もう観に行ってきたので、ひとさまの感想とか読ませていただいて、トンロク。
あの舞台で。
助三郎兄さんの説教とか平の葛藤とか優さんの嘆きとか、そういうの、ダイレクトに胸に入ってきて痛くて人生に直接触られる感覚がするのが。
今、高校三年で幼くて、親に守られて未熟で、身体は大人に近くてでもマージナルな十八っていう年齢のせいだっていうなら。
今、自分が十八で良かったって心底思う。
「お前らのやってることなんて９９．９％が間違い」っていわれてほっとして。でも「その気持ちに嘘はない」っていわれた言葉にここまでココロを揺さぶられるの�犧��瓩海稜�代の自分だからっていうなら、観に行って本当に良かった。もっと歳いってたなら、きっとこんなふうにならなかったから。
アイドル生で観られてだからじゃなくて。
トニセンが頑張ってるから褒めるんじゃなくて。
バカバカしいくらいに単純でストレートな言葉は、何の抵抗もなく胸に響いて。強い。
愚かしさばかりで未熟な自分には、その強さがほんとに救いになってるんだよ。
凄いよ。理屈じゃないよ。青臭さがいっそ恥ずかしいかもって客観的にはそうでも、実際青春真っ只中なマージナルマンなんだから仕方ない（笑）
第二次性徴は流石に終わってますが…一応、ぎりぎり硝子の十代で（笑）
あと少しでハタチで問答無用の恐怖が背中に貼り付いててどうしていいのかわからない、そんな自分に助三郎兄さんの言葉は影響力大。
共感とかそういうレベルじゃないですね。どっちかっていうと、ガッコの先生より上で、人生の師匠とかに…道を訓え説かれてるみたい（苦笑）
ところで。
昨日のVVV6…はさておき、BOON。
BOON、去年の年末から新年にかけて録り溜めしてたやつ、ようやく見たんですよ。第１回ドライビング王対決とかね。
で。
お前は人間関係をそうやって穿ってしか見られないのかとか、歪んでるぞ大概、と思いつつ。
以下、中長。
中野信治さんと長野さんでラブラブ。我ながらびっくり、読みたくない人はこちらから戻るべし。
ちなみに、中野さんの仕事のこととか、喋り口調とか…あんまり調べたりできてないので適当・思い込みもいいとこです（だから小説ページにはいってないの/汗）。
でも、このキャラクターってブイロクにはないでしょう？
新鮮でした。惜しむらくは自らの力不足（ため息）。
おーばー・どらいぶ。
「忙しくてきの・お・も、すれ違うくらいしか、あ・え・なくて」
「こら、長野、んだその歌い方はよ」
カーテンコールまできっちり終えて、七時からの公演まで休憩時間。
一通りメイクを落としリラックスした状態の楽屋、長野博が小声で口ずさむのを聞きつけ坂本が突っ込む。
会場付近は、当然のことながらファンの子で溢れているだろうからコンビニにも行けないのだが、例によって井ノ原快彦は楽屋にじっとしてなどいず、何処かへ出かけていて年長二人だけの室内。
坂本の言葉に、机の上で組んだ腕に顎を乗せていた長野が、ひょいと顔をあげておもむろにのたまった。
「や、だってさ、すれ違うくらいでもあえるならシアワセだよね。すっごい贅沢なこといってるなって思って」
「はあ？」
「贅沢だよ。ちょっとでもさ、顔見られるならいいじゃん」
「………」
素で憂い顔の長野に、坂本はいうべき言葉が見つからずに黙る。
助三郎だったら、こういうとき�牴燭世茵�何だよ、悩みごとあんならオレにいってみ？スパーンっと解決してやっからさあ！�瓩箸�いいつつ勢いで巻いてくな、とは舞台の残ってる頭にちらりと巡った思考の粕みたいなもの。しかし、楽屋の彼はあくまで「坂本昌行」で、そう上手くはいかない。
そんな坂本に気づいた長野は、困ったように笑い、時計を指差した。
「？」
「だいたい今くらいで、上がりなんだよね。朝からロケしてて、セットとかで時間食うし…このくらいの時間でハケて、その後ちょっとくらいは時間取ってくれて、少し早いけど飯でも一緒にってホントなら」
「ああ、」
そこまでの説明を受けて、ようやく坂本も察して頷く。「中野君のことかよ。お前そういう謎掛けみたいな喋り方やめろよな。俺、鈍いんだからさ」
「自覚あるんだ？」
「お蔭様で」
煙草に手を伸ばしつつ口角で笑んだ坂本に、深いため息をついた長野がそのまま突っ伏して愚痴る。
「せっかく日本にいるのにー、舞台あるし、そのせいでロケ押しロケ押しで、すれ違うこともできないんだよ！ もう、すっごい、呪われてんじゃないの、おれ!!」
「あー…かもな」
「何!?」
「…悪ィ。冗談」
「殺すぞ」
「ひろちゃん、こあーい」
「キモイからやめろ」
ドスを効かせた長野に、ちょっぴり本気で傷ついてしまった坂本。
くすんと項垂れるリーダーに、長野が呆れた表情を作ったところで扉が開いた。
「長野君、大変!!」
飛び込んで来たのは、楽だからの一言でシャカパンにTシャツ姿の井ノ原だった。
何事かと注目する坂本には目もくれず、長野の傍までずかずか歩み寄るとその手を取る。
「なに、井ノ原どうしたの？ 駆け落ちのお誘いならおれ、悪いけど…」
おどける長野の耳元に井ノ原が何事かを囁くと、笑みを湛えた瞳がみるみるうちに驚愕を浮かべ、薄い唇が嘘…と呟くように震えた。
「抜き打ちで来ればいいじゃんって感じだけどね、一応話通しとかない此処まで来られないでしょ、だからマネさんに……あ、そっか俺が内緒にしとけば良かったんだ!?」
「気づくのおそいよ」
呆然としつつも反応速度は変わらないのが長野の凄いところだ。ただ幾分上の空なことは否めない。
そして長野が夢心地の状態で五分経過。
なんとなく静かな楽屋に、軽快な調子のメロディが鳴り響く。弾かれたように携帯を見た長野は、坂本・井ノ原の注視も意識しない、心底嬉しそうな笑顔でそれを耳にあてた。
「もしもし、長野です。――うん、下？ あがってきてよ。…そう、おれすぐ行くから。うん」
ウキウキワクワクっていう擬態語、そういやあったよねって感じの長野は、通話を終えるなり楽屋を出て行こうとする。
「あ、ちょい、待て長野」
「ん？」
顔だけ坂本に向けながら、足踏みしてそわそわさせて。信頼されてるから隠さないのだと分かっていて、それを嬉しく思いながらも心の何処かに翳りがあることを坂本は自覚した。
「どうせどこも空いてる場所なんてないんだからさ、ここ連れて来いよ」
「え、悪いよ。いいよ、そんな気つかわなくて」
「遠慮すんなよ」
「そうそう、メンバーは支え合いだから！ ここなら邪魔入らないしね」
井ノ原までが口をそろえるのに、しばし躊躇うような素振りを見せた長野は、やがて少しだけはにかんだ笑顔で有り難うと軽く頭を下げ、出て行った。
「あーあー、しあわせそうな顔しちゃってー」
井ノ原は、ふかしていた煙草を灰皿に押しつける坂本を覗きこんでニヤリとした。「切ないですねえ、旦那」
「うっせ、俺と長野はそんなんじゃねえよ」
だからいいんだよと、ことさらに強調してみせる坂本の髪を、調子に乗った井ノ原が撫でた。
「まったく無理しちゃってぇ」
「無理じゃねえって！ おら、さっさと行くぞ」
「何処に？」
とりあえず楽屋を空けようと立ちあがった坂本はハタと考え込んだ。
「………」
「スタッフルームで弁当配ってたけど、貰いに行く？」
「……おう」
関係者駐車場から上がってくる、エレベータホールに見つけた長身に、長野は鼓動が跳ね上がるのを感じた。
「中野くん、」
�狆錣縫�ールでクレバー�瓩蔽飜遒蓮�呼びかけに、いつも通りの沈着さに僅かに照れを交えて笑った。
「ごめんね、本当なら舞台、観に来られるくらいの時間は取るつもりだったんだけど」
「いいよ、そんなの」
緩くかぶりを振った長野は、中野を促して楽屋へと続く廊下を歩く。
「なんか、早かったね。BOONのロケって夕方上がりじゃなかったの？」
とりあえず誰に聞かれても無難な言葉を選んで問えば、時速四百キロの世界で勝負する男は無言で片眉を上げた。
「駄目だよー、日本の道路は制限速度五十キロなんだから」
「大丈夫、事故は起こさない」
「分かってるけどさあ」
くすくす笑う長野を、中野も優しい眼差しで見つめる。
やがて��20th Century様�瓩班充┐気譴辛�屋の扉を開けると、雑然とした空気のなかに先程までひとがいた気配を残した室内。
「あれ、他の…」
「坂本くんと井ノ原ね。なんか、楽屋空けてくれるって」
「そうなんだ」
「悪いことしたなって思う？」
いたずらっぽく見上げてくる長野に、その存在を腕に抱き込んだ中野は短く否定した。
「いや。挨拶は…とりあえず後でいい」
番組出演の頻度は比較的高くても、アメリカ在住に加えてレース開催地を転々と移動していく中野と、九時五時では終わらない不規則なリズムの仕事に忙殺される長野とは、電話やメールすらおぼつかないのが現実。
久しぶりに身近に触れる体温に、長野はそっと目蓋を伏せる。
ときに言葉よりも、遥かに雄弁なものがあった。
逢えなくて寂しい。
逢えて嬉しい。
相反する感情すら伝えて余る。
いいたいことはお互いに山ほどあったけど、あと少し、このままでいたかった。
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