校門を出て、こがない自転車が、しゅるしゅる、がたがた、と下っていく 春雷前の曇り空に、お日様が陰っている こんなにも道ゆく人々をありがたい、と思うことがあるとは 子供を小学校に送ることが、こんなにも心地よいことであるとは 三十路を過ぎて命長らえることが、こんなにも 心の根底は深海のように変わらなくとも 水面のきらめきは、こんなにも換わる 今日も生きよう