「幸せになれますように」と願いつつ、幼い頃から貧しくて「幸せ」とは程遠い生活を送る幸江。 ダンナのヤスオは働きもせず、パチンコの金をねだったり、何かというと黙ってちゃぶ台返し。家に帰ってこないことも。 パートをしている中華料理屋の店主は幸江に惚れてて、「あんな男のどこがいいんだー」とプロポーズしてくれるのですが。 幸江は若い頃シャブ中でヤクザの下で娼婦をしていて、そこの若いもんで、彼女に惚れたのがヤスオ。小指と引き換えに幸江を見受けしたのですね。 娼婦だった頃の幸江とヤスオの関係は、今と真逆。 「愛してるんです」と言うヤスオ(ロン毛の阿部ちゃんはまるっきり道原かつみの「ジョーカー」だった)に、「ばっかじゃないの!?」と罵る幸江。女王様と下僕です。 それが何故「健気な女房と横暴な夫」になってしまったのかは描かれないのでわかりませんが、「幸にも不幸にも等しく価値がある」とラスト近くで幸江は呟きます。 まーしかし、なんだかんだでヤスオは幸江を愛してんだよね。「あんなブス(という設定らしい。中谷美紀なのに)のためにカタギになったのかよ」と笑う元兄貴分を半殺しにしたり、幸江が意識不明の重態と聞けば、必死に病院に駆けつける。しかも、後で例の見受けの過去がわかるので、なーんだ愛されてんじゃん、と思うわけです。それは「幸せ」なんじゃないの?なんて、私の根性が捻じ曲がってるのでしょうか(笑) 面白い映画でしたが、「名作」というわけではないかな。
そういえば、栗本薫氏が亡くなった。 ガンなのは知っていたが、もっと長生きすると思っていた。しぶとそうだったじゃないかあの人。 私も、極めて末端の門弟もどき、ではあるかもしれない。誌上でコメント頂いた程度だけれど。 中学高校のとき、伊集院大介シリーズが好きだった。大介さんと結婚したかった(笑) 天狼星シリーズがよくわからない方向へ行った頃には読まなくなっていたが(彼女の文章は個人的に湿度が高すぎて推理小説でもないとちょっとしんどい)、やおい・BLを商業ベースに載せた偉大なゴッドマザーであることは確かだ。我々腐女子はすべてこの人の切り開いた道を、安全に楽しんでいる。 それに対する苛立ちを持っていた彼女に、BL業界は最後まで恐らく納得のいくような答えを出せなかった。
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