まだ、やってます。
今日も、かいこさんの日記。

2005年10月05日(水) キンモクセイハカオリ、

ながくながく続く
海のその上の、
白い光の空が、
内包された世界を
照らす朝なのです。
鬱々として抑圧された
やみの中を走る、
大きな生き物のように、
その光は、
気付かないほど
ゆっくりとした速さで、
この世界を、
驚くほど変え続けて。
いつもの景色の中に見る
違和感ほど、
不思議な感触のものは
ありませんが、
殊に、空の下のたった一つの
情景といえど、
この光とやみとの対照が
心の中に拡がるさまは、
日常を逸して、
はっと息を呑んでしまうのです。

* * * * * * * * * *

川向ひの空家に
金木犀は香り、
やはり姿は見へず、
一体それは星の欠けた
粒のやうな小さな花か、
けなげに寄り添ひて咲き、
とほくの窓まで
とどくといふ。
夢見るように
浪漫ちっくな容姿、
愛しい人を
探すかの如く
野をかき分け、
見つければ、
唯はぢらうているやうで、
梶井基次郎の檸檬の世界、
透明色があたまの中を駆け巡り、
時を止め、
逆流し、
いつまでも目を
醒ませずにいる。
いっそこのまま
置き去りにして、
飛んでいってしまおうか。
金木犀が、
香っているのであります。


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