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2006年07月08日(土) **学期末試験採点中―「1」になっちゃう生徒**

期末試験中。私の担当科目の答案は全て出揃い、地道に採点作業中なんだけれど、高3の1学期の評価が「1」になってしまう生徒が一人いて、頭を悩ませている。っていうか正確には、半分はホントに頭を悩ませ、4分の1は怒り心頭、4分の1は裏切られたような寂しい気持ちというところかな。あれほどやっとけって言ったのに…どうしてやらなかったんだろう、できる問題だってあったのに。
3年生は平常点を5点まであげることができるので、上限いっぱいをあげれば辛うじて「2」になるので、「2」になるかもしれない可能性がないわけではないのだけれど、でもなあ…。平常点っていうのは、あくまでも平常時の活動に対して与えられるものだから、例えば、普段はすごく頑張っているというのに今回はたまたま悪かったとか、体調不良なのに無理して出てきていて(追試になると得点が2割減になる)平時の実力を出せなかった、とか。とにかくは平常時の評価というのが原則だからねー。
この生徒の場合、私が毎回やっている前回の内容のテスト(そのまま出題)の得点率は2割台だから(クラス平均は6割5分)、いかに平常時からやってないかということがありありとわかる。クラス内ではビリから2番目の得点率なのだ。つまり、全く復習をしていないということで、その累積的結果が今回の期末試験の点数という形になってクリアに表れたということだ。
この時期、何故「1」ではマズイかというと(いつだって「1」はまずいんだけど特にね)、高3の1学期までの成績で卒業見込証明書が作られるからなのだ。、それを使って生徒達は大学の推薦や専門学校の推薦に出願していくことになるんだけれど、ここで「1」という評価があると卒業見込を出せない。つまり2学期末になるまで進学活動ができないということになるのだ。本当のことなので、きつい言い方になるけれど書けば、こういう底辺の生徒は入学試験に対応できる学力は持っていないので、推薦という手段を使わなければ進学はまず無理だ。そして2学期中にはほとんどの大学や専門学校の推薦の出願が締め切られてしまうので、この時期に微動だにできないというのは、大変なことなのだ。
この生徒は今までも成績会議にひっかかりながら、担当の先生方の恩赦のような形でここまで上がってきたのだけれど、この最終段階でこんなことになってしまっているのは、全く反省がない、甘え以外の何物でもないと思われてもしかたない。他の生徒達は、今回の成績までが内申点に関わるので、力を振り絞って真剣に取り組んでいるので、この努力不足の生徒にだけ特別に内申点をあげるなんてことはできないし、やりたくない。ただ、その場合、この生徒の卒業後の進路を考えると、大いに範囲が狭められることになってしまい、どこにも進学できなくなることも可能性としてはとても高いという点にひっかかっている。そんなこと当人は十分にわかってるんだから、やりゃあいいのに、やらないのが悪いんだけど…。
学年主任の先生に話してみたら、平常点をやらずに「1」のままでいいと言われた。この学年主任もこの生徒を教えてきているので、この生徒の実情は十分に把握した上での返答だ。そうきたか…じゃあいいかな、と思ったけれど、担任としてはそうではないだろうなあ。昨年度、この生徒を教えていた他の先生達にリサーチしてみたところ、特別課題を与えて出させることで平常時の活動として評価し、平常点を与えてきたということだった。納得はしたけれど、同時に、その温情がこの生徒にはマイナスに働いているということも感じた。試験ができなくても、先生がくれるプリント2〜3枚やって出せばなんとかなるのだということをこの生徒は経験によって学んでいるため、試験そのものに対する真剣さが足りないということなのだ。でも、そんなのって明らかにズルだ。
今の私の気持ちでは、平常点はあげない方向で行こうと思っている。ただ、まだ担任と話していないので、それによっては大どんでん返しが起こっちゃうかもしれないんだけれど…。


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by  シェディル



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