雑記帳

2003年05月31日(土) 反対の美術館(美術)

反対の美術館  カロリーヌ・デノエット著 河合楽器 2003/4/1

同じ種類に属する二つの事柄の間に、可能な限りの大きな違いがみられる。

わかりやすく楽しめた。

評価 ○



2003年05月30日(金) 終戦のローレライ(映像喚起)

終戦のローレライ 福井晴敏著  講談社 2002/12/10

ドイツの新兵器ローレライを探しにいく潜水艦のりたちの話。

擬人化による前振りかとおもいきや ナチスの実験によって超知覚力を得た女の子だったのには あぜんとした。2段組上下巻。よみやすい。

評価 ○



2003年05月29日(木) ダーク(ミロシリーズ)

ダーク 桐野夏生著 講談社 2002/10/28

40歳になったら死のうと思ってる。 父を見殺しにし、逃亡。 在日韓国人になりすまし、韓国へ。 強姦、妊娠、出産。 子連れで沖縄へ。

書いてみたらこれだけなんだよなぁ。。。 シンプルな筋。 これが500pの物語になり、一気に読め 桐野のうまさを感じた。

評価 △



2003年05月28日(水) 王が殺した豚 王が愛した象 

王が殺した豚 王が愛した象  ミシェル・パストゥロー著 筑摩書房 2003/4/25

歴史に名高い動物たちという副題どおり 古いものから順にならべてある。
原罪の蛇、ノアの箱舟、ラスコーの壁画、ミノタウロス、、、、、、、宇宙飛行犬ライカ、オベリックスの猪、クローン羊ドリーなど 36紹介している。

視点がかわっていておもしろかった。

評価 ○



2003年05月27日(火) 最後の宦官秘聞(回想)

最後の宦官秘聞  ラストエンペラー溥儀に仕えて 賈英華著 NHK出版 2002/8/30

1902年8歳で去勢。皇族(溥儀の叔父)→紫禁城→大后→皇后→満州にて溥儀に仕える。

興味深い内容だった。

評価 ○



2003年05月26日(月) 関係者以外立ち読み禁止(エッセイ)

関係者以外立ち読み禁止  鹿島茂著  文芸春秋 2003/4/10

トンでも本といってもいいかもしれない。

巨乳vs小乳
巨乳がもてはやされるのは人口が激減したときである。乳房のおおきさは時代の無意識をうつす。

ラーメンマンとサラリーマン  
「いつでも逆転できると思わせる小さな格差」これが日本人を競争に駆り立てる。らーめんまん=さらりーまん

学者だけあって裏付け資料をもってきて、それなりにへぇと思わせる。楽しめた。

評価 ○



2003年05月25日(日) キャラクター小説の作り方(howto)

キャラクター小説の作り方  大塚英志著 講談社現代新書 2003/2/20

http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=%83%4C%83%83%83%89%83%4E%83%5E%81%5B%8F%AC%90%E0%82%CC%8D%EC%82%E8%95%FB

創作系のものじゃなくても 楽しくよめた。

評価 ○



2003年05月24日(土) 東京怪奇地図 (下町)

東京怪奇地図  森真沙子著 角川書店 1997/1/30

夢ぞかし    お酉さま
人形忌     荷風 南北
無闇坂     神隠し 乱歩
水妖譚     鏡花 言問橋
偏奇館幻影   荷風
田端346番地 芥川

マニアうけかな。

評価 △



2003年05月23日(金) QED竹取伝説 (ミステリ)

QED竹取伝説  高田崇史著  講談社 2003/1/10

シリーズ第6冊め。
民俗学うんちくものである。

でてくる知識は目新しいものがないが入門としてはいいかも。

評価 △



2003年05月22日(木) 時の矢〜あるいは罪の性質〜(逆回り)

時の矢〜あるいは罪の性質  マーティン・エイミス著 角川書店 1993/10/20

ちょっとまて、なぜ私は後ろ向きに家へとむかっているのだろうか?見よ、私たちは若くなっている。

一人の男の人生を逆回しに著した。徹底しているのが文単位で時系列を逆にしているてんであろう。よごれきったくたびれきったものが、みたされ、渇望し、無垢なものへと変わる。新鮮だった。

評価 ○



2003年05月21日(水) 桜宵 (安楽椅子)

桜宵 北森鴻著 講談社  2003/4/15

十五周年  賭
桜宵    いきなはからい
犬のお告げ リストラ
旅人の真実 依存
約束    思いこみ

ビアバー香菜里屋のマスター工藤が雑談のなかから謎を解く。

評価 ○ 



2003年05月20日(火) The End of the World(軽い)

The End of the World  那須正幹著 ポプラ社 2003/4

The End of the World 核戦争後、シェルターに生き残った家族。
まぼろしの町 過去への旅。
約束 ホラー
ガラスのライオン かっぱらい

嫌みのないたんたんとした物語。児童書から再録。入門にはいいかもという程度。

評価 △



2003年05月19日(月) 出生率0  (終末)

出生率0 大石圭著  河出書房新社  1996/9/17

1999年6月を最後に子供がうまれなくなった。もう未来へ残すものはない。刹那的に好き勝手いきていく。2006年の様子を描く。ペットのように売買される子供たち。全世界人口数を表示する電光掲示板。最後の1になるまで生き抜いてやると決意することで物語りはひとまず終わる。

はぁ。。。終末すきだね。一見設定が違うため器用な作家かとおもいきや、4冊読んで全部根っこが一緒である。1999年こえてからいったいどんな作品をかいているんだろうか。

評価 △



2003年05月18日(日) いつかあなたは森に眠る(マザコン・死体愛好)

いつかあなたは森に眠る 大石圭著  幻冬舎 1995/3/28

あなたは死ぬことばかりを考えている。子供がいなくなってみると、夫と暮らしていくことには、もう耐えられないような気がした。必要もなくなった。子供をなくした今これまでの人生には意味がなくなった。あなたはふと思い出す。深い森の中の館のことを。

プロローグからすでに見ることに固執している。現実性がまったくない森の館でカメラをあらゆるところに設置し、女性の一日をモニターする男。冷凍室にコレクションを保存し愛撫しつづける。ホテルを営業しているわりに金銭の裏付けなく、趣味だけの世界をつくっている。
浸りきった男というのも始末におえないな

評価 ×



2003年05月17日(土) 月光界・逢魔が時の聖地1(シリーズもの)

月光界・逢魔が時の聖地1 麻城ゆう著 ウィングス文庫 2003/5/25

あちこちで文庫化している月光界シリーズのひとつ。世界だけを同じにしてあちこちでの出来事を表している。
今回のはイントロだけである。大陸書房時代から読んでいるが、著作リストを検索すると未読は2冊だけ。。。うーん好みだったんだな。

月光界を舞台にした作品群がおおいのがいいのかもしれない。最初のシリーズは元気な女の子てんこもりである。

ちなみに 逢魔が時は男(それも複数)が主人公ではあるが。。。

評価 ○



2003年05月16日(金) ブレイブ・ストーリー(成長)

ブレイブ・ストーリー  宮部みゆき著  角川書店 2003/3/10

過ちをただすことをおそれてはいけない。とばかりに父が家をでて女性のもとへ走った。残された母と息子。息子は幻聴におそわれ魔導士を見、幻界へと誘われる。運命の塔へたどりつき女神に願いをかなえてもらうために。

分厚い。自分探しがテーマ。さくさくっとよめる。主人公が小学5年生のせいかすべてが単純である。

評価 ○(読了まで3時間)



2003年05月15日(木) 永遠の出口 (成長)

永遠の出口  森絵都著  集英社  2003/3/30

「永遠に〜できない」という言葉に弱いヒロイン。
小学三年生〜高校卒業までの成長をえがく。友達、恋愛、進路、社会を垣間見る。

子供の視点と大人になってからの訳知り顔の視点が交互にでてくる。児童文学をよく書く作家らしく、平易な言葉で表現されておりよみやすい。

評価 ○



2003年05月14日(水) 復活へび女 (沖縄都市伝説)

復活へび女 池上永一著  実業之日本社 1999/9/25

マブイの行方   私のマブイ(魂)はどこへいった
サトウキビの森  ゆっくり近づいてくるオバァ(予知能力?)
失踪する夜    神隠し。歓楽街のちいさな御嶽
カジマイ     隣同士の老婆。少女のとりあいをする。
復活、へび女   気づくと僕の横に人が寝たあとが。。。
前世迷宮     私は使命をもって生まれてきた。
         だからそれを知らなくては。前世への旅がはじまる。
宗教新聞     目があえば運命の赤い線
木になる花    少女時代の思い出

沖縄のものはなぜか外国を舞台にしたものよりよみにくい。
国内のはずなのに文字にあらわされた宗教感覚が違うせいだろうか。

タイトルで借りた。

評価 △



2003年05月13日(火) 八月のマルクス(江戸川乱歩賞)

八月のマルクス  新野剛志著  講談社  1999/9/9

第45回江戸川乱歩賞受賞作
元お笑い芸人のハードボイルド。

相方が失踪した。事務所の不正?スキャンダル? 5年前の事故がすべての発端だった。

http://www.yomiuri.co.jp/yomidas/konojune/99/99h2p.htm
著者の経歴のほうにうけたりして。

評価 △



2003年05月12日(月) 建築屍材(鮎川哲也賞受賞作)

建築屍材  門前典之著  東京創元社  2001/9/21

第11回鮎川哲也賞受賞作。
建築中のビルの中で解体されナンバリングされた人体。密室。どこへそれらは消えたのか。うどんやの高校生裕一といとこの達也が謎を解明する。

タイトルで借りた。これといって山もなく、印象薄い。受賞理由が不可解だったので、珍しく解説も読んだら、とにかく該当作なしはさけたかったとのこと。
賞に冠してある名前でつい同じようなものを期待してしまうのはだめなんだろうか。乱歩や横溝だとエンタメ期待。
賞がおおすぎるのも問題。

評価 ×



2003年05月11日(日) 鎮火報(青春)

鎮火報  日明恩著  講談社 2003/1/20

親子2代の消防隊員。休日も消防隊員でありつづけ命をおとした父に反発。拗ねたまま務めている。意識をかえさせる8日間のできごとをつづった作品。

2作目。作者は特殊な公務員がすきなんだろうか。前回は麻薬取り締まり、今回は入国管理と銃携帯許可があるものを脇にはいしている。かなり甘いが前作よりはいい。3作目も公務員なら手抜きだな。。。。。

評価 △



2003年05月10日(土) おこう紅絵暦 (柳橋)

おこう紅絵暦  高橋克彦 著  文芸春秋  2003/2/15

柳橋の芸者おこうは 筆頭与力の奥になった。連作短編。

捕物帖っぽい。艶っぽいながらも清楚な(矛盾)女性を起用してドラマ化したらそこそこうけそうだ。

評価 × (かげうすい)



2003年05月09日(金) プレイ(prey) (制御不能)

プレイ上下  マイクル・クライトン著 早川書房 2003/4/5

専業主夫暦半年のジャックは、妻の異変にきづかない振りをしていた。
前の職場からプログラム解析の依頼をうけ砂漠へと移動。そこではナノマシンが捕食者に進化し被食者(人間)を襲っていた。暴走したマシンを制御できるのだろうか。

映画化が決定がうなずける。サスペンス。というかこれ読了したから映画みなくてもいいな。映像がうかぶ作品である。

評価 ○



2003年05月08日(木) ことばは味を超える(日本語)

ことばは味を超える  瀬戸賢一編著  海鳴社 2003/2/3

料理の美味しさを伝える「味ことば」はきわめて少ない。そこで人は触覚、視覚、嗅覚その他ありとあらゆる手段を講じてなんとか言語化し伝えようとする。たとえばーーつつましく微笑する・深い・一流シェフの・恐ろしい・クセのある・幸せな・華やかな・丸い・とがった・四角い・ツンとした・涼しい・やかましい・天上の音楽を奏でる・白い・赤い・懐かしいなどなど。<紹介文より

客観的に評価することが難しい味覚を(数字でいわれても想像できんし)経験に基づいた五感をつかって表現する。この経験が問題。立地点が違えばどれほどそのひとにとっては素晴らしい表現でも通用しない。。。。。。んで経験不足(ウブ)としては、「へぇ こんなにあるんだな」程度。

評価 △



2003年05月07日(水) セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴(古)

セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴  島田荘司著  原書房  2002/12/24

ロシアの女帝エカテリーナ二世がつくった靴。それを狙って、誘拐事件が起きる。教会の十字架の影の位置に埋めるように指示されたが、衆人環視のなかで中身は忽然ときえた。若き日の御手洗潔が女の子を救うためにいやいや腰をあげる。

エカテリーナのうんちくを現在の御手洗が語った後、占星術殺人事件後におきたものを石岡が語るというスタイルである。 なんで今頃その時代の思いでなんだろう。ハリウッドのラストでいかにも続編つくりそうなおわりかただったがでてるのかな?チェックしていない。事件としても小粒で難しいものを好むというわりにはこの程度でいいのか?と聞きたくなる。謎のとらえ方がちがうのであろうか。

評価 ×



2003年05月06日(火) イヴたちの神話 (やおい)

イヴたちの神話 勝目梓著 光文社 1992/9/20

貪欲に性の刺激を求める二組の夫婦がのぼりつめたはてに・・・・・・!?
<紹介より

最初から最後まで性描写。あくことなく性描写。本筋なんだっけか。。。読み飛ばそうにも残るのは何ページあるやら。ここまで徹底されると文句つけようがないな。

評価 ×(何も考えたくないときにいいかも)



2003年05月05日(月) 手紙 (きれいすぎ)

手紙  東野圭吾著  毎日新聞社 2003/3/15

兄が強盗殺人。動機は弟の進学費用ほしさ。獄中の兄から手紙が届く。弟は犯罪者の家族として差別をうける。アパートからの追い出し。バイト先をくびになる。みんな弟が罪をおかしてないのに差別されるのを哀れみながらも誰かが助けてやることを期待する。遠巻き。恋人にさられ、就職先で左遷。

罪を犯したものの家族は差別すべきである。 この一文が印象的である。
あまりにも話しがきれいすぎ。 そのためにメルヘンのようである。 善人(殺人を犯した兄も含む)ばかりでうわっつらだけをながめたようである。

評価 △



2003年05月04日(日) それでも警官は微笑う (女性好み)

それでも警官は微笑う  日明恩著  講談社 2002/6/20

安価な拳銃がでまわっている。それを追う武本巡査部長と潮崎哲夫警部補。麻薬取締官宮田がからんできたことにより、事件は意外な方向へすすむ。

日明恩、たちもりめぐみ。。。なんて読めないよ。なんでこんなペンネームなんだろう。懲りすぎ。中性的なイメージを狙ったんだろうか。事件のとっかかりとなった逮捕劇で売り専の男、意図しないのにそういうのに好かれる漢(武本)、おちゃらけ七光りありまくりの要領よし(潮崎)、純愛一本他の迷惑いっさいかえりみず(宮田)。。。。キャラ設定がいかにも女性好みである。(偏見じゃないはず)
潮崎はミステリ好きという設定で 作中によく他小説のキャラ名がでてくる。riko(柴田よしき)、百舌(逢坂剛)、合田(高村薫)、池袋西口(石田衣良)、横溝等々(これ以上チェックするのが嫌になった)。
マニアにはうけるかもしれないが、内輪受けネタみると鼻白む。

評価 △(中途半端 やるなら徹底的に)



2003年05月03日(土) ドゥームズデイ・ブック(疫病)

ドゥームズデイ・ブック  コニー・ウィリス著 早川書房 1995/10/20

2054年12月、中世にあこがれるギヴリンは1320年へ旅だった。 ありとあらゆる免疫をつけ学者に学び用意は完璧に近いはずであった。到着直後突然の悪寒により倒れる。意識を取り戻したときには自分が出現した地点もわからず、言葉の通じない人々に囲まれ、懸命に情報を収集した。そしてわかったことは、何らかのずれで1348年、ペストが大流行した年に自分が存在しているということであった。

現在(2054年)、過去(1348年)を交互に描写している。共に疫病が発生しており、パニック。 中世の描写のみに注目した。話しは至って簡単。ペストの渦の中にただ独り取り残された女の子のがんばり。そこでひとりだけ無事であることを説明するためだけのSF設定と判断した。よって設定自身かなりいいかげんである。その辺はよみとばして、大筋はたのしめた。

評価 ○



2003年05月02日(金) 生と死の美術館 (うんちく)

生と死の美術館 立川昭二著  岩波書店  2003/2/27

西洋・日本編にわけそれぞれの作品を解説する。
西洋編ー古代ギリシャの奉納板、壺絵、墓碑、エヒテルナッハ福音聖句集、助祭ユスティニアヌスの治療等
日本編ー阿修羅、源氏物語絵巻、病草紙、みかえり阿弥陀如来、粉河寺縁起等

絵から読みとることができる当時の考え方、そして現実。 西洋編のほうが興味深い。日本の考え方はある程度ききかじっているせいであろうか。楽しめた。

評価 ○



2003年05月01日(木) 嬲嫐(なぶりあい) 

嬲嫐(なぶりあい) 星野智幸著  河出書房 1999/10/15

オカマをまじえた三人組が 好き勝手言い合う話し

タイトルの付け方がうまい。

評価 ×(あわない)


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