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2003年03月04日(火) 僕の生きる道(第9話)

うっ! と、おなかを、押さえて、倒れる、中村先生。

みんな、すごい、慌てていた。
久保先生も、教頭先生も、みんな、驚いて、慌てていた。


いのちは、ひとりに、ひとつしか、ないから。

その人が、いなくなってしまう、って、大きいことだと。
当たり前のことだが、日頃は、意識しないで、生きている。

今、目の前にいる、その、いつもの人たちも、かけがえのない、存在。
それを、忘れては、絶対に、いけないのだと。

普通の、普段の職場で、意識を失った、中村先生。
日常は、生きることの、連続なのだと、思い知らされた。



”天使が、歌っているのかと、思いました”

いや、天使は、キミだと、思うよ、と。

それは、くさなぎつよしに、言っているのか、中村先生に、言っているのか?
どうにも、わからないほどに。



白いシーツの中、足を、まっすぐに、のばして。

”秀雄くんも、がんばっているのだから”

でも、ほんとうに、ほんとうに、中村先生が、死んでしまうのか?
まだまだ、思い切り、元気に、生きていくように、思えて、仕方がない。


だって、あんなに、前向きに、生きているんだよ!
どうして、そんな人が、もうすぐ、死んでしまうのか?

中村先生の、人生は、とても、幸福で、上昇しているのに、
どうして、命だけが、終焉へと、向かっているのか?


わからない、わからない。

”どうして、オレなんだよ!”

最初の頃の、中村先生の叫びが、今、聞こえてくる。
今、とても、悲しく、聞こえてくる。


おだやかな、彼の演技が。
いっしょの写真が、ほしいと、言う、みどり先生が。
静かなふたりが、強く、心を、かき乱す。



”僕は、あの家に、住まない方が、いいと、思います”
”ダレに、見せるために、撮ったわけでは、ないですから”

ばかやろう。悟りすましたこと、言いやがって。
悪態を、つかなければ、いけないほどに、心、震える。

みどり先生の、今後を、考えて。自分の影を、消そうと、している。


でも、彼女が、彼を愛したのは、消せない、事実。
彼女は、その想い出を胸に、生き、そしてまた、誰かを、愛する。

そのためには、愛した人との、思い出の品も、必要だと。
去り行く彼は、不必要と、考えるが、残る彼女には、必要だと。

彼女の考えを、認めての、ふたりの写真が、悲しくて。



去り行く人と、残る人。そのどちらも、つらい。

でも、今、目の前にいる、その誰かとも、いつかは、さようなら。

だからこそ、大切に、しなければ、いけないと。
そう、つよしくんが、言っているように、思えました。



追伸

へー、来週は、温泉ですか? 
って! いっしょに、入ってんじゃん!

なに、その、距離。 夫婦だろ? なによ、その距離。

と、いうより、くさなぎつよし!
お前、いつのまに、婦女子と、一緒に、フロに入るまでに、なったのさ。
じゅりちゃん、許可した、覚え、ないですよ!(激怒)

おまけに、なんだよ、その、浴衣。
まさかと、思うけど、ベットシーンって、布団の上でか?
この間の、大笑い、白シャツ、が、そうじゃ、なかったの?


もう、こういう時に、限って、リアルタイム。
ムリして、見るんじゃ、なかったよ。
こんな状態で、来週まで、どうやって、生きていけば、いいのさ。


やだやだ、つよしくん! 
って、収録済み、でしょうが、でもでも、あがいて、やるぜ! 


我慢に、我慢を、重ねた、涙が、ばかやろうの、怒号とともに。


ふざけんなよ、くさんぎつよし。
お前なんか、あの程度の、ベットシーンで、充分、なんだよ!
けっこう、いいシーンだったな、なんて、思って、いたんだぜ。


ちくしょう! くさなぎつよし!

くさなぎつよしの、くせ、しやがって。
背伸びして、がんばろう、なんて、まだまだ、はえーんだよ!

ばぁーかっ!!!!!!(逃走)


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