依存症者たちが吐き出す煙の中で、あなたはさも正しいように言った。
「悩むことに満足している。色々問題があっても悩んでさえいれば許される」
という右手は貧乏揺すりのような、神経症のような素早さでテーブルクロスを叩いていた。
癌に侵されて、自己の存在意義や、全人生を振り返って深い自省をしたことのないタンポポの種のようなフワフワとした明るさが観えた。
健気さの裏に隠された、西洋タンポポの浮遊する明るさ。横隔膜を落としたことのないような白く可憐な明るさ。
やっと世知が、立ち回りが分かってきて、権力者にどう阿(おもね)るか、なんて言葉にウンウンと正直に頷(うなず)き、あなた自身からも吐かれていく言葉たち
タンポポのように一生そこで骨を埋める、と決めたからこそ出てきた、フワフワとした春の日差しのような
日差しのような
注記:西洋タンポポは春の季語です。