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2004年03月08日(月) すますま(ちょなんかんSP)

あの男が好きで、よかった。


放送終了後、即座に、携帯をつかむ。
相手は、yokoさん。彼女しか、考えられなかった。


”あれは、丸暗記です”

えぇ〜???? あんきぃ〜???
わたしゃ、てっきり、カンペだと、思ってたわさ。

当時、わたしは、つよしくんは、勉強を、始めたばかりだと、思っていた。
実際は、ぜんぜん、やってなくて(笑)、っていうのも、驚いたけど、
韓国語を、まったく知らない人が、あれだけの量を、覚えられるかね?

当時、映像を見ていて、あまりに流暢で、こりゃ、カンペだな、と。
いくらなんでも、できるワケがない。
でも、多少は意味などを把握して、カンペを使っているのだと、思っていました。

今の私でも、できません。絶対、どこかで、迷う。
でも、とも、思う。妹は、1時間半で、ちょんまるさらんへよを、まったく、
意味もわからず、丸暗記した。でも、あれは、音楽付で、リズムがある。

”役者は、セリフを覚えるから、短時間での暗記は、得意”
とは、確か、吾郎様の言葉だったと、思う。
でも、それにしたって、と、思うくらいの、量。



”みなさん、ボクは、日本の有名人です”

ダレも、振り返らない。足をとめない。
一瞬、言葉に、つまる。でも、彼は、けっきょく、やりとげた。

あのクソ度胸は、どこからくるのかと、思う。
日本の番組では、ほとんどしゃべらないし、見当違いのことも、しばしば。


”あいつは、ちょっと、強くなったよ”

ユースケさんの、言葉。

確かに、外国である、ということで、いつもより力んでいたとも、思う。
自分も、日本では出来ないようなことも、外国ではできる。
中国でタクシーの運ちゃんに、取り囲まれたとき、絶対、負けるもんか、とか、
夜中のソウルを、ひとりで、ほっつき歩いた。それも、治安の悪いエリア。
帰国後、韓国語の先生に、こっぴどく、怒られたっけ。

それでも、よく、がんばったと思う。
わたしのは、私生活の延長であるが、彼は、芸能活動の一環だ。
いくらなんでも、まともにしゃべれないのに、単独で、街頭ステージに、立つか?


あの男を、好きでよかった。


”実は、ぜんぜん、しゃべれないんだよ”

予想以上の世間の反応に、驚いたのか?
このままでは、ウソつきに。
今、話題の韓国を利用しての、便乗活動だと、思われてしまう。

”ほんとうに、好きなんだよ”

だから、がんばった。吾郎様の励ましに、ちょっとだけ、癒されて。

”すごい、がんばっていましたよ。楽屋が一緒でしたから、よくしっています”


わたしも、知っていたつもりだった。わかっていたつもりだった。
でも、実際は、想像以上の努力だったと、気付く。
自分だって、勉強しているのだから、その大変さは、わかっていたのに。

確かに、彼には、専属の先生がいる。それは、すごい魅力だ。
わたしのように、年間6万の、35回コースとは、ワケが違う。
でも、それでも、当人に覚える気がなければ。
特に、語学は、復習が大事だから、やらなきゃ、絶対、覚えられない。

”みなさん、一緒に、がんばりましょう”

自分が、示さなきゃ。気概を、見せなきゃ。
でも、だからといって、どうして、そこまで、いけるのか?


先日の、スマステーションでも、愕然とする。
あれは、もう、余裕の完全に、聞き取れて、理解している。
1年前くらいの、ちょっとの躊躇が、微塵も感じられない。

なぜ? なぜ、そこまで、いけるの?



ハン・ソキュ氏との、対談。
それを見て、もう、涙が、止まらなかった。

それは、つよしくんが、夢を叶えたから、とかではない。
あの体を見て、自分は、大きな勘違いに、気がつく。

つよしくんは、韓国語だけ、チョナンカンだけの仕事では、ないのだ。
やせすぎた、今とは、まったく違う体から、あの撮影が、
”僕の生きる道” の頃だったことを、思い出す。

そうなのだ。彼は、いろいろな仕事と並行して、あそこまでいったのだ。
わたしが、仕事が忙しいとか、そう言い訳している中、
もっと、忙しいはずの彼は、止まることなく、どんどん、進んでいたのだ。



あの男が好きで、よかった。
そして、同時に、憎らしいほどに、腹ただしい。


”これ、終わるのかなぁ〜???”

彼は、好きなことをしているから、楽しい。
8時間のレコーディングなんて、疲れきって、当然。
床に座って、へらへらしている姿は、いわゆる、ナチュラル・ハイ。

でも、それでも、彼は、前へと、進んでいく。



”yokoさん、わたしは、くやしい・・・”

いつも、電話してくるとき、じゅりさんは、泣いているね、と、言われる。
でも、”くやしい”の一言で、全てを、わかってくれるのは、yokoさんだけ。
何に、くやしがり、何に、泣いているのか?
それを、説明しなくても、わかってくれるのは、yokoさんだけだ。


”比較をしては、いけませんよ”

そう、yokoさんは、言ってくれる。
だが、確かに、社会的地位も、収入も、どうにもならないほどに、離れているが、
努力だけは、金がなくても、ダレにでも、できる。

別に、韓国語だけじゃない。仕事もそうだし、趣味もそうだし。
書いていて思い出したが、ヤツは趣味でも、すごい。
ジーンズのマニア熱は、おそらく、日本国内でも、相当のものだと思う。

年齢も、それほど、かわらない。
貯蓄額も、仕事の内容も、住んでいる部屋の広さも、ぜんぜん、違うけど。
でも、努力だけは、そんなこと、まったく関係なく、できるんだ!


下を見ていては、キリがない。
そんなことで、安心していたら、一生、このままだ。

”くやしい。そして、自分が、なさけない”

涙は、番組の途中から、止まることを知らず。



あの男を、好きでよかった。
それと同時に、憎らしいほどに、嫉妬の感情。

殴ってやりたい。あの男を、殴ってやりたい。
オマエは、どうして、そこまで、できるのか?
胸倉つかんで、問いただしたい。



殴りたい。

でも、くさなぎつよしに、向けて、放ったこぶしは、
そのまま、自分のこめかみを、恐ろしい痛さで、ヒットする。


殴ってくれ。悲鳴を上げるほどに、殴ってくれ。
この情けない自分を、ずたずたになるまで、殴ってくれ。



いや、もう、わたしは、何度も、くさなぎつよしに、殴られている。
何度も、何度も、あの男に、踏みつけられ、痛めつけられている。


あの男の後姿を。
前に進み行く、あの男の、力強い、足音を。

痛めつけられ、地面に、はいつくばりながら、それもで、目だけは、
一度も、振り返ることのない、あの男の、後姿を、背中を。


”ちくしょうっ!”

涙にまみれた目で。
絶対、見つづけてやると。

そして、いつか、必ず、あの背中に、ケリを入れられるまで、近づいてやる。
絶対、いつか、”どうだっ!” と、けったくれるように。

今は、とても、とても、足元にも、及ばない、自分だけれども。



あの男を、好きで、ほんとうに、よかった。


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