だからなに。
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日本の夏は、花火大会と蚊取り線香のにおいなのだ。 つうことで今日は勤務先近辺で花火大会のために 帰りは人だらけで浴衣だらけになっていたのだった。 これから花火を見上げに行く人たちをよけながら帰ってきた。
若い子たちはほとんど浴衣姿、しかも男子もね。 浴衣が似合うヤングな男子はすてきよねー。 女の子たちは自分をかわいく見せる術を心得ているから 髪をきれいに結って、下駄履いて小股で歩いて、 浴衣もちゃんときれいに着ている子ばっかりだった。 よい眺めだった。
女の子ふたり連れがふたりともピンクの浴衣を着ていて 色味の違うピンクどうしだったんだけど 遠目でそれが見えて ピンクの浴衣がほんとに似合う子ってかわいいんだろうなあ、 なんて思った。
帰る頃はまだ暗くなる途中だった。 帰り着くまでに、電車は川をいくつか越えるんだけど 屋形船があんなに出ているのは初めて見た。 川から花火を見るんだねえ、風情がありますこと♪ って いくつもそこにいる船を見ながら、ちょっと嬉しい気持ちになった。 曇っていて月もしっかり見えないような天気だったけど 花火はちゃんと見えたのかな? あ 観覧車の電飾は見えたから花火も大丈夫か。
花火大会があると 一般的に「みんな」行く んだけど 思えばあたしは今までに彼氏だった人と そういう何かに行ったことがないのではないか? 1度ぐらいは行ってんじゃないの、って 思い出そうとするんだけど、覚えているものがないってことは そういうのがあるから行ってみよう と思って行ったことは やっぱりないんじゃないの? へええ・・・ 何でもない時期に富士急にスケートとか 成人式には会ってたとか クリスマスの日に帰ったら部屋の中が燃えてるのかと思ったとか そういうのなら覚えてるのにな。 上野で散財デートとか。 イベントごとにこだわらない人ばっかりだったのかもしれん。 あと記念日とかも。
打ち上げ花火を見て、きれいだと思う。 それだけだったのが、いつからか、きれいで泣けてくるようになった。 すんごくきれいで、しかもそのきれいなものは 夜空ですぐに散って消えてしまう。 儚くて切なくて胸がじーんとする。 線香花火でもじーんとする。小さいのにきれい。
「あのね、線香花火を開けてみたらね、 あのパチパチするみたいな形に何か入ってるのかと思ってたら 黒っぽい粉しか入ってなかったんだよ」 お嬢が言ってた。 「火薬の粉が入ってるんだよ あんな粉なのに、どうしてあんなにきれいなんだろねえ? おもしろいよねぇ」 みんなで不思議がった。 線香花火が最後まで咲いた時の、あのいちばん小さいパチパチが好き。 いつも見られるものでもなくて、上手に燃え尽きないと見られない。 打ち上げ花火を見た時と、線香花火をしている時、 日本で生まれて育ってよかった って、すごく思う。
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