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2002年04月19日(金) 陰陽師

NHK・BSでの再放送、陰陽師。
遅ればせながら拝見いたしました。

この一週間、相棒の龍兄に定時で帰宅する言い訳に苦労しました。
まさかこのクソ忙しい時(決算)、一週間きっちり定時で、
”すまっぷ、見たいんです。お先に失礼致します”
とは、いくら龍兄がギャグの通じる関西人でも、怒るでしょう。
でも気付いているだろうな。
わたしの行動なんて、新聞のテレビ欄の”すまっぷ”という文字に、
”呪”をかけられてるんですものね。
吾郎陰陽師でなくても、ダレにでもお見通し!

さてさて、吾郎様の陰陽師。
原作の小説やマンガなどを人からかりて、読んでおりました。
正直、最初は、映画などの予告と比べ、
”なんだよ、迫力、たりねーなー!”
と、ぶーたてれておりました。
吾郎様がいつもと違う雰囲気で、吾郎様に見えなかったのも退屈さ倍増です。

しかし途中から、なぜNHKが吾郎様を起用したのか、よくわかりました。

映画などの予告を見た限りでは、あちらはCGを使用して、
かなり娯楽性の高い作品のようです。

しかし、NHKは晴明の人となり、にスポットを当てていたようですね。
だから最初は物足りなく感じたのでしょう。
ほんと、この短気な世の中、さすが国営放送のNHK。地味でのんきです。

でもだからこそ、途中までガマンして見ていると、
だんだんと晴明に引き込まれていくのですね。
またそれを吾郎様が丁寧に、雰囲気たっぷり、演じてくれています。

晴明の”寂しさの呪”(つよしくんならコレを”恨”ハンと表現するでしょう)
これがどのように解けていくのか?
それが丁寧に描かれていました。
すばらしい!これは視聴率稼ぎにやっきになっている民放ではできない芸当です。

話の間に、吾郎様のインタビューが放送されていましたが、
あれは本放送でもあったのでしょうか?

”音楽の使い方が、とても変わっていた”
と、吾郎様の感想ですが、あれもNHKならではです。

民放では決して使用されない、バックミュージックの使い方。
映像を邪魔しないように、選びに選ばれた曲の数々。
民放ですと、どうしても曲の存在が強すぎてしまうドラマなどが多いです。
役者の演技に集中できない、そういうことを時々感じます。

しかし陰陽師では、BGMもかなり控えた作りになっていて、
役者さんの演技だけで、雰囲気などをつくっていて、落ち着いた作品でした。
また、ほとんど効果音に近い曲を従えた吾郎様の表情だけの演技。
あれもラストに近づくにつれて、どんどん、ひきつけられます。

しかし、最後に、おもいっきりフツーの音楽でエンディング。
で、吾郎様がお空を見つめて立っている。
それが最終回の最後のセリフ。
"1000年後の人間はどうなっているのだろうか?”
につながっていたんですね。
フツーの音楽が現在、1000年後を表していていたなんて。
なんて気の長い演出でしょう。

吾郎様は現在、TBSで”ヨイショの男”が放送中ですが、
ああいうのとは違った、陰陽師のような演技では、
NHKのような演出が、とてもお似合いだとおもいました。

とても少ない、それも表情だけの演技。
あれには余計な飾りは不要ですね。

ひそやかな効果音もどきのBGMと表情だけで、
吾郎様は、平安の世の闇と現実の狭間に漂う、
晴明のさびしさを、充分あらわしていらっしゃいました。


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