.第6話:『Teenage Walk』 

♪Teenagewalk 鳥が空へ遠く羽ばたくように
  いつか飛びたてるさ 自分だけの翼で
   Teenagewalk あきらめないたとえ時間がすぎても
    いつか見えるはずさ 自分らしい生き方    


 世の中に、星の数ほど職業はあるけど、どうしてもつきたくない職業がある。
 それは、美容師。
 あたし・谷村麻衣の両親は美容師をしている。ちゃんと自分の店も持っている、常連さんもいっぱいいるから生活に困るわけじゃない。お小遣いだって他の子達よりは多いみたいだし、欲しいものも買ってもらえた。
 だけど、店の休みはたいがい月曜日で、世間のお父さん・お母さんがお休みになる日曜日は当然稼ぎ時で一日中店に出ている。
 小さいとき、親が運動会や授業参観に来てくれたことなんかほとんどなくて、クラスメートが家族団らんを繰り広げてるそばで、あたしと三歳上の由衣姉ちゃんと二人で店の従業員さんが届けてくれたお弁当を食べると言うのが常だった。
 おまけに休みが月曜だから遊びにつれていってもらったという記憶がない。
 さらに、由衣姉ちゃんまで美容師になって店の手伝いをしてるから、家事の一切があたしにまわってきて、正直言ってまいっていた。
 両親や姉を見てりゃ、思った以上にきつそうだし、そのせいかせっかくの休みも寝てるか、家でぼーっとしてるかのどちらかで、その大変さはよくわかっているつもりだから、あたしにできる限りのことはしてあげたいと思う。だけど、どうしても『美容師』という形で両親や姉のサポートをしたいという気になれないのだ。
 
 そんなこんなで、高2になったあたしは進路希望のプリントを前に悩んでいた。
 「とりあえず」高校は行かなきゃと思って、「とりあえず」目的もないまま、高校生になりゃ何か見つかるだろうと、由衣姉ちゃんと同じ城山高校に入学したのだが、いまだに自分の進むべき道が見えてこないのだ。
                        
                  (『Teenage Walk』△愨海)

2002年07月17日(水)


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