イシダ植物の「転石」
 多感なお年頃、ついに三十路突入いたしました。
 これから先もローリングストーンしながらトーキンバゥマイジェネレーションだよ。

もくじまえ見る?つぎ見た?


2009年06月11日(木) 前頭葉にクル話。2


??高田馬場、カフェコットンクラブ。

高校の同級生くんがドラマーとして出演。
彼のステージは何度も見ている。
大好きなドラムスタイル、誰よりもソロの長いドラマー。あいつもこっちも大爆笑。

一緒に行ったのは、しょっちゅう一緒にお出かけしている女の子。
彼女も何度も彼のプレイを見ている。
初めて連れて行ったときから、同じ反応をしてくれた。キレイなのにヘンな子。

本日の演者は、私にとってドラマー以外はお初。みんなガイジン。
アルトサックス、トランペット、ピアノ、ベース、ドラムの5人組。
バンドリーダーのサックスと、その幼なじみのピアノ、この2人中心で組んだのかな。
このメンバーで国内ツアーをしての、最終日。


この演奏がね!
すごーーい良かったのよぅ。
まず目を引いたのは、ピアノさん。私の相方が「病的でイイね」とささやいたとおり、
ピアノに向かって首をぐっと前に出して、表情はまるで
蟻を観察しているような、なにか考えことをしているような顔で鍵盤を見つめながらたたく。
寡黙なキャラに、
ベースとドラムが存在を主張するようにしっかりと支えてカラんでいく。
そしてフロントの二人がぴたりと揃って乗っかる。交代でソロをする。
1曲目の印象であり、全体像、こんなかんじ。


2曲めで私はその波に、いや空気に、うーん世界に?なんだろ、入って行きました。
例えるなら、

私が右から左へ歩いて行く。
左のほうは一面、濃い霧のような森のような。
私はなにも気づかないまま、歩き進んでそのモヤのなかに入っていく。
その先で見た景色は??。

みたいな!
まあこの部分は、いま思えば、の話だけれども。


この2曲目が、日本語で言うと「立ち泳ぎ」という意味らしいんだけれども。

冒頭はまるで、水の中のボコボコ、コポコポという音。
気がつくと私は水面から顔を出し、肩まで浮いて、
あたりに広がる水平線と抜けるような空を見ていた。
そんな私はガイジンの少年なんだけれども。
(右から左に歩いているトコからね)

ジャズといってもこの曲はスイングではなく、
フリーというほど混沌とするでもなく、音と音の空間があって、
まるでクラシックのムソルグスキーのような、またはバレエ音楽のような、
とても絵画的映像的な曲。いっこの画になっていて、どのパートがどうしてるのかは分からない。

あぁでも分かるのは、サックスの音が、とてもカラフルで、歌っている。


メンバーのカジュアルな装いにナメてかかっていた私は、
もうモヤの向こうがわにいて、次の曲も、その次の曲も、
ずっとその景色たちと、目の前の演奏するひとたちと、両方を見ていた。

ラストに待ってましたのドラムソロが鳴って、
私たちは我に返ったように手を叩いて声を上げて、
友人の広げていく世界に盛大にセレブレイトした。


 ・・・まだつづく。


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