酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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| 2003年06月14日(土) |
殺し屋シュウ 野沢尚 |
修の父は、狂犬だった。通称マル暴所に属していた本物のやくざよりやくざらしい刑事。修の母・阿沙子はかつて本牧の不良少女。父に補導されたことがふたりの出会いだった。父の狂犬ぶりの犠牲となる阿沙子と修。離婚をすすめても女であるがゆえに父から離れられない阿沙子。阿沙子が父より他に愛する男が現れた時、修は父を殺すことになる。修の身代わりとなり服役する母・阿沙子。そして修は殺し屋になる・・・。
野沢さんの物語は、容易に映像が浮かんできます。この物語も配役を想定しながら読んでいました。修が殺し屋シュウとなったのは、母親を愛しすぎていたからかもしれないな、と思います。母親が出所する時のシュウがどんな人間になっているのかがポイントですね。 この物語の美味しいところは、殺しのミッションごとにふさわしい(?)お酒が出てくるところでした。呑んでみたいと思ったカクテルは‘X.Y.Z.’=「これで終わり」と言う名のカクテル。ラムとホワイト・キュラソーとレモンジュースをシェイク。ううん、呑んでみたい。次にBARに行ったら呑んでみよう。 「おれ、母さんに一つだけ訊きたかった。母さんの悲しむ顔を見たくなかったから、訊けなかった」 「何?」 「やめられないのか? いつになったらやめてくれるんだ?」 「何を?」 「・・・・・・女を」
『殺し屋シュウ』 2003.5.25. 野沢尚 幻冬舎
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