早瀬の呟き日記

2010年06月16日(水) 「不法占拠」(BL)

神奈木智氏の『不法占拠』を読む。
泣きながら読む。
読み終わってネット上の感想を見て回ると、あまりに酷評が多くて驚く。
好き嫌いは分かれるだろうとは思ったが、ここまで酷評が多いと、ああこの人たちは「自分に理解できるもの」「心地いいもの」しか受け入れたくないんだな、と思う。
小説って、そういうものじゃないと思うんだけどね。
まあ読書のあり方が人それぞれなのは仕方ない。
しかし、好き嫌いはともかく「上手い」ということさえ評価されないのはあまりに気の毒だろう。
何トカ攻×何トカ受というテンプレに名前押し込んだら出来上がり、という類の話ではない。
かといって、別に完全に理解不能なキャラというわけじゃないので、共感できない人がここまで多いとは思わなかった。
夏唯のような傲慢な子どもっぽさや、直人のような感情のルーズ・コントロールは、誰にでも一部分くらいはあるのだと思っていたが。
そうか、世の腐女子達は人格者が多いのだな・・・

ろくでなしの少年と、情緒に欠陥のある男の地獄のような恋愛。
幸せとは程遠い恋愛。
もしかしたら、恋愛ですらないかもしれない。

しかし。

「幸せ」って、そんなにエライものか?

「幸せ」なんて、何処にでも転がってる石ころみたいなものじゃないか。

「不幸」と、同じように。

痛みに身体を切り刻まれるようにしてしか、愛を信じられないときだってある。
そして、傷つけられることに疲れ果てて最後まで愛し抜けなかった自分を、呪う夜もある。

BL業界でまだこういう作品があるとほっとするが、これが好意的に受け入れられないのは悲しいことだ。


 < 過去  INDEX  未来 >


琳 [MAIL]