ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2004年03月24日(水) 欲しいのは永遠じゃなくて。
 多分もう一生会えないんだろうな、と、思ったことは何度かある。
 そのうちのひとりとは、思わぬ再会をした。
 ずいぶん前の話。


 初めて会ったときのことを思い出してみても、なんて最初に云ったか思い出せないのが情けないんだけど、とにかくあたしたちは出会った。
 あたしは患者。先生は精神科のドクター。あたしは会ってすぐに先生を好きになった。でも、ある日、先生は告げる。
「他の病院にうつることになったの。それで、そこにあなたが通うのはちょっと無理があるから、他の先生を紹介するわね」
なんて云ってたかはよく憶えてないんだけど、とにかくこんなことを云われた。あたしはショックだった。もう先生に会えない、ってこと?信じられない。
 そして紹介されたのが今の先生。最初の印象は、なんか大丈夫かなぁ、って感じだったけど、今となってはあたしはその先生が大好きで、あだなを母親とこっそりつけて、二人で楽しんでいるぐらい。

 そして、ある日。それは秋、あたしは冬服を着ていた。

「○○(なんて云ってたか忘れた)さーん、どうぞー」
 先生の声だった。えーと、区別がつきにくいので、昔の先生を、K先生と、今の先生をW先生と呼ぶことにします。
 そう、K先生の声。え、と思った。あたしは心底驚いた。
 そのあと、W先生と話しに上の階へ行った。先生たちの部屋がある。
 母親がW先生と話している間、ひとりでソファに腰掛けて待っていた。すると、前の先生たちの部屋から、K先生が、出てきた。

「K先生!お久しぶりです!」
あたしの声は多分に上ずっていたと思う。
 先生がなんて云ったかはここでは書かないけれど、一言だけ。
「それ、制服?素敵じゃない」
先生はあたしが高校に上がる前に交代した。だからK先生はあたしの制服を見たことがなかった。
 うれしかった。とても、そう、とっても。

 そんなことがあったわけで。

 だから、一生会えないなんてこと、まずない。
 きっとどこかで出会える。


 さよならをすくっても、指先から零れ落ちた。
 君の思いをすくおうとしても、指がもつれてうまくすくえなかった。

 でも、大丈夫。あたしだって、君だってまだまだ生きていくんだから、きっと、どこかで、会える。

 全然平気、ばりばりオーケイ。


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