私の知り合いの話。
医者に罹っても原因不明のめまいに悩まされていた頃、人に勧められてその日にあった嬉しいこと、良かったことだけを日記に書いた。 孫が来たとか、息子から電話があったとか、友達とランチに行ったとか、その他庭の水仙が一輪咲いたとか、今年もツバメが巣を作ったとか、日常の些細な嬉しかったこと良かったことを書いていた。 でも日々の暮らしの中では悲しいこと、寂しいことも多くて愚痴りたい日もあったので、今年からは普通の日記にしようと楽しみにしていて3年日記を買った。 で、今年の初めから愚痴日記を書くつもりでいたのに、いざ書こうと思ったら楽しいことや嬉しかったことばかりが思い出されるのだと。 それで今日に至っているのだけれど、今日はあなた(私のことね)とこうしてお喋りしたことを書くわね、と。
私はこの人と話しながら、今はもう亡くなられているが人生相談の回答をされていた医師で大学教授の話を思い出した。 ある主婦が離婚しようかと悩んで投稿した答えが、 「ご主人からしてもらったいろんな楽しいことやうれしかったことを思い出してごらんなさい。 そして離婚するとして、これから一人で生きていく苦労や気楽さのようなことと天秤にかけてみなさい。」と。 この回答で投稿した主婦がどんな選択をしたのかは分からないけれど、私はこの回答を何故か忘れられないで今も覚えているのだ。
要は人それぞれのいいところを見つけて前向きに生きていきなさいということなのだろうけれど、私の知り合いのようにちょっとしたいいことばかりを書く癖がついたら案外楽なのではと、ふと思ったのだ。
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