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もくじきのうつぎの日社会の窓

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2002年08月30日(金) 去りゆくもの

 あるはずのものがない!通勤途中に見える見慣れた建物がない。そこは1年だけ行っていた専門学校。杜撰な経営でつぶれたか!?と思っていたら、どうやら建て直しみたい。ちなみに『恋風塵』で書いた「名ばかりの大きな時計」とはここの事。今度も時計は出来るのかな。

 8月の中旬、よく観ていた日記サイトが忽然と消えた。書いていたのは17歳の女の娘。そんなの良くある話だが、消え方が尋常じゃなかった。7月くらいから「あの人に逢えるまであと○日」と死へのカウントダウンを始めていた。ネットの中だからいくらでも偽れるけれど、そういう感じではなかった。
 母親が宗教にはまり家を出て、借金を苦に父親が死に、高校を辞めざらえなくなった彼女は、いつしか身体を売るようになる。そして、以前から想いを寄せていた人には新しい彼女が出来、何者への希望を持てなくなった彼女は死を選んだ。簡単に書けばこうだ。それでもその中で生きて行く事に希望を持ったシーンも幾つもあった。人の不幸がただ好きなのか、その娘の生活、生き方に興味があったのか自分でも定かではないが、小説のような内容に惹かれた。「ダメ人間」と豪語するサイトはいくらでもあるが、それらとは何かが違っている様に僕には思えた。結局死を選ぶ事しか出来なかった彼女に、僕は生きて何を伝える事が出きるのだろうか。そもそもこう言う考えが去り逝く者にとっては邪魔なのかもしれない。

 今日お使いの途中、小さな会社での退職シーンを見た。おそらく定年退職だと思われる歳のおじさんが、花束を抱え皆に囲まれるようにして出てきた。リストラだったら、あんな雰囲気で見送られはしないだろう。他の社員が「じゃ、月曜また待っているから」と冗談を交わす。ちょっと涙ぐんでいる若いお姉ちゃんもいて、なかなかいいシーンだった。去り行く姿で、その人の人生を少しだけ垣間見ることが出来た。背中は寂しそうだったが、満足げでもあった。

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