| まったりぐったり日記 | メモ 夏古 |
| 2003年09月10日(水) ヽ(`ω´)ノムキィ |
| せっかくブックオフに行こうと思って自転車に乗ったら、空気が入ってないし! パンクかうちの体重のせいでなのかただ単に空気が入ってないのかはさっぱり分かりませんが。 もうその時点で行く気が失せ、自転車置き場に戻って鍵を抜こうとすれば、雨ざらしのせいで錆びた錠のせいで引っかかって抜けないし! おまけに雨だよ。小降りだけど、ベランダに洗濯物干してあるし! くっ、悔しい。雨にもタイヤの空気にも鍵にもだけど、何よりそんなことぐらいで行くのをやめる自分に悔しい。 もう知らん。 明日もあるし、明日晴れたら行こうっと。 明後日は病院だから行けないけど。 ■十二国記 昨日から「風の万里〜」始まったー。 年内に東西も全部終わると、年始めっから寂しくなるから是非ともやめて頂きたい。 そして、あわよくば来年の4月から新シリーズってことで…!(無理) ■火星 そういえば昨日は満月と火星とですごく綺麗だった。 今日も晴れてたらカメラに納めよーっと。 ■空 最近雲の形が毎日変わるので、新鮮な気分。見てて飽きないし。 すっごい大きな雲があったから撮ってみた。メモに送ることにする。 カメラの性能が悪いので、ピンクがかってる可能性大だけど。 ■幽遊白書 夕方から再放送をしているのを見ているわけだけど。 やっぱオープニングとエンディングがいーんだよな。 もう何回も見てるけどさ、曲とバックの絵が合ってるんだよね。 そして、幽遊白書と言えばあの名台詞なわけで。 っつーかあそこの場面しか覚えてないんだけどさ。 なんか思い出した。 昔すごいカード集めてたなー…。大事にしてたの覚えてるや。 ------------------------------------------ 非常ベルが鳴る。 しん、という音が出るぐらい静かなこの街に、非常ベルが鳴る。 癪に障るくらい大きく劈くような音で、私を不安にさせる。 もうかれこれ5時間余り鳴っているはずだ。 誰一人としてマンションの廊下に出てこない。 マンションだけでない。 近所の一軒家に住む人々にも聞こえているはずだ。すぐ目の前にある学校にも。 その街に住む人々に関心がないということではない。 誰もいないのだ。 私という一人の人物を除いては。 誰も何も動かないということが、ここに一人だという事実に拍車を掛けている。 もう一度、あらん限りの力を込めて押す。 何度目だろう。このスイッチを押すのは。 朝起きると、誰もいなかった。 家にもマンションにも向かいの学校にも、誰一人として。 街から自分以外の人が一瞬にしてどこかへ行ってしまったようだった。 キッチンには母が作ったと思われるみそ汁と茶碗に入ったご飯が、湯気をたてて待っていた。 隣の家もその隣の家もそのまた隣の家も、どこにも人はいなかった。 北海道へ単身赴任しているはずの父に電話をしたが電話は繋がらなかった。 自分の部屋へ戻り、さっぱり訳のわからないままの頭をどうにかこうにか冷やそうと思った。 しかし戻ったところでそんな簡単な事ではなさそうで、ただ分かる一つのことは「自分しかここにいない」だけだった。 自分以外の人間がいることを信じたくて、どうしてこうなってしまったのか訳もわからずに、朝からそれこそ食事すら摂らずに、ひたすらこの非常ベルを押し続けている。 押したまま、自分は狂ってしまったのではないかと思った。 突然人が見えなくなってしまったのではないか、と。 不安で不安で仕方がない。誰か、誰か一人でいい。私が一人になったと信じたくない。 15秒経って、もう一度ベルを押した。 誰も見つからずに3日が経った。 食事も摂らず風呂にも入らず寝もしなかった。 ただひたすら、「誰か」と願いを込めて押し続けていた。 今が夕方なのか夜明けなのか分からないほどに憔悴しきった頭で、私は二度と自分以外の人を見ることはないのだろうと漠然と感じることだけが出来た。 ――このまま誰を見ることもなく、誰に見られることもなく、この自分の知らない土地で。 彼女の様子を見ることが出来る者がその場にいれば、彼女は狂っている以外の何者でもなかっただろう。目は虚ろで髪も櫛を入れた様子が無く体はやせ細りたまに呻き声を発し、規則的に非常ベルのスイッチを鳴らし続けるだけの彼女は、3日前と同じ人間だとはもはや思えなかった。 「たった3日間人に会わなかった」それだけで人はこんなにも変わるのだ、とある者は感嘆の思いを吐き出し、ある者はその姿を見て泣いただろう。 そして彼女は、起きてから4日と3時間42分後に、死んだ。 最後の力を振り絞って押した非常ベルの音は、自分に対する手向けだったのかもしれなかった。 彼女の手が、本体が亡くなった後もずっとスイッチを押していたが、30分程経ったところで突然きれた。 白衣を着た数人の人間がどこからともなくやってきて、彼女だったモノを持っていく。 仮説は正しかった。やはりもって4日か。今度の学会で発表だ、などと言いながら。 博士、おめでとうございます。と言ったのは自分が「博士」と呼んだ者の弟子だ。声を震わせ、全身で全身の震えを止めているかのように彼女は小刻みに揺れていた。 「……ああ、君か。ありがとう。君のおかげだよ」 そう言って博士はにこやかに彼女の手を握った。彼女は握り返さなかった。 違う。あれは私じゃない。 「――いや、性格には君のクローンのおかげだが。オリジナルは君だからな」 オリジナル?オリジナルって何?私がクローンのほうではないのですか。 「オリジナルはむこ……」 「さ、これから祝いの席だ。君も世界のトップに入るんだから、シャキっとしてもらわなくては困るぞ」 あははは、と博士と弟子の数人が笑っている。 オリジナルは向こうです私がクローンなんです、と言おうとして遮られた。 博士はきっと知っているのだ。私の、彼女の直感が言っている。 私たちが交代していたことを、あの夜のことを知っているのだ。 「あなたは私の分身よ。あなたは『私』なんだから、これから起こることも知っているわね。そして私がどう思っているかも」 こっくり頷く。 「私はもう長く生きすぎた。そして博士の下にいるのももう沢山だわ。でもあなたはまだ生まれて1年。これからいくらだって生きることが出来るわ、その体なら」 だんだんと彼女が言わんとしていることが分かってきた。 「そ、そんなこと! 出来ないわ! あなたをみすみす殺す事なんて、私にだって出来ないわよ!」 「やるしかないのよ! 私はもう散々生きたわ。それこそ宇宙の隅から隅まで知れるぐらいには。あんたにだってちょっとは分かってるんでしょう」 私は彼女で彼女は私なのだ。私だって太陽より遠い記憶を持っている。黙っていることしか出来なかった。 「……きっと代替わりの季節なのよ」 そう言って彼女は一つため息をついた。 「私が生まれたところもこんな感じのところだったし。もう二度と人には関わらないと決めたのにね。人と関わらないと死ぬなんて、この体どっかおかしいんじゃないの?」 その謎は、彼女が生まれる前からずっと持っていた疑問だった。しかし今はそれどころではない。 「……」 「ね? もういいでしょう。あなただって自分自身で『心』ってもんを知りたいでしょうが」 『心』、生まれてしばらくは私には無いものだと彼女から聞かされた。 「諦めなさい」 言われた瞬間、胸の辺りがズキズキと痛んだ。こんなの初めてだ。 思わず胸を押さえると、彼女が「そら来た」と言った。 涙が溢れて止まらなかった。彼女の行く末を知っているのに彼女を止められない。 「……ごめんなさい、あなたを止められなくて。……あんなやつの子供で」 「気にしてないわよ。人を避けると死ぬっていうこの体質が少しでも分かれば、と思って『世界で一番神に近い』と謳われる博士のところへ来たのは私だし。まさかあんなに嫌なやつだとは思ってなかったけど。」 泣きじゃくる私の頭を撫でながら、彼女はまたため息をついて笑ってくれた。 「私の方こそごめんなさい。あなたを隠すような真似をして。でも、私たちは絶対にヒトに捕まってはならないわ」 分かるわね?と念を押されて、頷いた。 「ん、じゃあ私たち入れ替わってくるわね。クローンは長く生きてきた私たちでもやったことがないから分からない。だからこそ、あなたが注意深く見守ってるのよ。……と言ってもあれは私だし、私はあなただから何も言わなくても分かってるとは思うけど」 そういうと彼女は立ち上がった。 「次にあなたに会えるのはいつかしらね。楽しみにしてるわ」 艶やかな笑みを残して彼女は部屋から出ていった。 私は母を思ってずっと泣いていた。クローンが夜中に来たが、彼女もまた泣いていた。 二度と会えない訳ではない。しかし、それはもう彼女ではないのだろう。 これから、私も何代にも渡ってきた記憶の一部になるのだ。 太陽よりも、太陽系よりも、この宇宙の果てまでよりも遠い記憶の。 -----------後書きっていうか自分のために設定思い出し中---------- まーつまり。 代々子供に、人と関わらなければ死ぬという条件付きの不死の体と代々の記憶を受け継がせる女性がいるわけです。 子供も一日もすれば大人の体になって、母そっくりになるわけ。 その「母」が最初のところで非常ベルを鳴らし続ける女、つまりオリジナル。 オリジナル(母)が死んで博士に感謝され握手したのが、クローン。 「母」から生まれた次代の不死者が、最後の方で泣いてる「私」。 彼女って言ったらオリジナルのことですね、大体は。 ■あらすじとしては。 博士は弟子でもあり恋人でもある人のクローンを使って、「人は自分以外の者がいなくなったらどうなるか」という実験をしていたわけ。クローンの記憶は全く違う人のものにしておいてね。 それを知った「彼女」は、クローンが可哀想になって入れ替わることを決意。 その前に自分の子供に了承を得ないとってことで、私のもとへ。 そんなお話。 ----------今度こそ後書き----------- ひー思った以上に長編に…! 「非常ベルを鳴らす女」がテーマだったんだけどな。いつからこんなことに。 非常ベルが鳴ってたんですよ。近くのマンションで。壊れてただけみたいなんですけど。 書いてる途中に思ったけど、しばらく前のガンガンの読み切りにあった展開を思い出した。彼女が死んで博士が出てくるまでの展開はそっくりだ。 前半は「ターン」だし。 パクrか?(笑)そんなつもりなかったんだけどな。 そして読み返さないから誤字脱字多いかも。読み返すの恥ずかしいし。 まいっか。 |
| 未来 / 目次 / 過去 |
Powered by NINJA TOOLS
|
|