どうして幸せが見つからないか、判る?
その大きな手で撫でながらだったよね
親が条件なしで愛してくれなかったから?
私はあなたの大きな手が好きだった、よね
きみは決して自分を確立できないからさ
どんなに動物の死に涙を流す優しさがあっても
どんなに友達を大切にする誠実さがあったとしても
どんなに政治や思想や自然科学の分野でノーベル賞を完璧に理解できても
どんなにも年を重ねて、慎重に生きて、自己決定を第一優先にしても、それでも
きみは決して自分を作れないんだよ、きみからは
だって、いつの間にか生まれていただろう?
だって、いつの間にか老いがセットだったろう?
いつの間にか、病にかかり、いつの間にか必ず死ぬことを知っただろう
そんな不条理がきみの根本に横たわっているのを知っているだろう?
だから、幸せがみつからないんだよ
そこを見つめない限り。そしてその不条理をゼロで打ち消さない限り
ゼロで、そう条件の一切含まない、ただいるだけ、という条件ゼロで
ゼロで全部を吹き飛ばすんだ
そうやって、空っぽになった幸せが手に入るんだよ
この空っぽ以外は、遺骸にしか感じられないほどの幸せが
難しいことわかんないよ
あなたの手が温かい、気持ちいい
それだけ
先も後もいらないわ
ううん、先も先もなくてもいいわ