レオナルドは「己の肉体を支配する以上の、以下の支配力も持てない」と言った
この支配する肉体から、エロスや妥協や強い怒りがあふれ出てくるようになった
狭い理性で簡単に押さえ込めたのに、理性の対象範囲が広がるに従ってか、ホルモンのバランスが変わってか、奔流(ほんりゅう)するように頭の中を埋め尽くすようになってきた
濁流の中で浮き輪のように流れてくるのが、あなたの絵の、台詞の、そして情念の断片なのです
狭い理性の頃には、芸術性が無い絵として一瞬でページをめくっていたのに、なんと大いなる作品群なのでしょう
変化し続ける己の肉体を支配しようとする時に、どうしても浮かび上がってくるあなたの成果
見たい、知りたい、分かりたい、というのがルネサンスの精神だとしたら、まさにあなたはルネサンスの精神を体現しているのではないか、そんな風に感じられてならないのです