ANNIVERSARY(カカイル/カカ誕) - 2005年09月15日(木) イルカは月明かりの下で自分の膝を抱え込む様にしてドアの前に 座っていた。 この部屋の住人は急な任務に出かけていて、まだ戻って来ていない。 今日はカカシの誕生日。 ナルトたち、七班は任務の後に誕生日のお祝いをしてあげるつもり だった。 しかし、その任務の最中にカカシに急な呼び出しが入り忍犬を残して 火影の元へと行ってしまった。 その後、カカシに単独任務が入ったと代理の上忍がやって来てナルト たちの任務はそのまま続けられる事となった。 アカデミーへと報告書を持って来たナルトはお祝いが出来なくなった とかなり機嫌を悪くしていた。 「カカシ先生が帰って来たらお祝いをしてあげれば良いじゃないか」 きっとカカシ先生、喜んでくれるぞとナルトを慰めたと言うのに一体 自分は何をしてるんだろうとイルカは思う。 自分から今まで一度も訪ねた事がなかったカカシの部屋の前で帰りを 待ったりして… 任務から疲れて帰ってくるだろうに、こうやって勝手に待っていたり したら迷惑だろうとか色々考えてはもう帰ろうと思うのだが、何故か 立ち上がる事が出来ずにいた。 別にプレゼントを用意している訳でもない。 誕生日と知ったのはナルトから話を聞いてからだったので、用意する 時間もなかった。 ただ、一言だけ伝えたかった。 もう少しで日にちが変わって、カカシの誕生日も終わってしまう。 「…日付けが変わったら帰ろっか」 明日も仕事だし、やはりこうやって待つのちょっと疲れてしまった。 ふうとため息をついた瞬間、自分の足下に影が伸びている事に気付く。 「…イルカ先生、どうしたんですか?」 任務で少しばかり薄汚れたカカシの姿が自分の目の前にあった。 「か、カカシ先生!お帰りなさい」 「はい、只今帰りました」 勢い良く立ち上がり、夜だというのに元気良く挨拶を告げるイルカに ちょっと驚きながらもカカシは笑ってそう答える。 「あ、あの、カカシ先生、今日は誕生日ですよね?」 「え?ああ、今日は15日でしたか…」 忘れてましたとカカシはぼさぼさになってしまっている銀髪に手を やった。 「私もナルトから今日聞いて知ったのですけど、誕生日おめでとう ございます」 「…それを言う為に態々、ここで待ってたんですか?」 「はい、疲れている所をすいませんでした。出来れば誕生日当日に ちゃんと伝えたいと思ってしまいまして…」 カカシに会えて良かったと好きになって良かったと色々と感謝したい 気持ちからそう思ったのだろう。 しかしそんな気持ちまでカカシに伝える事は出来なかった。 「ふふっ、ありがとうございます」 こんなに嬉しい誕生日は初めてかも知れませんとカカシはとても 嬉しそうに笑う。 「誕生日プレゼントも頂きたい所ですね」 「す、すいません。何も用意してないんです」 まさかカカシからプレゼントが欲しいと言われるとは思ってもいなかった ので、イルカはすっかり慌ててしまう。 「イルカ先生が側にいてくれればそれで良いですよ」 「え?ええっ??」 「それが一番の誕生日プレゼントですv」 にっこり笑ったカカシによってイルカは部屋の中へとお持ち帰りされて しまった。 カカシの誕生日は二人の記念日となったのだった。 ...
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