。

野球は今でも好きだし、大学へ進学してからも続けている。

だけど野球以外にも何かをしたくって、週に数回部活の合間にカフェでバイトを始めた。

種類は少ないがパンやケーキの軽食も食べれるカフェで、料理にもちょっと興味があったので貴重な経験が出来るバイトを始めて良かったと思っていた。

それに飲食店は色んなお客さんが来てくれるので、週数回のバイトの時間は花井にとってとても楽しいものだった。


時々、近所の高校生が友達と集まって勉強をする光景を見かけた。

どうやら野球部らしく、仲良く勉強をする姿はとても微笑ましかった。

たまに羽目を外し過ぎて騒いでしまう事もあったが、こちらからやんわりと声をかければちゃんと言う事を聞いてくれる良い子達だった。

その中心の子が珍しく1人で店へ来ていた。

待ち合わせしているのかいつもは何かしらの食べ物を注文するのに今日は飲み物だけで、ノートを広げてはいても勉強は進んでいない様だ。

「…どうしたの?」

顔見知り程度にはなっていた花井は何だか1人で淋しそうなその少年に思わずこっそりと声をかけてしまう。

「あ、ちわっす」

他の子は?と聞くとやっぱり待ち合わせだという事だった。

「ここ、分からねぇの?」

開いていたのは数学のノートで、ちらっと見た花井はこの公式を使えば解けるよと置かれていたシャーペンで印を付けてあげた。

「ありがとう」

ふわりと笑顔になった少年につられて笑顔になった花井は勉強頑張れよと告げるとそこから離れていった。


それから暫くしてやって来た友人達が顔を赤くしている少年をからかうやり取りを遠くから見た花井がどうかしたのかな?と不思議に思ったが、その日はそれだけで終わった。

そのやり取りが切っ掛けで2人が仲良くなるのはもう少し先の話。




...

熱視線。(振り/ハナタジ) - 2011年01月20日(木)

今日は朝から田島の様子が何だかおかしかった。

朝練は寝坊したとかでギリギリ時間に間に合ったのだが、あまり元気がなさそうだった。

そんな練習中に視線を感じて後ろを振り向くと田島がじっとオレの事を見ていた。

「…どうした?田島」
「何でもねぇよ」

そう答えた田島の笑顔が何かごまかしている様に見えた。

放課後の練習でも田島の視線を何度も感じた花井は練習の後にもう一回聞いてみようと思った。


「田島、ちょっと残ってくれねぇ?」

部室で着替えながら小声でこそっと伝えると田島は黙ったまま頷いた。

練習の後は帰る為の体力補給をコンビニで購入して食べているのだが、いつも皆で一緒にいっている訳でもなかったので他の部員達は先に行ってるぞと声をかけながら部室から出て行った。

田島はそれぞれにおーとか答えていたが、心ここに在らずという感じだった。

「朝、何でもねぇって言ってたけどさ」

どうかしたのか?と皆が出て行った後に花井はそう田島に尋ねた。

「…今日、ちょっと変な夢を見たんだ」

野球部でランニングをしている夢を田島は見たそうだ。

初めは声出しをしながら皆揃って走っていた。
先頭を走っていた田島はちょっとだけペースを上げて走りたくなった。

皆の事だから、急にペースを上げるなとか怒りながらもついて来てくれると思ったのだ。

『こら、田島、勝手にペースを上げるなよ!』

後ろから花井の怒った声が聞えた。

きっとそのまま追い掛けて来てくれると思ったのだが、気が付くと田島一人だけになっていた。

『皆、何処行ったんだよ?』

真っ暗な中に一人取り残された田島は不安になって辺りを見回した。
でも何処にも誰もいなかった。

『ねぇ、花井、置いてかないでよ!!』

そう叫んだ瞬間、目が醒めた。


「目を離したら、花井が夢みたいに何処かへ行っちゃうみたいな気がしたんだ」

そんな訳ないのになと苦笑を浮かべた田島は今にも泣き出しそうに見えた。

「…オレはお前を置いて何処かへ行ったりしねぇよ」

花井はぎゅっと力強く田島を抱き締める。

脳裏には百枝の『田島君を独りにしないであげてね』という言葉が蘇っていた。

飛び抜けている能力は孤独を引き寄せるのかも知れないと花井は考えた。

「心配だったらずっとオレの事を見ておけば良いよ」

だけど自分は田島と競うと決めたから、決して独りにはしないと心からそう思うのだった。







...

勇気をくれる歌。(振り/未来・プロ田島編) - 2011年01月04日(火)

*このお話はいずれちゃんと書くかも知れないネタのメモ書きです。
私はプロ野球に全く詳しくないので、色々と間違った所があるかと思われます…


1軍入りが決定した時からチームのマネージャーにバッターボックス入りする時の入場曲を早く決めて欲しいと言われていた。

あまり歌とか聴く方ではなく、何が良いか全く見当が付かないでいる。

先輩は好きな曲とかノリの良い曲の方が『さあ、打つぞ!!』と気合いが入って良いぞと言ってくれていた。

西浦にいた頃は水谷が良くヘッドフォンで何やら聴いていたが、興味がなかったらからどんな歌を聴いていたかなんて田島には分からない。

今度、1軍入りのお祝いに西浦野球部OB会の飲み会を開いてくれると連絡があったのでその時にでも相談すれば良いかなぁ?なんて田島はちょっと気楽に考えていた。


でも、オフの日に外を何気なく歩いていた時に耳へ届いた歌があった。
雑踏の中、届いたその曲は何故か自分の胸を奮わせる響きを持っていた。

この歌が良い、この曲じゃなければイヤだと田島は強く思った。


きっとこの歌は自分をより高みへと引き上げてくれると感じるのだった。


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アーティスト花井×プロ田島なパラレルネタでした。




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