正倉院展の混雑がだんだん辛くなってきたので、この秋は正倉院展には行かないで代わりに法華寺に行った。
ここは藤原不比等の邸宅跡を、光明皇后が伽藍にしたところで今は総国分尼寺だ。
今でも光明皇后は慈母のように伝えられているが、長屋王邸跡から発見された大量の木簡からはまた別な皇后の姿が浮かび上がってくる。 この木簡について話し出したら一年はかかるそうで、大学の講義でも3時間単位で話していると聞いた。
私も昔から歴史が好きだったわけではない。 図書館で何気に見についた『ある女官の生涯』と、光明皇后の母である『橘三千代』の物語が私を今まで興味のなかった世界へ誘った。 そしてそれらの物語の世界に登場する県に住まいしていることとが拍車をかけた。
そういう意味でも法華寺はかなりポイントが高い寺だ。 そして毎年秋季特別公開で光明皇后のお姿を模したといわれる十一面観音を拝見できる。 思っていたのよりは小ぶりな仏さまだった。 だけど不信心な私は観音さまよりも手水鉢に彫られていた天女だか仙女のほうが素晴らしいと感じた。
それにしてもほんとうにお寺参りは気持が落ち着く。 自分と対話しながら今回も心穏やかな半日を過した。
|