ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2004年05月07日(金) 世界のすみっこで君の名を呟く
 久しぶりだね、君に会うのは。
 黄川田が目の前で笑う。
「あたしに興味なくしたんでしょう?」
満足な会話ができないでいる。
「まあ、ね。ばいばい」
ドウシテイッチャウノ
「今まで楽しかったよ」
ドウシテ
「もう会うこともないだろうし」
ドウシテ
「だってもともと学校も違うし、駅で偶然会っただけだもんね」
思い出すオモイダス黄川田とはじめて会ったときのことを。
 あたしは駅のホームで飛び降りたいなあ、どうしようかなあ、なんて愚にもつかぬことを考えていた。そしたら、黄川田があたしに声をかけた。
「ねえ、君に興味があるんだけど」
あたしはたじろいだ。でもすぐに黄川田に飛びついた。いや、比喩的にね。
 それからあたしたちは朝駅のホームで会うようになった。
 そしてあたしの乗り換えの駅まで一緒に行くようになった。
 黄川田はよく云った。
「それ、興味あるなあ」
って。あたしはそれに答えた。それはね、って。そんな甘い関係ももう終わりなんだ。さよならなんだ。さびしくなんてない。でもつらいはず。

「ばいばい」


 ここは駅のホーム。電車がやってくる。
 思わず伸びる手。黄川田のあたたかい背中。
 電車がやってくる。
 黄川田のあたたかい背中。
 電車がやってくる。


 世界のすみっこで、黄川田、とつぶやく。


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