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■ ヘリケン
「千明さん」 「尋か」 「ご機嫌だね」 「そう見える?」 「原因は、彼女かな」 「覚えてるか」 「覚えてるよ。昨日、担いで部室に連れてきた子だ」 「珍しいな」 「千明さんの方が珍しいじゃん」 「何で?」 「最近新しい子入れるなんてめったになかったのに。もう飽きたんだと思ってたよ」 「飽きてたよ」 「つまんない顔してたね」 「わかるのか」 「僕はなんでもわかるから」 「そうだったっけ。じゃあ尋、もう一つ聞くけど」 「はいはい」 「彼女のことをどう思う」 「それは、僕が、ってことかな」 「イエス」 「顔も覚えてないからなぁ」 「さっき覚えてるって言ったじゃないか」 「覚えてるのは、その存在。顔や髪型や服装……は制服だった。とにかく、個別の人として覚えてるわけじゃないって」 「なぁんだ。やっぱり珍しくもなんともないな。いつもの尋だよ」 「今から会わせてくれたら、感想言うけど」 「おお、そうか」 「え?今いるの」 「呼んどいた」 そしてアルミのドアが開く。 “自由な服の”遥田尋は、本日2月10日、ヘリケン部室こと二号棟三階多目的教室にて、“一年の”坂巻鶴弥に出会う。
2003年08月26日(火)
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