本をよむ、夢を見る。

私は本を買わないと読めません。何故だか。
友達に借りたりするのだけどなかなか読む気がしなくて、そろそろ返そうかなって時に一気読みをしたりする。
「自分のもの」という感覚がないと文字に触れている感覚も薄い気がする。
だから買ってしまうのだが・・・そろそろ本棚も飽和状態だわ。

今日は安部公房の本を買ったので読んでました。
「笑う月」と言う題。
まだ読み途中なんですが、なかなか興味深いです。
安部公房の創作に関してのエッセイみたいなものですね。
作品を書く際に発想がどこからでてくるか、無意識のうちの登場人物のモデルとか。
特に面白いのが夢の描写、まるで彼の作品の世界にいるようです。
夢って、やはりその人そのものなのですねえ。
みなの見る夢が文章に出来たら、傑作ばかりなのではないかな。

日記を書いていると他の方の日記を読むことも多いですが、
ハッとする文章を書かれる方が多いです。うらやましい。
私は言葉が足りない上に、文章での表現力が脆弱なので上手く言葉を操る人が一番素敵に思える。
そんな文章を書く人の夢を見てみたいものです。

ちなみに私が文章にしびれた人は、
鈴木いづみさん。
エッセイの「速度が問題なのだ。人生の絶対量は、はじめから決まっているという気がする。細く長くか太く短くか、いずれにしても使いきってしまえば死ぬよりほかにない。どのくらいのはやさで生きるか?」の部分。
もうソラで言えるほど好きです。

中島敦氏。
高校の教科書に載っていた「山月記」には相当しびれさせてもらいましたよ。
あの硬質な文章・無駄のない表現。なのにテンポがいい。
しかも山月記の主人公無性に共感してしまったわたくし。
豊頬の美少年、博学才穎、若くして名を虎榜に連ねなどとはゆきませんが、
「我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」がもうその頃の私を表しているかのようで、こういうことで悩む人って昔からいるのねとむやみに感動していた思い出があります。
友達にこれを言うと友達には「まじでー?」といわれてしまうんですが、教科書に載っている文章ってバカに出来ないと思うんです。知識の宝庫だよ。
ただ先生の授業の仕方にかかっていると思う。国語の授業はね。

これを記に私の国語熱が上昇し、成績は相当良くなりました。
国語だけなら良い大学にいけるのに、と言われたこともあったのに・・・・それがいまやアホ文しか書けない女子大生に・・・うくく。
精進します。
2002年09月02日(月)

日々ノオト / kica

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