友達と話していて、漫画家さんなどで「好きな絵」ということについていろいろ考えていたのですが。
「この人の絵、好き!」っていうのはたくさんありますけど、突き詰めて突き詰めて考えて行くと、本当にすごく好きっていうのはあんまりないと思います。
例えば小畑健さんの絵。すごいなーとは思うんですが、根本的には好きなタイプの絵じゃないんですよ。 私の世代で美麗な絵を描く漫画家っていうと清水玲子とか思い浮かぶんですが、作品好きだし画集も持ってるんだけど、これも根本的には好きな絵じゃない。(むしろ嫌いかも。顔とか) 成田美奈子も、昔よくカラーとか真似して色塗ったりしたけど、作品好きだけど、やっぱり根本的には好きな絵じゃない気がする。
じゃあ根本的に好きってどういうことかって考えてたんですが。
カラーイラストとか、トーンワークとかデザインとか「装飾」の部分ではなく、下絵の線、ペンタッチが好きな絵(そして好みの絵柄)というのが私の考える「好きな絵柄」みたいなんですね。 小畑さんの絵は体の線が細すぎてどうも好きになれない。清水さんもそう。成田さんは以前どこかで「私の絵は骨の存在を感じさせない絵でそれが凄いコンプレックス」というようなことを言っていて、ああ確かに!と根本的に好きになれない理由がわかった気がしました。 どうも結局は「どんな体型を描くか」というところに行きそうなんですが、まず線の細い男性を描く人は「根本的に好きではない」に分類されてしまうんです。 私が明らかに「好き!」な絵は森脇真末味。今日その絵をじっくり見てみたんですが、ペンタッチがまず好きだなあ。こういう絵を描けるようになりたかった。あこがれです。 ゴツゴツっとした、骨と関節の存在がわかる体。 (ユタ的に)スタイリッシュかつ泥臭い線(ペンタッチ)であるところ(ここが重要) 単にスタイリッシュなだけだと漫画から浮き上がって見えたり、逆に埋没したり あーグラビアのもろ写しだねーってのあるんだけど、 この人の絵柄は地に足がついているところが好きなんです。
あと逆に、私には絶対描けない!という繊細な絵を描く人も好き。 線が細いんじゃくて、繊細。で、センスがいい。 OKAMAさんとかね。 あ、架月弥さんの絵も凄く好きだ!!
ずっと絵描きだったのでどうしても「(タイプとして)自分が描けるか描けないか」を主眼においてしまうところが あるかもしれません… いやもちろん、いくら上手くなったって絶対小畑さんのような絵は描けないけど、デッサンをすんごく練習したりすれば、とりあえず近づいたりすることはできるかもしれないじゃない。 でも、OKAMAさんみたいな絵はたぶん絶対に描けるようにならないもんね…
今日は寄生獣を読み返して、やっぱり凄い凄い…とちょっとぼうっとしてしまいました。 これは絵の力が凄かった漫画だよね。 ハリウッドで実写映画化されるそうだけど、是非ものすごいものを作ってほしい。あの、顔がシュッて三つに割れるところとか…ああ!つまらんもの作ったら許しませんよ!! どろろも映画化されるそうだけど(白目をむきつつ)デビルマンという前例があるので、もう何も信用できません…
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