池ポエム
ハンス



 アハ体験(月星的な意味で)

おいちゃん、やっとわかったよ。
的なある理解が舞い降りたので、ちょっとだけぐだぐだ書きます。



UNOの地方ルールについて話し合っていたはずだった。
会話が途切れて、みのりは珍しく口に何も入れていない。紗枝はお茶を入れ直している。何を映しているのかわからない細い目は、いつも笑っているように見えた。そこだけ妙にきっぱりと。言った。
「ほっとけね〜って、思ったんだ」
あの日、あの時、彼女の目を見てしまったから。それ以上の理由はない。
捨て猫を見たら、放っておけない性質だから。それ以上の動機はない。
ああ、と思ったのだ。祈るような気持ちは持たないから、天を仰いで仕業に驚いただけだ。こんな出会いもあるのだ。
「本当に、それだけかよ」
信じられない、と言いたいのだろう。まったく納得していない玲は、不機嫌そうにお茶をすすっている。紗枝が滑らかな動作で玲の隣に横座りに座った。
「でも、羨ましいわ」
「あ?どっちが?」
玲はちょっと鈍い。紗枝が、まるでわかってない玲をちらっと見て、ため息をついた。知らないというのは暢気でいい。わかっている玲だったら、紗枝の心は少しは楽になる?それはわからない。
「紅愛に決まってるでしょ」
ほほう、とみのりは声に出した。その変な相槌に、二人は吹き出した。
「暢気ね、みのりも」
も。
玲とみのりの唇が『も』の形になる。
「紅愛は恵まれてるんじゃないの?実は」
実は、とつけたのは、紅愛になってこの剣待生制度の生活を乗り切るのは結構大変そうだ、と全員一致で思っているからである。体力的な面、技術的な面で、弱いというのはしんどい。餌食になるから。誰だって餌食はいやだ。
「みのりがいてよかったわね」
弱くても奪りにいく権利を、一時的とはいえ手にしたのは、とても稀有な才能のおかげ。あの日、みのりがかかった魔法のおかげ。誰と組むか決めかねていたみのりの心を一瞬にして掴んだ。名前も知らなかった、性格も。
「確かにあいつ、ちょっと小綺麗だけどよ」
それだけで、見とれるか?普通。
玲が鼻先を突付いてくる。お前、結構面食いなんだな、って。
「あら、性格を先に知ってたら刃友になったかしら」
紗枝、さらっとひどいことを。でも否定できない。組んだことを後悔したことなんかないけど。
「別にい〜んだ。あたしは」
二人が散々からかってくるけど、気にはならなかった。



痛い?
血が滲んで、痛みを我慢している。ナース隊を呼んだ方がいいだろうか。しゃがんで、腕を取っても立ち上がらない。心配で、ずっと側にしゃがんでいた。鐘は鳴り終わり、授業が元通り始まっている。でも放っておけない。
「……いいから。このくらい、別に平気」
先に戻って、と無感情に呟く。首を振る。
「……一緒に戻ろう」
「……好きにしたら」
何が悔しくて、今何を考えていて、どうして涙を堪えているのか、全然わからないけどそこから一歩も動かなかった。二人でじっとしていた。
きっと一生見放せない。
善でも悪でも、損でも得でも。進んでも退いても。
「紅愛がいなきゃ」
どうしてなのか、わからないんだけども、どうしても。



自分がおかしくなってしまったのはあの日から。
それまでと違う理由を見つけた日。
「みのり!」
寮に戻ったら、なぜだか早速叱られた。今日はお菓子の袋も片付けてから出かけたはずなのに。紅愛は片手に携帯を持っている。帰りが遅いのを心配してた?でもみのりの携帯に着信はない。
「なんでよりにもよってあの二人に色々しゃべるのよ!」
「おお?」
どうやら別れて早々に、紗枝は紅愛に電話をかけたらしい。わざわざ紅愛をからかうために。
「……紗枝って紅愛好きだな」
「どこが!さんっざんいびられたわよ」
「けどあたしは紅愛いっぱい褒めといたぞ」
「それが余計なの!」
おお、怒っている。ひたすらプリプリしてる紅愛に何を言っても無駄だから、静かになるのを待つ。でもきっとそんなに怒っていない。本当に怒ってる時とは、違う。わかっているから大丈夫。
「褒められるのもけなされるのも、嫌いなの」
背中を向けた紅愛は小さな声でそう言った。
やれやれだ。
声にも出さずにみのりは言った。

2009年03月09日(月)



 あの丘を越えたら義父がいた

黒鉄の義父ちゃんが女ってマジ?

☆黒鉄先生のこと
チチであり乳であり父なのに、性別が女とはこれいかに。
しかも食堂勤務なんですか?
まだ拝顔すらしてないですが、超絶格好いい女性の姿が脳裏に浮かびます。
これでもし義母ちゃんが女性だったら、エデンへの扉が開く。マジで。ちょっと思った以上に一本筋が通りまくってて、涙で前が見えないよ。
はやてが綾那に嫁宣言して猛然と迫るのも、自分の義両親が女同士でいちゃいちゃしてる様子を見て育ったから、だったりして。じゃあしょうがねえよな。ちはるさんといい、はやての周りそんな大人ばっかなのね。
以下、ある日のちょっとしたナギと綾那の会話。

「ナギ!お前、姉ならクロにちゃんと教えてやれ。女同士はこんなことしないんだって」
「……何言ってんだ。あいつは私の嫁だ。お前にはやらん」
「!!この姉妹……」

ナギ、超シスコン説。
ノンケ綾那の想像を超える未知の世界へレッツゴー。

「はぁ」
「綾那、どうしたの?ふっかーいため息なんかついちゃって」
「順……時々自分がおかしいのか、世界の方がおかしいのかわからなくなる時はないか?」
「??なになに、悩みならこのじゅんじゅんに言ってみな、なんでも聞くからさ」
「お前は夕歩のこと、どう思ってる?」
「へ?どうって、改めて言われると難しいけど。そうねぇ、愛?みたいな」
「……お前もあちら側の人間か」

炎雪みたいなこと言ってますが、天地学園にはあちら側候補生がたくさんいますな。
黒鉄先生が色んなことの突破口となって、現実すら覆してくれることを願ってやまない。それと黒鉄先生の相方さんがどんな人なんか気になる。
どっちかというと、黒鉄先生の方がはやてみたいな熱烈アプローチしてる側だったらいいな。

黒鉄先生は天宮VS神祈の頂上戦、絶対観戦してそう。
なぜか立ち入り許可されてて、人目につかない位置からゆったり見てる。熱い展開と頑張る玲の様子に、ふと自分の昔を思い出したりして。

「熱いなぁ……」
「他人事みたいね。貴方も、あんな風だったのよ」
後ろから馴染んだ気配。大きく息をつきながら振り返る。
「また、あんな風になれる?」
彼女は、当時からまったく変わらない。姿形は大人びても、心は。
「君となら、何度でも」

黒鉄先生とその相方、剣に青春を捧げた幼なじみ説。

2009年03月08日(日)



 近未来

忘れた頃に未来は、見えるもんね。
……それは嘘。


「大丈夫、ちゃんと握ってるから」
先行くあの子はそう言った。いつも一人で先に駆けていってしまう、奔放なその姿からは想像もつかない、優しい声で。
「私が●●のこと、置いてきぼりにしたことないだろ?」
どこまで遠くに行ってしまっても、ついて来ていないことに気づいたら少し戻って待っててくれる。迎えに来てはくれないけれど、追いつくのを待っててくれる。同じことはできないけれど、できそうなところまで考えて提案してくれる。いつか追いつくのを待ってる。
いつか、同じ世界を見られる日を待ってる。
「そうか」
あの時、あの時、すべての行動が、あの人の意志を表していた。
「手を離したりしないって」
あまりに強く握りすぎていたのか、苦笑い。
でも気づいていた。強く握っていたのは、自分だけじゃないと。何が欲しかったんですか?そう尋ねても、きっと無自覚なんだろう。一人でどこまでも行けるのに、ちっぽけな手を強く握っていた貴方。一人で世界の果て、貴方しか見られない風景にたどり着いてもよかったのに。
望むことは、もっと難しいこと。
「怖くないよ」
だから二人で行こう。
暗にそう言っていたのだとしたら。

「手を離したりしませんよ」
暗がりで、赤くなるほど握られた手。強張る指をそっと包む。我に返ったのか、急に目にいつもの光が戻る。
「痛かったでしょう?ごめんなさい」
「……貴方を一人にはしません」
その言葉に、顔を上げた。泣かないのだ、この人は。あの子が泣かなかったように、世界の果てまで一人行くために、涙は乾いてしまった。
「遠慮もしないでください」
貴方が走り出す後を、離れずついて行く。


遠い昔は、未来によく似てる。

2009年03月07日(土)
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