ぼくたちは世界から忘れ去られているんだ

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2002年08月05日(月) 砂のお城
あたしの友達に、どうしてもその声を好きになれない人がいるんだ。
その子のことは好きだし、いい奴だと思うけど、あたしはその声を聞くたんびに、内臓全部取り出して、引っ掻き回したくなる。

電話で奴の声を聞くのは、初めてだった。
あれ、あいつ、こんな声してたんだっけ。
それぐらいの違和感。
やっぱり携帯電話はダメだね、と、奴が言う。
それを聞きながらあたしは曖昧に相槌をうつ。

あたしの書く文章を、好きだ、と、いってくれた人がいた。
その人はあたしの声が好きだろうか。
嫌いだろうか。
嫌いなら何故だろうか。

こんなにも、世界は美しいのに。

彼女、いや、彼、いや、自分、いや、他人、が、云った。

こんなにも、世界は美しいのに。


あたしはその声を聞いて、体を全部うらっかえして、干してしまいたいと、思った。


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